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■『ブラインド』第二話(#創作大賞2024 #漫画原作部門)

世界テイスティング選手権(正式名称La RVF World Tasting Championship)は毎年国対抗で行われ、
4人の代表と1人のコーチで参加することを知り、堀内恋果ほりうちれんかはメンバーを集め始める。

元彼に慰謝料請求をするために訪れた弁護士事務所で、鬼頭翼(33)に出会う。
彼のオフィスには賞状が3つ、額に入れて飾られている。
三大国家資格(弁護士/医師/公認会計士)の証書だという。

その横にワインエキスパート(業務用ではないワイン資格)の賞状も飾ってある。

恋果が紫貴のバーで飲んだワインの名前をあげると、
鬼頭は「産地、品種、作り手の名前、テロワールの特徴」などをすらすらとあげていく。

一度学んだことは忘れないらしい。

知識に驚き恋果がブランイド選手権のチームに誘うが、頭脳明晰の鬼頭は資格取得が趣味なだけで、ワイン自体には興味ないと断る。

食い下がる恋果は、もし世界一になれば、ここに賞状が一つ増える。
と説得し鬼頭も参加することに。


鬼頭翼がその夜、行きつけのガールズバーに向かう。
オーナー兼ホステスの相川沙織(24)はシャンパンを入れて美味しそうに飲み干す。
棚にずらりと並べられたシャンパンを見て、「味の違い分かってるの?」と少し小馬鹿にした口調で鬼頭が聞くと、

「サロンは別格でヴィンテージシャンパーニュならではのイースト香があって、このゴッセはブランノワール独特のパワフルさが…」

と酒焼けした声で、熱くシャンパン愛を語る。
それを見て鬼頭はチームに誘い、好奇心旺盛な沙織はノリで加入する。


翌日、沙織はガールズバーが入っているビルのオーナーの神楽坂智一(29)に出くわす。
神楽坂は親がギャラリーを経営する超お金持ちのボンボンで、幼い頃からアートを勉強してきたグラフィックデザイナーでもある。
家賃を滞納している沙織は逃げるように去ろうとするが、神楽坂に止められる。

「お客さん少なくてちょっとお金が…」と誤魔化すが、沙織の顔色を見て、「これは昨夜3時まで飲んでいた顔だ」と言い当てる。

微妙な色の変化も見逃さない視覚の持ち主。
視覚力と資金力に目をつけた沙織は神楽坂をチームに誘う。

味覚の恋果、知識の鬼頭、酒量と直感力の沙織、視覚力と財力の神楽坂が揃った。

#創作大賞2024 #漫画原作部門  #文化系スポ根 #ワイン



第三話


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