#14　今日のハチミツ、あしたの私

角川春樹事務所　寺地はるな　著

今日のハチミツ、あしたの私 (ハルキ文庫)

はじめ私はかわいい装丁に惹かれ、そして優しいお話だと、どこかからうわさに聞き、この本を手に取った。

読んでみると想像していたお話とは違った。

碧は安西という恋人に遠慮していて、怒らせないようにしている。その様子を見て、彼らは本当に付き合っているといえるのか　余計なお世話だが考えてしまった。でも碧が関係を壊したくなくて、臆病になって安西に言いたいことをストレートに言えず、じっくり考えてから控えめにものをいう気持ちも自分の経験則から納得は出来た。碧の気持ちに共感できた。

最初は安西にイライラしまくりで、読むのをやめようかとすら思った。でも読了した今、安西は安西で考えていて不安だったことが分かった。好きな人の成功を純粋に喜べないほど追いつめられて悩んでいたのかもしれない。

人間だれしも居場所がどこかにあるはずだ。碧が安西の田舎で活き活きと頼られながら生活する様子をみてそう思った。

私の居場所はどこだろう。今いる場所は私の居場所なのか。考えてしまう。人生何が起こるかわからない。これからも自分の居場所を探し続けたい。見つけたならば、大事にしようと思う。