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アニメ化希望『短くて恐ろしいフィルの時代』ジョージ・ソーンダーズ

Eテレの「理想的本箱」のなかで「戦争が迫って来たときに読む本」として紹介されてた。

大きな国と小さな国をめぐる、大人のおとぎ話。

一度に1人しか国民が入れない小国<内ホーナー国>。
それを囲み、広大な領地を持つ強国<外ホーナー国>。
国境は赤い紐で引いてある。

登場人物は「ベルトのバックルとツナ缶を繋げたような形」だったり、「最初はふたつのお腹を持っていたが、太りすぎて7つのお腹を持つようになって」いたり、チャーミング。
ピクサーでアニメ化してほしい。
ツナ缶のふたを開けたり閉めたりしていちゃついてるところが見たい。

なぜそんな小さな地域が独立国になっているのか。
外国に対して税金を徴収するというのは、おかしくないか。
体に泥を塗られる報酬なしの仕事って何だ。

つっこみどころはいくらもあるけれど、おとぎ話なので我慢した。

フィルが悪役なんだけど、最初はただの一般人なんだよね。
だから、一歩間違うと自分も人を迫害するような人間になるかもしれない、という気がしてくる。

そういう内省的なところは措いておいても、
キャラが可愛かったり発想が奇想天外だったりして面白い。
簡単に読めるからみんなに読んで欲しいよな、と思う作品でした。

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