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◇一人反省会◇Web投稿作【女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻】

 皆さん、自作の分析・反省会ってしていますか?

 という訳で、こんにちは。
 私、小説を書いております。野菜ばたけと申します。

 ありがたい事に小説で賞を頂いて商業作家になった身ですが、それでも尚更に出版のチャンスがほしいと、興味のある公募(コンテスト)には色々と挑戦している身です。

 しかし小説は、書くだけではあまり成長を見込めません。

 自分が書いた作品を振り返り、何が良くて何が悪かったのか。
 悪いところは、どう改善すればいいのか。
 そういった事を考え、次に活かして初めて自分の成長に繋がるものだと私は密かに思っています。

 という事で、今回は書いて一か月弱経った公募(コンテスト)挑戦作の自作反省会を文字お越ししてみようと思います。
 いつも自分の頭の中ではやっている事ではありますが、人目に晒される場所に書く事で整理されたり納得したりできる事もありますからね。

 本ページは

・自分も自作の反省をしたいけど、どうやったらいいか分からない。
・野菜ばたけがどんな作品を見てどこに改善点を見出しているのか、気になる。
・人の振り見て我が振り直せ。野菜ばたけに反省を参考に自作を書きたい。
・自分の分析と作者本人の分析を見比べたい。

など

 と思ってくださっている人には、参考になると思われます。

 他人の作品の反省を読んで一番実になるのは、あらかじめ自分でもその作品を読み、自分なりの感想と改善点を考えた上で、第三者の思う改善点を見る事だと思います。
 お時間ある方は、まずは私の作品を読んでみてから反省会を読んでみてください。
 現在(2023年9月13日時点で)は、全14話・3万字なので、読み終わるまでの時間は比較的少ないと思います。


1.タイトル反省

<タイトル:女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻>

①よかったと思える点

・ヒロインとヒーローの属性の提示ができている
・『女嫌い』という婚姻に向かない個性を持ったヒーローと、『歴史狂い』という一般の令嬢には似つかわしくない個性を持ったヒロインの存在で、読者の目を引けている
・『どうしようもなくマイペースな婚姻』とはどういうものなのか、興味を引けている

②改善点

・前半部分の漢字が多いので、固い印象になって読者があらすじまで見てくれないかもしれない。

2.あらすじ反省

「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」

 行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。
 相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。
 でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!

 それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。

 え、「何もしなくていい」?!
 じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!

 
 こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?

 どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。
 二人が歩み寄る日は、来るのか。

 得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?
 意外とお似合いなのかもしれません。笑

①よかったと思える点

・一行目で『友好と借金の形に』という、ちょっと変わった&一見不遇な理由での結婚を示唆できている。
・主人公のマイペースさ(結婚それ自体<自分のやりたい事ができなくなる事)が提示できている。
・主人公が嫁ぎ先でもマイペースに生きていける事を提示できている。
・二人の相違点と共通点を提示できている。

②改善点

・本文の軽いノリ(主人公自身が自らの境遇をそれ程深刻には捉えていない)をあらすじで見せようとするあまり、文体が軽すぎてWeb小説に忌避感を抱く読者を取り逃している可能性がある。
・最終行はもう少しいい書き方があったような気がする(とはいえ、現状ではまだすぐには思いつかない)。

3.本文

①よかったと思える点

・歴史狂いの設定をきちんと活かす形で、主人公(ヒロイン)の変人さと有能さを示すことができた。
・ヒーローの女嫌い(頑なさ)にも理由がある事と、それでも必要であれば歩み寄るというヒーローの性格に基づく行動を、冒頭3万字までの間に提示する事ができた。
・本作の楽しみ方二つ(①『ヒーローとヒロインのかみ合わなさ(それによって、ヒーローがヒロインに振り回される形)』②歴史の知識で領地経営)という本作の楽しみ方の一つを、冒頭3万字で提示する事ができた。

②改善点

・冒頭にあまりインパクト(引き)がない。ランキングから読みに来た「元々『結婚からのセカンドライフ(というお題のコンテストに参加しています)』というカテゴリにとりたてて興味のない一般恋愛もの読者にとっては、テンプレ始まりで起伏も少ないので、離脱の原因になっていそう。もう一工夫あった方がいい。
・冒頭の展開がゆっくりなので(ヒーローが実際に登場するまで6000字かかっている)、なかなか進まない物語だという印象を持たれたかもしれない。『冒頭は二人の出会いから始めて、回想で今の冒頭を見せる』など、もうちょっと工夫のしようはあった。

4.反響(ランキング・PV分析)

①連載中

・連載当初は、スロースタートだった(毎日投稿で、投稿4日目くらいでカクヨム恋愛の日間・週間入りする。その後、数日で100位以内を陥落)。
・意外にも、読者継続率があまり下がらなかった。継続して読者が作品を読みに足を運んでくれていた印象(最終話直前まで、継続して一話200PVは超えて安定していた)。
・後追いでアルファポリスにも投稿を開始したけど、そちらでもそう高くはないものの安定した24h.ポイントを獲得できていた(投稿場所は関係なく、読者継続率は高めだった)。
・カクヨムの評価(★)が全然伸びない。

②完結後

・一日早くアルファポリス版が完結。ブーストがかかりホットランキング入り。それに伴い、アルファポリスの続きを読みに来た影響で、カクヨムでもランキングが上昇した(完結翌日のカクヨム恋愛ランキングでは、週間99位、日間21位)。
・アルファポリス勢のランキングの上昇に伴い、カクヨムの各話PV数に変動が起きた(アルファポリス未収録ページのPVが上がった)。
・カクヨムランキング入りの影響で、第一話のPVが上がったものの、その後の継続率はあまりよくないように見える。
・カクヨムの評価(★)の伸びがよくない(じわじわと伸びているものの、それだけでカクヨムのランキングをぶち抜けるような力はない)。

③結論

 想定読者にはある程度読み続けさせる事のできる作品になっていたものの、恋愛小説を好んで読む広義の想定読者には訴求力不足だった。
 また、連載中に読者が評価(★)を入れたくなるほどの強い「続きを読みたい」欲を掻き立てる事はできなかった

5.今後に向けて

・タイトル、あらすじでもっと作品の魅力を出せるように(まずは読者に見つけてもらえるタイトル、あらすじにする事を)考える。
・広義の想定読者にも刺さるような、訴求力のある題材・要素・展開を選ぶ⇒そのためには今人気の恋愛小説の分析・勉強が必要。
・各話の引き(つい応援したくなるような内容)を意識する。


 という感じで、一人反省会をしてみました。
 『今後に向けて』という事で最後に纏めてみたものの、具体策はまだ書けていないので、その辺についてはまた別のページに細分化して纏めたいなと思います。

 あとは、完結が昨日の夜(9月12日)なので、あとはもうどこまでブーストしてくれるかを祈りながら眺めるのみです。
 ※今後何か新たな改善点など見つかれば、追記していくかもしれません。


 それはそうと、もしかしたら私が気付いていないような改善点もまだあるかもしれません。
 もし何か気がついた方がいらっしゃったら、コッソリとDMしてくださると、こちらに反映されているかもしれません。笑

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