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ゲーム以外でも使える、あとちょっとだけ・・・となる設計について

今回は、ゲーム業界では当たり前に使われている、あとちょっとだけ遊びたくなる設計の秘密について書いていきたいと思います

ゲームでやめ時がわからなくなるのはなぜか?

みなさん、ゲームを遊んでいると、ついついやめどきがわからなくて続けてしまう、そんな経験ないでしょうか?

簡単に言うと、これは「インフレ」✕「壁」✕「新要素」を上手く組み合わせているからなんです

インフレ

インフレとは、インフレーションの略で、要はどんどん数字の規模が大きくなって強くなっていく、みたいなものだと思ってください。

例えば、RPGとかでよくあるのが、とりあえず先に進もうと、目の前の敵をなんとか倒して行くうち、経験値が手に入って、気づいたら強くなっていきますよね

そうすると、敵がだんだん簡単に倒せるようになっていくので、段々楽しくなりつつ、となってきます。これが最初の要素、「インフレ」になります。

そして、ちょっと飽きかけたときに、強いボスが出てきて、最初ちょっと勝てなかったりするものの、少し前に戻って頑張って経験値とか稼いでレベルアップして、またボスのところに戻ってくると、ギリギリのところで倒して勝利!そして達成感を得られる…というようなこともありますよね。

これは、2つ目の要素である「壁」になります。ハードルや目標と言い換えてもいいですが、要は、成長のインフレを上回るくらい強い敵が現れて、もしかしたら勝てないかも、と思いつつも、少し頑張ってみることで強くなって、その敵を倒す、ということで、立ちはだかった壁を超えていくというようなものになります。

新要素

ここまでだけで、変化がないと、一区切り着いてしまうので辞めたくなってしまいますが、ボスを倒すと、また新しい世界が広がり、気になってちょっとだけ足を踏み出してみたくなり、新しい世界の敵は、最初だけはちょっとだけ優しくて倒しやすかったり、報酬も多めにもらえたり、でもやっていっくうちにより強い敵が出てきて、またなんとか倒しながら進む、ということがよくあるパターンだったりします。

これが、最後の新要素に当たる部分で、インフレと壁の繰り返しだと、それはそれで単調になるので、新しい要素とかで変化をつけて、大きな壁を超えたあと、なにか新しいことがあるから、ちょっとだけ挑戦してみたい、そう思えるようなものを用意することで、また新しくインフレ+壁のループに戻ってきて、気づいたらやめ時を見失うような構造になっています

ゲーム外での事例

この構造は、ゲーム外でも活用されていて、例えば以前ご紹介した、半沢直樹でも同じように使われていますし、こちらの記事で紹介した、インフレと壁のお話以外でも、ちょうど区切りのタイミングでは、話の最後で少しだけ、新要素のシーンを多めに流したりなど、次が気になるような設計も盛り込まれていました

他でもわかり易く使われている例は、塚田農場のポイントカードなどもその一つですね。最近はアプリ化されたようですが、こちらも最初主任からスタートし、2回でちょうど壁が来て、という形で、次は5回、という形で、壁を超えるためのハードルもインフレしつつ、壁を超えるたびに、役職も課長、部長のように名前も変わり、報酬変わる、ということで新要素になっていく、という形になっています。

まとめ

他にも色々とありますが、このように、あとちょっとだけ…となるような設計をするためには、「インフレ」✕「壁」✕「新要素」を適切なタイミングで配置していくことがとても重要になります。

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