魔法のスイーツ

前回に続きまして、ふみさんの詞に付けた曲の紹介記事です。
曲のタイトルは「魔法のスイーツ」
歌はふみさんに歌っていただいています。

詞は、前回の「まるで一本の木のように」と同じく、コンサートの印象を詞にしたものだろうと思ったのですが、一部よくわからないところがありました。
詞の頭のところを引用します。

大通りから裏路地へ
フィギュアとコーヒー

このフィギュアコーヒーの意味がよく分からず、いろいろ考えました。
あっ、前の投稿でも書きましたが、私は詞の意味を作詞者に尋ねることはしません。
思い違いも必ず生じますが、そこにサプライズがあったりすることを期待しているので。

まず、フィギュアが人形のことだとすると、フィギュアが飾られたライブ喫茶と考えるのが妥当なのですが、フィギュアにはスケート競技を指す場合もある。ふみさんは、羽生結弦さんの大ファンなんです。以前、音楽SNSサイトで埼玉県の羽生市を話題にしていましたら、ふみさんが入ってきて羽生結弦さんの話に変わってしまったことがありましたっけ。^^
それを考慮すると、この詞は、コンサートと羽生結弦をはしごした帰りに、コーヒーを頂きながらその感動を歌ったもの、というあたりが正解かもしれません。そこらへんはまた、ふみさんからのコメントを待ちたいと思います。

ただ、どっちにしても、「魔法のスイーツ」というタイトルが曲者です。
というのは、この歌にはお菓子のスイーツは出てこないんです。
なので最初は、同じく [swíːt] と発音する Suite(組曲)のことかと思いました。
つまりコンサートで聴いた曲かと。

しかし、魔法の組曲というのも変ですから、やはりスイーツは甘いものと考えた方がよい。
甘党の方でしたら、コーヒーが出てきたからにはスイーツは甘いもの、というのが自明なのでしょうが、私はどちらかというと辛党なので、すぐには思いつかなかった。^^;
すると、タイトルは「魔法の甘いもの」ということになります。
それは何かといったら、耳に甘く響く魔法のお菓子、つまり音楽のことになりますよね。たぶん。^^

そういう解釈を思いつきまして、お菓子を音楽に変えてしまう魔法の呪文を作ることにしました。呪文と言っても音楽の工房で作るものですので、基本的に楽器の音が材料です。

できたものは、「ポコっ、ポコ、ポコポコポコポコ・・・」と鳴ってから最後に「コン!」と鳴る音。曲の中に何度も登場します。

これに似たリズムは、歌舞伎や大相撲で拍子木を叩く音としてよく耳にしますが、この曲ではウッドブロックといって、オーケストラでも使われる打楽器の音で自作したものを使いました。


箱形のウッドブロック(Photo by

画像1


ウッドブロックは、打ち合わせて鳴らす拍子木とは違って、木琴のマレットやスネアドラムのスティックで叩いて鳴らすものです。

ウッドブロックを使った名曲があるのですが、ご存じでしょうか?
NHKの「今日の料理」のテーマ音楽です。
メロディを奏するマリンバの音が重なっているので気が付きくいですが、ウッドブロックの方は音程感がないので注意して聴けばわかります。

「今日の料理」のウッドブロックは、作曲の冨田勲さんが包丁で物を刻む音をイメージしたものだそうです。
一方、私のウッドブロックは、お菓子のスイーツを音楽に変える魔法の呪文です。^^

この呪文のおかげでしょうか、曲の方もあっという間に仕上がりました。
またこの呪文は、音楽の流れの中でもいい感じのアクセントになりました。
音が途切れた谷間で、ポコポコポコと鳴る。
つまり、この音は言ってみれば、甘味の口直しに塩昆布を頂くようなもの。
塩昆布はスイーツ、特に和菓子のおいしさをいやが上にも引き立てます。
桜の塩漬けと言い換えてもいい。
私は辛党と言いましたが、餡子物は大好物。
なので、そこはよくわかります。^^

この歌の甘味のメインは、もちろんふみさんのボーカルです。
ほかにフルート・バイオリン・ビオラ、そしてチェロも甘味として参加しています。
伴奏のピアノは、盛り付け用の食器といった役どころ。その他、シンセのキラキラ音とピッコロが入っていますが、そちらはデコレーションと言ってもいいかも。
曲の最後は塩昆布のウッドブロックで〆ましたが、それは私が和菓子派だから。^^

お楽しみいただければ幸いです。

このジャケ絵はイラストACで見つけたフリー素材です。上下が切れていますがリンク先のSoundCloudで見ると魔法の杖が見えます。

歌声から私が感じるふみさんのイメージは、こういう魔法使いかなあ。^^

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