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野良ネコに家を…3:第11話 2階を死守せよ!階段攻防戦

⑪2階を死守せよ!階段攻防戦

ウリとトラは気が向いたときにうちに遊びに来て食事をし、昼寝する。
1階の玄関から廊下にかけて、すっかり猫さま専用スペースとなっていた。熟睡しているときは玄関ドアをそっと閉めて、私は1階の自室か、2階の居間へ。

ウリは外に出たくなるとにゃあにゃあ呼ぶ。あるいはドアの取っ手にとびかかって、出る~!とアピール。
そのガチャガチャいう音を聞いて、急いでドアを開けに行く。

トラは出たいとき、呼ぶこともあるが、ドアの開き口の辺りを掘ろうとする。
一度うっかりトラを閉じ込めたまま出かけてしまったことがある。帰ってきてドアを開けると玄関にちょこんとトラが座っていてびっくり!
外に出ようと、ドアが閉まる部分に噛ませてあるゴムの部分をほじくったらしく、ボロボロになっていた。
猫さまが来ると、こうやってじわじわ家が破壊されていくのである。

このころ、トラを閉じ込めた反省と真冬の寒さ、そして防犯上からも、玄関を開けて(10センチほど)おくのはやめることにした。ではどうやって猫を自由に家に出入りさせるか。

…あなたは覚えているだろうか。あの「ミケ立てこもり事件」を。そしてミケが私の留守中、どこから出て行ったかを(詳しくはシーズン1をどうぞ)。

そう、うちの玄関の横には人が出入りできない小さな窓があるのだ。
というわけで、そこを猫用出入口として使うことにした。少し高いところにあるので、家に入ってきたときも「すちゃっ」と飛び降りる音がする。知らぬ間に玄関からのそっと入ってくるより分かりやすい。

猫が寝ている1階の廊下のすぐ横には階段があり、ウリは時々階段をふさいでいる段ボールの板を飛び越え2階へ上がってしまうことがあった。
もちろん「こらー!」とすぐに追いかけて降ろすのだが、一度超えられると分かった壁はないに等しく、何度怒られても上がってしまう。
こうして、階段攻防戦が始まった。

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もはや段ボールでは敵の侵入は防げない。そこで数段上がったところに100円ショップの網を設置。少し壁を高くしてみた。
ふふふ、これは越えられまい!
しかし、元からあった黒い網とつないでドア状にし人間が開閉しやすいようにしたのがいけなかった。やがて猫も同じように黒い網を手で開けていることが判明。
意味なし!!

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ならばと網の手前に段ボールをおいて爪を格子にひっかけられないようにした。二重の壁作戦発動。これでどうだ!
ところが、階段の壁と設置した壁の間のわずかな隙間を執拗にひっかき続けることで網がほんの少し開くと、そこからするりと通り抜ける。やはり猫は液体なのか!?

その後も網の置き方や枚数を変えたりスリッパ立てを横倒しにしたり…と試行錯誤を繰り返した。
こちらがどんなに知恵をひねっても猫はすぐに攻略してしまう。度々スリッパ立てや網が階段から落とされ、周辺の壁やフローリングは傷だらけに。

縄張り拡大に燃えるお転婆ウリちゃん。そして母親のやることを見て真似をしだすトラ。
しかし数か月にわたる階段攻防戦は、春の訪れとともにあっけない幕切れを迎えるのだった。

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