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ネクタイの着用における3つの心得

スーツスタイルが他の洋服と違う理由の一つは、ネクタイの着用にあると考えます。

そして、ネクタイはジャケット・スラックスそしてシャツのデザイン以上に数多い種類が存在しているため、個性を引き立たせるための有効な道具と言えるのです。

では、ネクタイはどのような基準で着用していくべきなのでしょうか。
筆者が普段から注意している点などを記述します。

デザインを知る

実際にネクタイを着用する前に、まずは、ネクタイにはどのようなデザインがあり、そしてどういった性格を持ち合わせているのかについて知っておきましょう。

ネクタイのデザイン(柄)は、主には5種類あります。

無地(ソリッド)
水玉(ドット)
レジメンタル(ストライプ)
ペイズリー
小紋

無地

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スーツ全体のスタイルを考えていく際には、最もシンプルで合わせやすいデザインと言えます。また、最も格式高いフォーマルなスーツと言えると同時に、カジュアルな場面でも着用することが出来ますので、無地のネクタイを複数本持つというのは非常に有効な手段と言えると考えます。(特にネイビー)

水玉

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「ドット」と呼ばれる水玉模様の大半は、水玉の配置や大きさにムラがないパターンが採用されており、2色でデザインされているものが多いため、無地の次にフォーマルかつ、シンプルで合わせやすいネクタイと言えます。

レジメンタル

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「レジメンタル」とは、「連隊の」という意味の言葉です。もともとは、団体や組織に属していることを表すための、斜めのストライプのデザインでしたが、様々な色味の組み合わせが加わることで、一般的な人でも関係なく用いられるようになったデザインと考えられます。ただ、このような歴史的背景のためにフォーマルな場面では、レジメンタルタイの使用には少し気を使う必要もあるとされます。

ペイズリー

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ペイズリー柄とは、植物や生物をモチーフにした絵柄のことです。曲線的な模様が散りばめられており、デザイン性の高い独特な印象を与えてくれます。

小紋

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文字の通り、小さな柄をデザインしたネクタイとなります。丸、三角、四角など、幾何学的な要素を取り入れたものが数多く存在しており、ペイズリーと同様に、独特な印象を持たせるため、個性を引き立たせる道具として使えると考えます。

色合い

では、基礎的なネクタイのデザインを知った上で、どのようにネクタイを選べば良いのでしょうか。注意しなけばならないのは、

色合い
TPO
シャツの襟と結び方

3つの観点だと考えています。

まず色合いに関してです。
ネクタイを締める際には、ネクタイだけを考えてはいけません。ネクタイは、個性を表現する、あくまでスーツスタイルの一部なのです。

そこでスタイル全体の調和を整える上で欠かせないのが、色を「拾う」という概念です。拾うというのは、端的に言えばネクタイ、ジャケット・スラックス、そしてシャツなどの色調を合わせていくというものです。コントラストの激しい状態では、見る人の目に優しくありませんから、スタイル全体の色調をまとめることで、他者に整った印象を与えることが出来ます。

もちろん独特なネクタイの色や柄を選択することを、色拾いの概念が否定しているのではありません。その場合はネクタイの色や柄を基準とし、ジャケットやシャツを決めていけば良いのです。

また、同系色ではないものの色相における補色の関係を利用することがあります。有名なもので言えば「(伊)アズーロ・エ・マローネ」と呼ばれる、青と茶の組み合わせです。これは、大変頻繁に利用される配色といえます。

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TPO

TPOは、Time(時間)、Place(場所)、Occasion/Opportunity(場合/目的)の略称です。
TPOを考える上では、色味だけでなく、艶感やデザインを考慮に入れなくてはありません。職場などのフォーマルさが求められるような状況であれば、艶感消し、無地や水玉のデザインのネクタイを用い、食事などの社交の場では華やかさを取り入れ、艶のあるネクタイを用いていくなどといった使い分けが必要です。

具体的なネクタイ選びの例では、ビジネスシーン(日中、会社、仕事)などにおいては、落ち着きや誠実さの印象を与えるネイビー無地を用い、女性とのデートなど(夜間、レストラン、食事)であれば、明るい色合いのデザイン的な小紋柄のスーツを用いるなどがあります。

シャツのデザインと結び方

筆者が、シャツのデザインとの兼ね合いで注意するのは、シャツ・スーツのストライプの幅(ピッチ)と、レジメンタルタイのストライプの幅とを、同じにしないことです。これを同じ幅にすることで、方向の違うストライプの柄(盾と斜め)が、ただどっしりと構えている絵柄となり、まとまりの悪い印象を受けると考えられます。

また、ネクタイの結び方に関しては、襟の角度と関係するようにしています。ネクタイの結び方はいくつか存在しますが、筆者は「角度が大き(小さ)ければ、ネクタイも大き(小さ)くなる結び方」という一つの基準を置き、選択しています。

ただ、ネクタイの生地が薄い、または厚いというような印象を受けるのであれば、その都度結び方を基準から逸らすこともよくあります。(ただ、その日の気分次第ということもあります。)


それでは、ネクタイを実際に結んでみましょう!
お目通しいただきありがとうございました。

<おわり>



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