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『凛』というクールビューティー②

【作者注】事情により、ヒロインの設定を変更いたしました。


 午後6時、約束の時間に私がホテルを訪れると、凛さんは紺色のドレス姿で出迎えてくれた。日中お会いしたときのスポーティーなブルゾン姿とは違い、よりエレガントな女性らしいオーラが漂っていた。

「こんばんは。素敵なドレスですね、髪型も変えられて、気品が溢れる感じです」
と、私が素直に印象を言うと
「うれしいです、ありがとう。中山さんも、ジャケットにネクタイ姿がお似合いですよ、こんな着こなし好きです」
私は、紺色のブレザーに薄いパープルのギンガムチェックのシャツ、紺色のニットタイを締め、グレンプラッドのスラックスを履いていた。

凛さんは提案した。
「ふたりで色合わせをしたような感じですね。それで、お願いしたコース料理なんですけど、こちらのホテル部屋では狭くて居づらいから、どこか別の場所に行きませんか?中山さん、素敵なところ知りませんか?ラブホ🏩なんかどうでしょう。
いいところ、ご存知?」

「えっ、ラブホですか?」
私は、驚いて尋ねた。
「大丈夫ですよ、ラブホに行ってもHするとは限らないので。でも、中山さん次第ではわからないけど。もっとも、私じゃ、そんな気にならないかしら?ふふん」
凛さんは、悪戯っぽい笑顔で答えた。

「うーん、そうですね。古町にラカーサという
ラブホがあります。内装は、全然エロくなくて、アジアンモダンでお洒落な感じです。女性がデザインしたらしいです。
ここからだと、車で5分くらいかな。私の料理用の荷物がかなりあるので、歩きだとキツイですね」
私は、ラカーサのHPをネットで検索し、スマホで凛さんに見せて言った。
「良さそうですね、じゃあそこにしましょう。タクシーで行きましょう」

 凛さんの準備が終わると、私たちはホテルの駐車場で、タクシーに乗り込んだ。

「ここが、有名な萬代橋。渡ったら、もうちょっと走ったら着くくらいですから、近いですね」
数分で東堀通に、ホテルの裏側に着いた。

「ここから歩いて、1.2分です」
「荷物たくさんですね、ひとつ持ちましょうか?」
「いや大丈夫です。女性に持たせるわけにはいかないですから」
「でも随分いっぱいありますね。お料理と道具以外にもあるんじゃないんですか」
「えー、実は凛さんからお誘いを受けたので、私も男ですから、万一そうなったときのためにいろいろエロエロ道具を用意しました。ロープとか、電マとか、バイブとか、アダルトグッズですね」
私が真顔で答えると
「まぁ、私がHなの、お見通しだったの。じゃあ、もう今日はするしかないわね、ふふふっ」
まんざらでもない様子で凛さんは言った。

「本気にしました?まさか、冗談ですよ。中身は、ワイングラス、テーブルクロス、バゲット、デザートなど、料理に関するものだけです。でも、まさかとは思いましたが、こんな素敵な凛さんと、もしかしたら、なんて…」
【続く】


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