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野良ネコに家を…3 第9話 はじめての添い寝

⑨はじめての添い寝

たまたまのぞいたペット用品店で冬物セールをやっていた。あったかそうなドーム型のベッドを発見。これは、寒がりトラちゃんによいのでは。
でもトラちゃん、いまの段ボールベッドも気に入っているしな…。
2000円のベッドをじっと見つめて悩む。

100円ショップでネコじゃらしと首輪、それにトイレ用のケースを買った以外、ちゃんとしたペット用品を買ったことがない。
そのにゃんこベッドは形も柄もかわいらしく、私は気に入ってしまったが、当の本猫にとって寝心地がいいかどうかは謎。2000円払って持って帰っても、入ってくれる保障はない。
結局、0円の段ボールベッドの方がいい、となるかも。
などと思いつつ…ええい、と、一か八かの賭けに出た。

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ほーら、トラちゃん、新しいベッドだよ~。あったかいよ~入ってごらん。
さっそく玄関に置いてみたが、始めは警戒してにおいをかぐだけ。
購入から数日後、やはり2000円は無駄になってしまったか、と思い始めたとき、やっと入ってくれた。中で丸くなって寝るようにもなった。
よかったよかった!

何がどうなったのか、あるときはベッドが横倒しになっていて、その中にいた。それなりに楽しんでくれているようで、買ったかいがあった。
と思ったのもつかの間、夏に一旦片付けて冬に再び出したら入らなくなった。1シーズンで飽きてしまったらしい。

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そんなトラちゃんと、一緒に寝てみたい♡
2月のある夜、私はトラと一緒に玄関で寝ることにした。
猫は明け方と夕方に活発に行動する、というのをテレビの猫番組で知り、明け方って何時くらいだろう、と思ったのも理由のひとつだ。

その夜はウリだけを追い出して、トラは家にいれたままドアを閉めた。しっかり服を着こんで、例の暖かい板に横たわり、体にブランケットをかける。
本当はトラを抱っこして寝たかったが、トラがベッドの中で寝てしまったので、仕方なくドームベッドに入っているトラを横目にして寝た。

ごそごそとトラがベッドから這い出る音で目が覚めた。時計を見ると午前3時半。
猫は夜行性というけど、実際にはこんな時間に活動開始なのか…。
トラは外に出る、と言い出した。玄関のドアを開けてやると、闇の中に消えて行った。私は寝巻に着替えて自分のベッドに入った。
トラちゃん、いってらっしゃい。またあとでね。

ところで、雪で倒れた木を引っこ抜いた、あの跡地に何を植えようかずっと考えていた。育てやすくて実がなるものがいいな。レモン?オリーヴ?キンカン?ブルーベリーを勧めてくれる人も。
そうだ、いっそマタタビを植えたらどうだろう!?猫がたくさん遊びに来るかも?
いや、よその子があまり寄ってくるとウリやトラとケンカになるな、やめよう。
マタタビの仲間で実がなる木は…キウイか…。(私はキウイが苦手)

さんざん悩んでいたが、ある日突然、この土地の使い道がはっきり決まった。それを教えてくれたのはウリだった。

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