見出し画像

『ブラインド』第三話(#創作大賞2024 #漫画原作部門)

テイスティング選手権の関東大会予選が始まる。
堀内恋果ほりうちれんかは選手権3連覇している強敵がいることを知る。
それは、恋果が元彼と別れた原因でもあり、今は元彼の恋人になった早乙女美香さおとめみかだとわかる。

彼女は若くしてシニアソムリエの資格を取得し、メディアにもよく出るワイン界のミューズ的存在。

恋果はライバル心を燃やす。


紫貴コーチの鬼訓練が始まる。
野菜ジュースに入っている野菜と果物を全て当てるまで飲み続けたり、

甘味酸味渋みを感じる場所が舌の位置によって違うことを知るために、食事を舌先だけで食べたり。

香りに敏感になるために、香水や香料の付いた整髪料や化粧品は全て捨てられたり…。

紫貴は常にドライで毒舌。
感情に左右されることなく冷徹に厳しく四人を指導していく。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

関東大会に参加した恋果のチーム。
上位3位までが全国大会に出場できる中、30近いチームが参加している。

一流ホテルの著名なソムリエや、ワイン愛好家として活動しているタレント、ワインコレクターとして有名な富豪など、さまざまな参加チームがいる中、恋果は早乙女美香を見つける。

早乙女:「普通の子が、こんなところで何やってるの?」
と挑発されるが、「仲間がいるから大丈夫」と冷静に返す恋果。
早乙女:「二流が何人集まっても、一流にはなれない。むしろ三流に近づくのよ」
と返され、大会前に感情を乱されてしまう。

紫貴の猛特訓の成果もあり、
香りの特徴と品種をほぼ正解したが、国や地域やビンテージといった経験値が必要となる問いの多くを外して、正解率は67%。

ギリギリ3位には入ったものの、課題点が多く見つかる。

優勝した早乙女美香チームは、正解率82%。
メディアからの取材を笑顔で受ける早乙女を見て、全国大会でリベンジすることを誓う。


○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・○・

早乙女チームとの圧倒的な差を見せつけられた恋果チーム。
紫貴コーチに頼み合宿をすることに。

四人は紫貴に真っ暗な部屋に閉じ込められ、ここで1週間生活をしろと言われる。
視覚を奪われたことで、味覚と嗅覚が研ぎ澄まされ、今まで見えてなかったものが見え始める。

暗闇で一つの赤ワインを当てていく。

恋果:「この凝縮感はメルローかサンジョベーゼか」
鬼頭:「そうだね、カベルネソーヴィニヨンほどじゃないね」
沙織:「メルローだとしても涼しいところだね」
神楽坂:「ニュージーランドかイタリアのエトナ山とかかな」

暗闇から出ると、飲んでいたワインが明るいルビー色をしていることに驚く。

神楽坂:「この色だと、ピノノワールだって答えてた」
他の3人も同意する。

目からの情報は、知識で判断してしまう。
思い込みに左右されるから、出題者のひっかけに騙されてしまう
と紫貴が4人に伝える。
そのワインはニュージーランドのメルローだった。

紫貴:「目で見るんじゃない。心でワインに触れるんだ」

視覚を閉じることで、新しい扉が開いた瞬間だった。


つづく。


#創作大賞2024 #漫画原作部門 #文化系スポ根

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?