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❤️のトライアングル第一部、②

 二人の乗ったアウディは動き出し、桜の名所鳥屋野潟方面に向かって行くようだった。私は、尾行しながら、美奈さんの美貌を思い起こしていた。彼女には、人によっては近寄り難い雰囲気さえ感じる気品があつた。誰に似ているかというと、昭和の女優若尾文子、だろうか。日本的美人の典型、アルトの声に特徴のある方である。そして、私にはその素敵な彼女とお話ししてみたいという気持ちが芽生え、由香里に連絡して花見に合流しようかな、会社の方は花見のために適当な理由で休んだことにしようか、などと思い始めた。
 そんなふうに考えているうちに、彼女の白いアウディは花見のメッカ鳥屋野公園のメイン駐車場に差し掛かったが、素通りして進んで行く。私は
"あれっここに停めないのかな"
と思いつつ尾行を続けた。クルマは更に進み、鳥屋野潟裏の北はずれまで来ていた。左折して、弁天線と呼ばれる道路に入ったが、一体どこに停めるつもりなのか、私には分からなかった。
 そして、意外なことに、誰もが知る鳥屋野潟裏のラブホ街にクルマは進み、その中の一つのホテルに入って行った…
 "ええっ、まさか二人はそういう関係なのか?レズビアン?由香里があの美しい彼女と、そんなことしているのか"
私の妄想が頭の中を駆け巡った。
"由香里の相手は男ではなかった。美しい美奈さんに私はNTRされたのだろうか?そう言えば、美奈さんが似ている若尾文子は、あの有名な谷崎潤一郎の官能小説『卍』の初映画化作品に出ていたなぁ"
などと色々なことが思い出された。その映画は、もう何十年も前に観たので、内容は忘れてしまったが、主演女優の若尾文子の美しさがモノクロ画面の中で際立っていた。そして、二人がどんなふうに官能の世界に浸り、快感の虜になってしまったのか、美しい美奈さんにそんな性癖があったのか、そんなことを考えつつ、私はしょうがなく家に帰って来た。
 家に帰っても、私の妄想は止まらなかった。たぶん、由香里が攻めて美奈さんが受けだろうとか、ペニパンやバイブは使うのかとか、美奈さんはどんなふうに感じるのだろうか、そしてその美貌の主の裸身は、などと…。由香里との関係もご無沙汰のため、私は妄想から性欲が強く湧き上がり、AVを観て愛棒を慰めることにした。今日は、レズビアンものの無修正にしてみよう。

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