1年以上経って、 運命の人が彼だったと気づいた日のこと。 あるお昼にベッドの上でころころしながらSNSを見ていた時。 ・
もう運命の人に出会っていたにもかかわらず わたしは全然気がつかなくて 日々を過ごしてた。 彼とはお絵描きの日の少し後だと思うけどSNSで繋がってときどきいいね。したりするくらい。 彼の投稿も見たりしていたけれど、 そこに書かれた、少し難しくて長い文章に あまりよく理解できなくて 文面はあんまり最後まで読まずに、 時々いいねしたりしてたんだと思う。 ぼやっとした記憶だし それくらい気がつかなかった。 きっと良い人なんだろうけど どこか自分には縁がないとい
ピンクのワンピースを来たその日は わたしはみんなの前で絵を描くという 初めての試みの日。 誰も知らない 初めてのギャラリーで 数時間かけて絵を描いていて。 ただ楽しくって ひたすら描いていたら ぱっと左から。 足音も立てずに 空間に魔法みたいに現れたかのように とてもとても背の高い男の人。 目があって「こんにちは」 次の瞬間からその人はなかなかのテンションとスピード感を持ったままずっとおしゃべり。 その時わたしの隣にはもう1人の初めましての女の子がいたから
「その分の良いこときっとあると信じて。 これ着る日は。 1番ハッピーにつつまれる日ね」 そうしてわたしのため。 ひとつの楽しみのため。 期待とおまじないを込めた ピンクのリネンの生地で ワンピースを作りました。 待っても待っても なかなか着る日はやってこなかったけど。 ずっとずっと後になってから 約束どおりワンピースに魔法はちゃんと かけられていたと知ったとき。 そのことに気がついた時にはすでに 物語の中に入り込んでいました。 ワンピースを着たあの1日か