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私はなぜインソールを作るのか?

「どうしてインソールなのかわからない」
よく言われます。
私の商材はバッグと革小物とインソール。
どれも年齢を意識させられることがなくオシャレしたり、活動的になれる人が増えて欲しい、という想いで提案している品です。
でも一つのブランド、方向性として一緒にして語るのは難しいのかな?、とも最近実感しています。

自分がインソールを提案したいのは長年靴をしてきて感じてきたモヤモヤを解消していきたいのが一番の想いです。
もっと靴は履きやすくなれるはず!自分が感じている部分を提案したい。

以下、めちゃくちゃマニアックに記していきます!長いです!!



◇ 靴業界ジョブホッパーした結果モヤモヤした。

私の靴業界でのキャリアは

浅草量産メーカー

オーダーインソール店舗販売

オーダーシューズメーカー

神戸・浅草生産の浅草靴問屋

中国生産PUメーカー

大阪生産の浅草靴問屋

めっちゃ靴業界ジョブホッパーでした。笑
浅草・神戸・大阪・中国の工場と仕事をしてきて、オーダー靴からPU量販企画まで経験しています。
私の靴業界で働いてきたモチベーションは「履きやすい靴を作りたい」
コレのみです。
それは最初から変わりません。

ずっと企画職できたおかげで、木型を触らせてもらったり、色々な素材や製法・デザインを経験させてもらいました。
最近は踵が小さい人が多いので、最後に担当した問屋ブランドでは踵だけをワンサイズ下げて木型を作ってもらっていました。
量産では色々なことを試させてもらった結果、履きやすさを考えると量産でモヤモヤした部分もでてきました。



◇ 靴は履きやすく作られているのか?

自分が感じている既製靴の問題例をいくつかあげると。


・ 量産ではヒールは左右対称で作られているけれど、人の踵は左右対称ではない。

ヒールは右ヒール、左ヒールと2型作らないように大抵は左右対称の一型。
(ウエッジヒールやモールドソールは除いて)
よって木型も踵は左右対称。
この設定で木型を作ると踵がうまく乗っていない靴が多い。
具体的には内側の肉が踵内側からはみ出し、外側には空間ができている。
足を乗せると写真のような設計になる場合が多いのですね。

今は最終サンダルの季節なので、チェックがしやすいので街でチェックしてみて下さい。多くの足が写真のような踵の乗り方しています。



・ 靴木型は製造の関係上、センターが盛り上がっている木型が多いけれど、足を入れた時に外側に足が逃げる。

これは以前noteに書きました。
足の形状ではなく、製法用に形状が作られている木型が多いです。



◇ 機能的な 凹凸のある足を、なぜ平らな靴の中底に乗せるのか?


Illustration:kaneko yukiyo

そして長年靴をしてきた私が思う「履きやすい靴」の最大の条件は
凹凸のあるインソールが靴内にあること
だと考えています。

足裏は凹凸(アーチ)があり、そのアーチ機能によって体重を分散し、バネ機能、筋肉の保護の役割をしています。
この機能的な凹凸の足を、なぜ平らな靴の中底に乗せるのか?
そこが既製靴の一番モヤモヤポイントなんです。


最近はスポンジを配置して健康に重視してますよ、という靴も増えてきたけど、大体は「それなり」に見えるようなスポンジ素材。
体重を支えるには硬さも必要。
でも硬さがあるものは不具合がでる可能性も高い。
そこを躊躇して「それなり」の柔らかさで抑えてある形状のインソールが一般的になっているのですね。
海外製靴は硬さのあるアーチをつけた靴を販売しているのに、どうして日本はこの分野の靴を作っていないのか?



◇ なぜ靴は体重を支える肝部分の踏まずが空洞になっているのか?


靴底はアーチ部分がえぐれている形状が一般的ですよね。
これがめちゃめちゃ疑問なんです。
アーチの一番高い部分の体重を支えることはとても重要なのに、そこが空洞になっているなんて、そもそもの靴の基礎設計を見直すべきではないか?
すら思います。

↑一般的なソール。
踏まずの部分がカーブで空洞。

↓ドイツのコンフォートシューズ。
踏まずの部分もソールがあり、体重を支えている。



◇ 年を重ねてコンフォートシューズしか履けなくなる未来を何とかしたい。


コンフォートシューズって知っていますか?
履きやすさを第一に作られている靴。
インソールも、木型も、踏まずの形状も完璧な靴です。
有名な靴だと「finn comfort」というブランドがあります。

↑ finn comfort  上のソール写真もこの靴。

履きやすくて疲れにくく、この靴しか履けない人もたくさんいるぐらいに履き心地が設計された靴です。
でも、私はデザイン的にちょっと…履きたくないです…
現状の「履きやすい靴」を履きたくないなら、履きたい靴を作りたい!



◇ 自分が考える靴のデザイン・設計


コンフォートシューズまで完璧ではなくとも履きやすく、デザイン的に装いにしっくり馴染む。そんな靴を提案したい。

自分の足に合わせて木型を削り、作った靴です。
履きつぶして汚いのですが…
上記のモヤモヤは全てクリアしています。

↑上記の靴用インソールも作りました。

木型のサイズ展開を作り、友人や家族にも履いて好評をもらいました。

この靴は売り物になる完成レベルではなく、製法も独特になり、量産には程遠いです。
でもデザインと履き心地は融合することができる!そう証明できる靴になれたと思います。
未来の靴は今の靴よりもっともっと履きやすくできる、そんな未来に向けて自分ができることを少しずつでも動いていきたいと思います。



◇ まずはインソール

私も含めて、日常をスニーカーで過ごす人が多いと思います。
普段のスニーカーの中に入れ、足アーチの機能をサポートして快適に過ごすことができる。
インソールを入れていると疲れないな、と認識してもらえることを目指してスニーカータイプのインソールを作りました。

特徴
・ シリコン製で通常のウレタンのインソールに比べてアーチをしっかり支える硬度がある。
・ つま先の形状を選ばないハーフ・インソール。
・ シリコン素材で長年使用していても経年による形状変化が少ない。
・ 靴デザインの邪魔をしないマットグレーのシンプルなデザイン
・ よくあるS・M・L型ではなくサイズ展開を細かく設定(2サイズごと)


弱点としては
・ 重さがあるのでスポーツには向かない
・ 値段が高額(オリジナルで金型を作った為)
・ オーダーではないので、全ての足に合うわけではない


効果がすぐにわかりやすく出るものではないので、難しい部分はあるのですが、今年後半はインソールの良さを知ってもらえるように活動していく予定です。
靴に対する認識や意識が少しづつ変わっていくきっかけを作れる様にしたいです。



◇ 現在言葉を探し中…

軽くて使い勝手の良いバッグ、ゴムを取り替えつつ長く使うことのできる革のヘアゴム、ここにインソールを一緒に提案できるブランドとしてわかりやすく伝えられる言葉ってなんだろう…

そこをずっと悩み中なのです。
言葉って難しいねー。



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「毎日使う、きちんとした、いつものもの」 をテーマにラフだけどきちんとした装いにも合うバッグ、ヘアゴム、体がきちんとするインソール作っています 。 web : https://www.ricca-tokyo.com/

コメント4件

読みました!
履物関連の仕事をしているむねと申します。
靴に対してカカトが内に入ってしまうの、ずっと気になってました!
ありがとうございます^ ^
奈良でサンダル作ってらっしゃるんですね!
参考にしていただき嬉しいです!
私が靴に対して抱えていたモヤモヤが、全部書いてありました!!
量産するためには、履き心地より作り手側の事情が優先されてしまうものなんですね。
心地よい物を身につけたいという望みはシンプルでいて、実現させるのが難しいという内情。
よくよく理解できました。
きいろさん、コメントありがとうございます。
作る側の事情も大事なの分かるので難しいのです。靴は奥深く難しいけど面白いのです^ ^
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