カルト〜大森靖子とミッドサマー〜

大森靖子は、若い子の心の闇を引き出す、ミッドサマー的カルトなのではないだろうか。

最近話題のアイドル、「ZOC」。
メンバーの個性が際立っていて、可愛い女の子たちがそれぞれの事情を抱えながら歌う曲はすごく心に突き刺さり、多くの若い女の子達を虜にしています。

わたしは初めてZOCの曲、「Family Name」を聴いた時とても衝撃をうけました。いつのまにか涙が出ていたからです。そこから彼女達に目が離せなくなり、新曲が出るのを楽しみにしたり、メンバーのSNSをチェックしたりしだしました。

このZOCメンバー達の共通点は「大森靖子が大好き」ということ。もともと仲が良いというメンバーもいますが、多くのメンバーは"靖子ちゃん"が元々好きだったそうです。

大森靖子が作るZOCの曲はメッセージ性が強く、女の子達の心の支えになる曲ばかりです。

しかしわたしは、曲を聞いたり興味を持ってどんどん調べる中で思ったのです。

なぜ、こんなに心が惹きつけられるのか。
なぜ、どんどん感情を揺さぶられ、涙が出てきそうになったり、自分の中の孤独感を自覚したのか。
なぜ、こんなにも多くの女の子達が大森靖子を崇拝するのか。

大森靖子のファンの多くはとても熱狂的で、カルト的人気とも評されています。大森靖子の曲を愛して、大森靖子の発する言葉や曲に救われている、と言います。

しかし、わたしの偏見かもしれないですが、ファンの子達は、大森靖子と出会っていない女の子達に比べて、可愛さや自分の存在価値に必要以上に向き合ってしまって涙を流してしまう子が多い気がします。

そういう繊細な子達だから、大森靖子に出会ってそのメッセージが突き刺さるのか。

しかし、むしろ逆なのではないかと思ったのです。

大森靖子の強い言葉が、女の子の繊細な部分を引き出しているのだ。

と思いました。

若い女の子は多感です。友達や恋人、周囲の大人との人間関係につまずき、反発や不安を感じます。

その不安定で多感な時期に、大森靖子の言葉は鋭く突き刺さるのです。

ここでタイトルにある、『ミッドサマー』の話になります。

(具体的なことは言わないですが、ネタバレと捉える方もいらっしゃるかもしれませんので、その点ご了承ください。)

ミッドサマーは、北欧の山奥にあるカルト集団に若者が出会う映画です。

カルトとは、一般的に、一つの概念に熱狂している集団という意味で使われています。

このミッドサマーでは、カルトが形成される中で重要なポイント、「共感」についてたくさん描かれていました。

喜び、悲しみ、快感、すべての感情を共感しあい、この共同体で共有するのです。

感情の共有は一体感を生み、共同体に陶酔させていくのです。

このカルトにおいての重要なポイントを頭において、大森靖子とファンについて考えてみます。

大森靖子の曲は、言葉のメッセージが強烈に強いものばかりです。
他人からの愛情などにしがみつく自分から脱し、自分を愛したいという、若い女の子に共通するテーマで、強いメッセージ性があります。

その強い言葉達に触れ、不安定で多感な若い女の子たちは、強く"共感"するのです。

自分たちの不安定な感情を、言語化してくれて、自分以外にもそう思ってる人がいるんだ、と救われた気持ちになるのです。

この感情の共感にミッドサマーと通ずるものを感じました。

その言葉にこめられた意味が重すぎて、若い女の子は簡単にその強い言葉に影響されすぎてのみこまれてしまう場合があるのです。

多感な時期に大森靖子の言葉に触れることで、それに共感し、自分の心の闇の部分、今まで言語化できず心の奥底に秘めてあった感情をどんどん自覚し、無自覚のうちに自分を飲み込むほどおおきくなってしまうのです。

これはまさにミッドサマーで描かれたカルトそのものです。

そう思うと、ミッドサマーで描かれた、恐ろしいと強く感じた、"カルト"はとても身近にあるものだと、ふと思ったのです。

わたしはカルトの善悪については、特に述べません。犯罪を起こすカルト集団のせいで、異教集団や、根絶させるべきものと思う人も多いですが、実際それに心を救われる人が少なからずいるのも事実です。(周りは洗脳と思っていても、少なくとも本人は心を救われていると思っていると思います。)

しかし、自分を救ってくれる存在に出会ったと思っていても、実は、自分を覆うその感情をむしろ大きくしてしまって、いつの間にか自分が染まりきってしまっている可能性もある、ということを若い女の子たちにちゃんと自覚して欲しいと思っています。

アンテナの感度が高くなる、というとわかりやすいと思います。
心の闇の部分が敏感になり、傷つきやすくなってしまうかもしれないのです。

目の前の大きな尊い存在に盲目になり、すべての言葉に受動的になるのではなく、自分を俯瞰できる視点を手に入れないと、何かに自分が呑まれて後戻りできなくなることもあるのです。

大森靖子ではなくても、カルトとは本当に身近な存在で、無自覚なうちに自我が偏ってしまうかもしれないのです。

そう強く感じました。

カリスマ的人気になっているZOC。その勢いは止まらないだろうし、わたしもこれからも応援します。
しかし、このことをちゃんと、意識して、無自覚のうちに負の感情に覆われることがないように、と思うのです。

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#雑記


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