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仕事の温度差

個人で全てをする作家さんは大変だけれど、全て自分で作っているので商品に対するストレスはない。
でも意外と限界範囲が狭い。
クリエーターをたくさん育ててきた施設の方によると、全てを1人で賄う個人作家の限界は売上500万らしい。
これは売上だから収入に落とし込むと、トップクリエーターでも慎ましく生活できるかな?ぐらいの収入になる。
これは私の実感とも合っていて、個人作家でそこそこの知名度でもみんな慎ましく生活している。
これがアーティストとなるとまた別になるかもしれないけれど…。
この限界を打破するにはお仕事を外注にしたり、人を雇ったりするステップを登らないといけない。


私は人を雇うほどの度胸も売上もまだまだないのですが、製造の一部は外注さんにお願いしています。
そしてひしひしと感じることが「自分と外注さんのお仕事の温度差」です。
これは自分が自分のブランドの商品を作るのと、その工程を「お仕事」としてこなすのは違って当然ですよね。
自分では拘っているところを適当に済まされたり、自分が「当然」と思っている部分がお願いする人や工場には「当然」ではなかったり。
ほんっと難しいのです。


この「当然ここはこうするでしょう」は自分の常識だけかもしれない。
自分と相手の常識の違いは経験してみないとわからない。
そしてお願いしたことに対して適当にこなされたり、早く済まそうとされると仕上がりにもその気持がでているから、その製品を見て気持ちが沈みます。
こんな時は「自分でやれば良かった…」といつも涙目になります。
高かった革も布も「こんなの売りたくない」とそっと処分したこともあります。


でもこんな時に「ココとは2度とやらない!」と次々に外注さんを探していくのも間違いではないけれど、トラブルがあったからこそ「自分はこの部分に拘っています。ここはこうして欲しい。どうしてこういう風になったのか?次回はこうならないようにどう指示をすれば良いのか?」しっかり伝えて今後の付き合いにつなげていくのが大切だと感じています。
その人や工場にしかお願いできないから、と黙っていたら次も同じことになる可能性が高いです。
トラブルをきっかけにお互いの常識をすり合わせて今後につなげていかないと、新しい職人さんに次々に移っていくのはエンドレスリセット状態になってちっとも生産的ではないと、自分の経験からも感じています。


数年来継続してお仕事をお願いしている職人さんや材料屋さんも過去にトラブルが全くなかったところはないし、トラブルになったからこそ次からが気をつけてくれる。


そうだよね!そのはず!?と付き合いがまだ浅い工場との絶賛トラブル中のわたしが書いています。
沈んだ気持ちが文字を書いたら落ち着いたので、工場への修正指示書を今から作ろう…。
今回のことも通過点だと信じてね〜。うぅ…。


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