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「『恋愛したい』がわからない」についての考察(その3:恋愛遍歴)

【その1、2はこちら】


ここではわたしの恋愛歴を振り返ってみる。
恋愛したい気持ちがわからないと言うが、恋愛歴が乏しいのかというとそうではないと自分では思う。

話は小学生の頃に遡り、隣のクラスの誰々がわたしのことを好きらしいという噂を耳にしたことがあるところから始まる。高校の時も似たようなことがあった。
加えて高3の時は、隣のクラスに自分のファンクラブめいたものがあったという話を卒業してから友だちに聞いたことがある。ただこれは当時のわたしが全く認知していないほど何かアクションがあったわけではないし、話が盛られている可能性もあるので真偽の程は定かではない。

大学に入ってからは2人きりで遊びに誘われる、告白される、はじめて恋人ができる、と傍から見れば恋愛的にはしっかり大学生デビューして順調なステップを踏んでいる。
大学1年の夏休み、久しぶりに再開した中学の同級生に「あの時好きだった」「あの時告白してたら付き合ってた?」と漫画のようなことを言われたこともある。

これだけ見ると、自分はけして恋愛と疎遠な人生を送ってはいない。

これまで話してきたのは受け身な出来事が多いが、自分から告白したことも中学生の時に一度だけある。
半分黒歴史と自負していることもあり、どれほど好きだったかは忘れてしまった。
周りに持ち上げられたこともあり段階を踏まずに勢いで告白してしまい、好きだった期間はそれほど長くないので、言うなれば熟成期間は短かったと思う。
結果振られたし振られた時の記憶もうっすらあるけど、それを引きずっていたかといえばそういう記憶はない。
ちなみに数年前、その人と10年ぶりくらいにひょんなきっかけで再会する機会があり、わたしは勝手に気恥ずかしい思いをしていたが向こうに当時の記憶が残っているかは謎だ。


誰かがわたしを好きだと聞いて、嬉しいか嬉しくないかといえば嬉しい。
だがわたしはその人たちの多くと恋愛感情を介在した交際をしたいとは思わなかった。

今になってふと、わたしは男友達が欲しかったのかもしれないという考えが浮かぶ。
わたしは女でおそらく異性愛者ではあるが、男女で仲良くなることがすぐ恋愛感情に結びつくのがなんとなく嫌だったのかもしれない。

友だちとして仲良くしたい人に、こちらが恋愛感情を持っていると誤解されるのはよくないと思っていた。
男性相手だともし何かあって力づくで来られればきっと負けてしまうので、ある程度近づく前に関係性をはっきりさせた方がいいと考えていた。
過去にそのような考えから、気楽に喋れていいなという視点で好ましく感じていた人から恋愛のにおいを感じ始めて半ば無理やり遠ざけたことがある。
その人には本当に申し訳ないが、わたしはある種裏切られたような気分だったのかもしれないと今は思う。
恋愛感情を挟まなければ男女は親しくできないのか、と。

恋愛はしなくていい。ただお互いのことを気兼ねなく喋りたい。
男性に対してこう思うのは、はたしてよくばりな願いなのだったのだろうか。


(つづく)


2022.3.7 追記
(※この記事はわたしが疑問に思ったことを夫に投げかけ、対話する中で編み上げた考えなので、わたし個人の意見というよりは夫とわたしの考えをまとめたものになります。)

ありがとうございます。