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プロメテウスから学ぶ 巨人は冒涜を恐れない

プロメテウスとは

プロメテウスはティーターン神族の一柱であるイーアペトスの子で、ゼウスの反対を押し切り、天界の火を盗み、人類に与えた存在として有名なのでは?ギリシャ神話の中でも割とメジャーなキャラクターであるイメージがあります。トリックスターで、文化英雄としての面を持つといわれています。


プロメテウスの名前の由来

ギリシャ語でproとmetheus に分解することができる。proは前に、先にという意味で、progressや、project,produceなどの英単語にも見られますね。metheusは、考える人という意味で、プロメテウスの名はpro+metheus で、先に考える人、つまり、先見の明を持つ者という意味です。プロメテウスの弟のエピメテウスの名はepi (後に)とmetheus(考える人)に分けることができ、プロメテウスと対比的な命名がされています。


アイスキュロスの「縛られたプロメテウス」

ギリシャの悲劇作家アイスキュロスはプロメテウス神話をもとに、このような悲劇をつくりました。

この悲劇のあらすじです

クロノスとティーターンたちの戦いに勝って、世界の支配権を握ったゼウスは、人類を滅ぼそうとするが、これを憐れんだプロメテウスが人間に火を与えて滅亡から救った。ゼウスはプロメテウスの博愛的行為に怒って彼を岩山に縛り付ける。合唱隊やオーケアノスとの対話を通じて、プロメテウスは現在の自分が受けている不当な屈辱を訴える一方、ゼウスの暴虐非道を訴える。その後、乙女イーオーが半狂乱の姿で現れ、ゼウスの専横がいっそうあらかさまに示される。プロメテウスはゼウスの脅迫に屈せず、その抵抗の姿勢を貫き、最後はタルタロスの谷底に投げ込まれる。

コトバンク  縛られたプロメテウス

この悲劇で、プロメテウスはより高く向上せんと意志し、そのために自ら進んで災禍を受け入れるのです。私たちが最善、最高のものを手に入れることができるのは冒涜を通じてであり、神に罰せられるという難を乗り越えなければならないのです。

プロメテウスの与えた火があらわすもの

プロメテウスは我々、人類に火をもたらしました。火は、人類の文明に大きく寄与することになる一方、それによる争いももたらします。つまり、文明の発展という「最善」と、争い「最悪」は表裏一体であるということで、これもまた「最善」を手に入れるならば「最悪」を乗り越えなければならず、「最悪」を乗り越えれば「最善」を得ることができる、ということを表していると考えます。
















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