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【楽天の岐路】23年ぶりの赤字から見える未来戦略《楽天モバイルの挑戦》黒字化への道と経営戦略の転換点


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この記事は、下記の方に特にお勧めです

  • 楽天グループに投資している、または検討している投資家

  • 経営学やビジネス戦略に興味がある学生や研究者

  • 楽天モバイルのサービスユーザー、または検討中の方

  • 一般消費者で楽天グループのサービスを利用している方

  • テクノロジーとイノベーションに関心がある人

要約

楽天グループは23年ぶりの異常事態、2129億円の赤字を記録。特にモバイル事業の巨額投資が財務に重くのしかかります。この分析では、楽天の直面する課題と黒字化への道、財務改善策を深掘りし、経営戦略の転換が必要と提言します。楽天の未来を左右する決断の時が来ています。

楽天グループは、2023年12月期の連結決算で23年ぶりの異常事態とも言える2129億円の赤字を記録しました。この数字は、前年に比べ1588億円の改善を見せていますが、これだけで安堵する状況には程遠いです。特に、楽天の未来を左右するモバイル事業が、巨額の設備投資による負担を抱え、黒字化への道のりが依然として厳しいことが明らかになりました。このブログでは、楽天が直面する課題を深く掘り下げ、経営コンサルタントとしての視点で、今後楽天がどのような戦略を取るべきかを分析し、提言します。

楽天モバイル事業の現状

楽天モバイルは、楽天グループの財務状況に大きな影響を与えています。2023年の営業赤字は前年比で1417億円の改善を見せましたが、この改善は主に、au回線のローミング拡大によるもので、基地局設置投資のペースダウンが一因となっています。しかし、プラチナバンドへの投資は未だに十分とは言えず、通信の質の向上という課題が残っています。

黒字化への道のり

楽天モバイルが黒字化を実現するためには、契約回線数とARPU(契約者当たり月平均収入)の両方を目標値に到達させる必要があります。しかし、契約回線数の増加には「通信の質」の問題が立ちはだかっており、ARPUを高めるためには、個人契約の増加が不可欠です。法人契約の増加による一時的な数値の改善は持続可能な成長戦略とは言えません。

財務状況と社債償還の問題

楽天グループは、今後数年間で巨額の社債償還に直面しています。2023年度の償還予定分は800億円で、これは楽天証券株の売却などによって確保されましたが、2024年度以降は更に多額の償還が予定されており、楽天カード株の売却も現実味を帯びてきています。これは、楽天グループにとって深刻な財務課題となっています。

提言

  1. プラチナバンドへの投資加速: 楽天モバイルは、通信の質の向上を最優先課題として、プラチナバンドへの投資を加速すべきです。これは、個人契約の増加とARPUの向上に直結するため、黒字化への近道となります。

  2. 財務構造の見直し: 楽天は、財務構造の見直しと、社債償還に向けた長期的な計画を立てる必要があります。これには、非効率な事業の見直しや、必要に応じて資産の売却を行うことも含まれます。

  3. AI戦略の具体化: 楽天は、AI戦略の具体化と実行に力を入れるべきです。特に、OpenAI社との業務提携の進展に注目し、AIを活用した新たなビジネスモデルの開発を進めることが、長期的な成長のカギとなります。

  4. 株主価値の向上に向けた取り組み: 23年ぶりの無配という決算結果に対して、株主への説明責任を果たし、株主価値の向上に向けた具体的な計画を提示することが求められます。

楽天グループは、モバイル事業の黒字化だけでなく、財務状況の改善と持続可能な成長戦略の構築に向けて、複数の課題に同時に取り組む必要があります。これらの課題は容易ではありませんが、楽天グループが再び成長軌道に乗るためには避けて通れない道です。


楽天グループとは

楽天グループ株式会社は、1997年に三木谷浩史によって設立された日本の大手インターネット企業です。当初はオンラインショッピングモール「楽天市場」からスタートしましたが、その後、金融、電子書籍、旅行、スポーツ、通信など、幅広い事業を展開しています。楽天は、"Empowerment"(エンパワーメント)を企業理念として掲げ、個人や社会が持つ可能性を最大限に引き出すことを目指しています。

楽天グループは、以下のような多様なビジネスを手がけています。

  • EC事業: 楽天市場をはじめとする電子商取引プラットフォーム。

  • 金融事業: 銀行、証券、保険などの金融サービス。

  • モバイル事業: 2019年に携帯電話事業に参入した楽天モバイル。

  • デジタルコンテンツ: 電子書籍、音楽配信、動画配信サービス。

  • トラベル事業: 旅行予約サイトの運営。

  • プロスポーツ: プロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」の運営など。

  • AIとデータテクノロジー: AI技術を活用したサービスの開発と提供。

また、グローバルにも事業を展開しており、アメリカやヨーロッパ、アジアなど世界各地でビジネスを行っています。国内外を問わず、楽天グループはデータとテクノロジーを駆使したイノベーションによって、新たな価値を創出し続けることを目指しています。

楽天グループの特徴の一つは、統一された会員プログラム「楽天会員」を軸に、様々なサービス間でポイントを共有できる点です。これにより、ユーザーは楽天エコシステム内での消費活動を通じて、さらに多くのメリットを享受することが可能になっています。


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