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2023年のワインまとめ前編


前年に比べるとずいぶんと積極性を持ってワインを楽しむことができた2023年、色々あったし良いことばかりでした。

まずは出来事などをピックアップしましょう。

2023年のワインにまつわる色々

わたしとワイン エッセイアンソロジーに参加

ますたやさんの呼びかけにより、音楽とワインに傾倒した駄文が文集の冒頭を飾ることになりました、たくさんの方々のワインとの出会いや楽しみ方、さまざまな想いが素敵な作品集です。

日本ワインへの興味

前年秋の勝沼エリア訪問から、さらに日本ワインの経験値を増やすべく、量販店、専門店、ワイナリー、イベントでかなりの数を買い集めて楽しみました。都市型ワイナリーの葡蔵人さん、前年同様に勝沼エリアのワイナリーさんの訪問では様々な楽しさと喜びを感じました。

勝沼エリア訪問前日の石和温泉の宿のワインサーバー。

3桁赤ワイン色々飲んでみた

近所のスーパーで買える格安な単一品種の赤ワインで当たりを探すチャレンジ。この企画のテーマは、高いワインばかりに目を向けて調子に乗るなという自身への戒め、価格帯比で面白いワインをスーパーや量販店で買いたい、年間のワインにかける費用をいくらかでも下げたいといったものです。

近所のスーパーに並ぶお馴染みの皆様を買って来ました。

正直なところ苦手なタイプもありましたが、何本かの注目すべきボトルがありました。多くのボトルを室内の冷暗所保管となるため実施するには寒い時期限定となりますが、1月から3月辺りで普及価格帯の良品を探すチャレンジは毎年やりたいと思っています。

ワイン会への参加

流行り病により数年に渡り苦しめられた行動制限の緩和に伴い自主規制も緩和が進む中、冬に開催された醸造家Nagiさんヒマワインさんの会、秋からは米柱さんハッピーなつみさんの多摩川の会からはじまり、さまざまな会に立て続けに参加させていただき、「何を飲むかではなく誰と飲むか」の大切さを実感しました。今後も引き篭もらず楽しんでいきたいと思っています。

たくさんの方々と楽しくいただいた多摩川ワイン会のボトル達。

世界を旅する的な

5月末から伊勢丹新宿店開催されたイベント、世界を旅するワイン展では普段店舗では見かけない国や地域のワインが並んでいました、せっかくの機会ですからとカウンターで試飲したものだけでなく気になるものを集め、イベント後も未経験の国のものを探していきました。長引く戦争や政情不安など難しい事も多いですが、気兼ねする事なく各国各地のワインが自由に飲めるような状況になったらと思います。

様々なテーマに沿った試飲が楽しかったです。

ブラインドテイスティングに挑戦

ワインマーケットパーティさんwine@さんの神イベント、お値打ち価格での良いワインのブラインドテイスティングに数回チャレンジ、楽しみながら自身の感覚を磨く良い機会となり大変に勉強になりました。ワインの経験が浅い方も外れて当たり前なので気楽に楽しんだらいいと思います、恵比寿駅周辺は2024年もアツいはずです。

ワインマーケットパーティさん、いつも美味しくて難しい。
wine@恵比寿さん、なかなか当たらないもんです。


2023年の気に入ったボトル10選

前年の2022年の分はデータの部を先に出して、気に入ったボトルの記事はおまけとして追加しましたが、今回は先にVivinoで自分が4.0以上をつけたものから選出、さらに10本に絞り込みました。それぞれの詳細はVivinoに書いてあるので、リンクのURLからたどって読んでいただけるとありがたいです。(ハイ面倒)→読みにくいので直接引用になおしました。(ヨカッタヨカッタ)

1月 ドメーヌ ロラン ペール エ フィス ペルナン ヴェルジュレス ブラン レ クルー2017

フランス ブルゴーニュ シャルドネ

年始を彩るさすがな品質のブルゴーニュブランでした。

新年おめでとうございます。年末年始で開栓したのは2021秋からの各国各地2本づつ比較したシャルドネシリーズに登場予定のところ、ブルゴーニュを勢いで3本揃えてしまいお蔵入りにしたこちら。ずっと開けるタイミングがなかったので開けました。
ボーヌの中では北側にあって、著名なコルトンシャルルマーニュなんかの産地が近くにあるよう、このペルナンヴェルジュレスなんかは村名でもマイナーなので比較的手が出る価格なのかも。
オフィス街の名店で大々的なセールで割引だったようで、税抜きギリ3.9k台、Alc13%、明るいゴールド、レモン、ライム、白い花、石灰岩を通ってきた硬水、樽香はありますが割と控えめでバランス取れていて心地よいです。
温度低いと少し硬い感じが出ますが、全体的には滑らかな香りに合った口当たりで気持ちいいです。これを入手した後半年後くらいから世界情勢が不安定になって、輸入品の価格上昇が始まったことを思うと、今年は早期に平和が訪れて欲しいと願わずにはいられません。

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1月 丸藤葡萄酒工業 プティ ドメーヌ ルバイヤート2016

山梨県 メルロー主体

日本ワイン生産者さんが考えるボルドーブレンドの良品。

遅い冬休み中なので早い時間からワインをいただいてました。
今回は勝沼ぶどう郷訪問時に試飲して入手した丸藤葡萄酒工業さんのメルロー66%、PV20%、CS14%組成なこちらです。ぶどうの丘という素敵施設で試飲して良いなと感じて、税抜き4.0kでの購入です。

Alc12%、色調は深みはないけれど縁が少しだけ茶色が入ったルビー、しっとりした数種の黒ベリー、少し革製品感、陰性な雰囲気までいかない中庸な落ち着いた酸味に適切な甘味、セラー保管な2日目もバランスが崩れる事は全くなく、アタクシがメルローに求める滑らかで綺麗な口当たりなまま。

食事は初日は魚介とキノコとブロッコリーの冷凍品使ったアヒージョ、バゲット、2日目は野菜たっぷりスープ餃子と今年もSDGsな(言いたいだけ😇)手抜きですが、日本ワインのいいところは食事を引き立てるニュートラルさと勝手に思っていますので、とても良好で素晴らしいです。

日本ワインの生産者さんが考えるボルドーブレンド、こんな感じならかなりいいのかも知れません。

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3月 ドミニオ デ ウンクス ガルナッチャ2018

スペイン ガルナッチャ 後編の集計はグルナッシュで

普段は税抜き1,000円越えていましたがセールでゲット、良かったもののマニアックな為か残念ながら店頭から消えてしまいました。

スーパーで買える3桁赤で面白そうに見えたスペインのガルナッチャ、ドミニオ デ ウンクス2018、ドウシシャさん扱いのお買い得品、税抜き0.8kを切りますが酸味と風味のバランスはなかなかに良好で、初日だけなら価格帯を大幅に超える良品です。

割と透け感あるガーネット、ザクロとかの赤い果実、若干の革製品、口に含むと少しスッとするスパイシーなハーブ感、タンニンもさほど強くなく、Alc14.5%との表示ですがもう少し優しい感じ、気がつくと酔いがまわるタイプなのかも知れません。

価格を考えると口当たりに少し厚みがありますので、強すぎない肉類や日常に食べるような家庭料理に合わせて丁度いいのかなと感じます。今回は初日スーパーで買える肉類の惣菜とベーコンエビ、2日目は冷凍保存してたキノコたっぷりのスープ餃子、値引きされてた加熱用唐揚げ惣菜を例によって油少なめで焼いてOKでした。スーパーで買える3桁赤の暫定トップはまたもや更新でこちらに、尚、冷やし過ぎないようにするのが大事。

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3月 シャトー ド ラ マルトロワ シャサーニュ モンラッシェ クロ デュ シャトー ド ラ マルトロワ ルージュ2014

フランス ブルゴーニュ ピノノワール

適度な枯れ感と良い酸味、ブルゴーニュの良いワイン飲んでる感じ

シャサーニュモンラッシェの赤、単一畑の1er Cruを投入します。高騰前の14ヶ月くらい前にオフィス街の名店のセールで税抜き約6kで入手しました。

Alc13%、2014の割には枯れ感はあまり無いごく僅かに縁がオレンジが入ったガーネット、ちょい獣、森林の苔、赤ベリー、濃い赤の薔薇、滑らかにふんわり広がる香りはさすが、口に含んでは美しさもある酸味と最低限なタイトな甘味を伴って、奥に奥に伸びて行く香りと味わいが良いですね。

初日は肉団子、春巻き、2日目はお刺身奮発、3日目はヒレカツ、かき揚げ惣菜、野菜も適度に合わせつつ単体でも食事と合わせても良さが失われずに維持。普通に蓋をしてセラー保管だけですが、3日程度なら酸化防止の道具もいらない堅牢な作りにびっくり。

ここ数ヶ月での極端な高騰に伴ってブルゴーニュは卒業するつもりで居ましたが、そうそう簡単にはいかないのかも、、、

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6月 ギガル コート・デュ・ローヌ ロゼ2020

フランス ローヌ グルナッシュ主体

しっかり目な味わい、飲み進むとボトルに浮き上がる模様も良き。

6月はロゼの日が2つあるらしく、2番目のタイミングで開栓しました、ギガルのロゼ2020、Alc14.5%、グルナッシュ70%、サンソー20%、シラー10%だそうです。

近所の酒屋さんで税抜き約1.6kとセール価格で有難いですね。しっかり目をなサーモンピンク、最初冷えてるとスイカやメロン、ミントぽいスッとするハーブ感のニュアンスがありましたが、温度が上がり出すとチェリーや柑橘類の香りが出て来ました、酸味がしっかりありつつも後味の適切な甘味がアルコールの高さを上手くコントロールして、ハードにならずに見た目とのギャップを埋めることに成功していると思います。

初日は鶏肉揚げのタルタル惣菜、コールスロー、2日目は揚げるだけ唐揚げ惣菜を例によって油少なめで焼いたの、根菜サラダ、冷奴なんかでいただきました。和風でも軽い食事でも合わせ易そうな良品、飲み進めるとボトル内側の波のような模様が浮かび上がる演出もニクいですね。

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8月 カステロダルバ ドウロ ブランコ2021

ポルトガル ラピガト主体

暑すぎた夏に有難い良い酸味、爽やかさと華やかさが光りました。

価格対比でチート級、近所の酒屋さんで税抜き約1.3k、取り扱いは稲葉さん、ポルトガルのドウロで土着のラビガトと、主に酒精強化のポートに使われる品種のヴィオシニョ等で作られてます。ポルトガルも土着品種を追いかけると、イタリアには負けますが中々に沼ですね。

スクリューキャップ、Alc12.5%、南国フルーツ、グレープフルーツ、レモン、青いハーブ、NZのSBから強めな苦味を除去したような華やかさ、酸味がしっかり目なので、食事を引き立てつつ暑い中で爽やかな飲み口です。品種についての日本語で読める少な目な情報を見る限り、どうやら華やかな香りはラビガトの個性ぽい。

初日はニラレバ惣菜、コールスロー惣菜、2日目は白身魚のフライ、棒棒鶏風サラダ惣菜、冷奴、グリッシーニとか、魚のフライでも酸味高めなせいか臭みは出ず、強くない味付けの肉類から魚介類、野菜類、スーパーで買えるレベルのチーズとパン類など幅広く適合出来ます。

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8月 葡蔵人 カベルネロゼ2022

東京都 カベルネソーヴィニヨン

人気のボトル、醸造家の須合さんの造りたかったワインだそう。

東京御徒町にある都市型ワイナリー、葡蔵人のロゼワイン。神戸市から買い付けたカベルネソーヴィニヨンを使って仕上げたもの、税抜き3kは立地や各種の状況を考慮すれば致し方なく。

Alc9%、かなり濃い目のサーモンカラー、焼いたリンゴ、ドライプラム、酸味はしっかりあるのですが、後口に落ち着いた伸びやかな香りを伴ってダレない少なめな甘味があるので、食事と合わせることで活きるロゼワインとしては優品です。

初日はエチケットにて推奨されるように鶏肉の揚げ物惣菜、コールスロー惣菜、冷奴にバルサミコ酢かけて酸味で合わせる感じで、2日目は冷凍魚介類、キノコでアヒージョ、食事を選んでも選ばなくても幅広くカバーできる良さがあります。

あえてAlc9%であることも良いと思います、アルコール耐性が強い方は物足りない印象を持つかも知れませんが、日本人の多くがアルコールの分解能力が低めであるわけで、こういったワインが市場の裾野を広げる可能性がひょっとしてあるのでは? と妄想します。期待値と好みから評価点は優しく。

*葡萄の産地と醸造等の場所が異なる場合の産地は表記を悩みますね。

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10月 シャトー・ナイン・ピークス ピンカー ロゼ2021

中国 シラー主体

品種特性かスパイシーな香り、酸味と口当たり良好なロゼでした。

初となる中国ワインはお洒落な街の大きなお店でブラインドチャレンジのついでで税抜き3.2kからキャンペーンで割引入手な山東省はビールで著名な青島の九頂庄園のロゼ、登録データとは全く異なりシラー70%、カベルネフラン30%らしいです。

スクリューキャップ、Alc13%、見た目麗しいとても淡いオレンジがかったピンク、赤ベリー系の雰囲気にパインや桃、初日は微炭酸がさらにキレの良い口当たりを演出、全般のすっきりしたハーブや花香のイメージはシラーによるものか?

初日は鶏肉と茄子、キノコなどのトマトソース煮、2日目は和風なスープ餃子、3日目は鶏天、キノコとさつまいものチーズグラタンの惣菜、様々な食事と和やかな破綻のない適合はロゼワインの最大の美点。

のんびりいただきましたが、最終日は微炭酸は無くてもキレの良い酸味をベースとして、適当に冷蔵室保管でもダレることのない堅牢な雰囲気が素晴らしい、ロゼワインはまだまだ気楽なだけのものと思われていますが、しっかりと向き合っても楽しくいただけるものもあると感じた良品です。

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11月 北海道中央葡萄酒 千歳ワイナリー ピノノワール2021

北海道 ピノノワール

お刺身と合う冷涼地域ならではの綺麗な酸味が好みでした。

北海道中央葡萄酒さんのピノノワール、山梨の中央葡萄酒さんから独立した生産者さんなよう、近所の日本酒や日本ワイン専門のもう一軒の酒屋さんで税抜き4k、冷涼地区のピノノワールなら、尚且つ日本ワインなら多少の予算上昇は想定内です。

Alc12.5%、透けるオレンジ色が入ったクリアなガーネット、初日は柘榴主体な赤ベリーに枯葉感、2日目は苺やチェリー、綺麗な酸味に抑制された果実味と甘味、バランスのとれたタンニンが有難いです。

冷涼地区のピノノワールといえば和食との適合を楽しみたいところ、気温が高めだった初日はスーパーでたっぷりな分量のお刺身を奮発、あとは生野菜サラダの惣菜、気温がぐっと下がった2日目は大根やキノコたっぷりないつものスープ餃子、電子レンジでチンした豆腐で和やかに。

冷涼地区のピノノワールの良さを堪能、ブルゴーニュスタイルで割安な各地のやつを探すのが来年のテーマのひとつになるのは確実、まあ楽しく遊びましょ。

20231124-1125


11月 イケダワイナリー グランドキュベ甲州 勝沼菱山畑2022

山梨県 甲州

焼いたしまほっけの干物にレモン絞ってしっかり目な酸味で適合。

推し生産者さんの優品。

昨年秋に河口湖の宿でいただいたイケダワイナリーさんの樽熟甲州は、エントリーラインなのに1本で宿の和食なコース料理をカバーしつつも、良心的な価格で気持ちのいいハイレベルなパフォーマンスを提供して貰えました。

勝沼地区のワイナリーさんに伺う中で、当然イケダワイナリーさんにも訪問、カワイイ看板犬に癒されながら試飲して、レベルの高さに感心しつつ税抜き3kで購入、この生産者さんの甲州は相対的にクオリティに比べて安い価格設定、見かけたらチャレンジ願いたい。

勝沼菱山畑の単一なのでしょうか、気合いが入っています。Alc12.5%、とても淡いクリアーな透明感に僅かに黄色が入った色彩、レモンやすだちの柑橘系の香り、酸味はきつ過ぎず綺麗で後口の残糖も和やかでバランス重視、和食との適合を考えながらも単体でも楽しくいただける、甲州という品種に対するハイレベルなこだわりを感じます。

初日はしまほっけにレモン絞って、野菜の塩胡椒炒めにもレモンで調整して、2日目は野菜たっぷりな肉豆腐で温かい食事と和やかに、甲州はやっぱり家庭料理含め和食で合わせて良さを引き出したいですね。

20231129-1130


後編に続く


*価格帯様々で中でもロゼの良品にたくさん出会う事が出来たと思います。長くなったので集計データの部と選外となった気になったボトルの掲載はは年明けに公開する後編へ

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