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たまにはJazzのお話を

1982年

宿泊客の寝タバコと杜撰な施設管理が原因で多数の犠牲者を出したホテル火災があり、翌日には羽田空港沖で機長の異常行動から旅客機が墜落した年、この年はびっくりしたなぁもうの三波伸介(初代)、米ジャズ界では2月にセロニアス モンク、6月にアート ペッパー、7月にはソニー スティットといったビッグネームが亡くなりました。

そんな頃のセロニアス モンクの思い出と映画とワインにまつわる短めな話を、いつもお世話になっているますたやさんが募集されたエッセイ集に掲載させていただいたのですが、

今回は主にアルトサックスを演奏したアート ペッパーに軽く触れます。

白人であり、当初は西海岸エリアでの活躍が目立ちますが、軽妙さが売りの音楽性に物足りなかったのか、ハードなスタイルに変えていきます。しかし当時の誘惑だらけの世相とクリエイトする苦しみなどから、薬物の常用に伴う逮捕や治療の専念により活動を中断して過去の人になりかけます。

1956-1957年 切れ味の良い音色が素晴らしい

1959年 編曲やアンサンブルが楽しい佳作


時代は移り変わり、ハードバップからモード、フリーの嵐が吹き荒れた後の時代に復帰してきたアート ペッパーは、後期のジョン コルトレーンのアバンギャルドなスタイルを吸収しつつ、主にコンテンポラリー、続いてギャラクシーレーベルで晩年の深みのある作品を残します。

1976年 後のライブの主要レパートリーが含まれる力作

1980年 ウィズストリングス 寂寥とした空気感の中で吹きまくる名作

1981年のライブ盤の完全版 エネルギッシュな演奏

比較的軽やかで聴きやすい1960年頃までしか聴きたくないという方が居ますが、ミュージシャンとしての生と死の淵を彷徨った男の生き様を感じさせる、激しく苦味成分がたっぷりの晩年も魅力的です。

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