#22「煙草」
朝、出かけようとしてコートを羽織るとウッとなることがある。
恥ずかしい話だが、前の晩にライブなりスタジオ練習なりに行き、うっかりその晩のうちに消臭しておくのを忘れていると("服のミスト"ですね)煙草の匂いがしぶとく残っていることが多いのだ。
知人友人を乗せた後、車のゴミ箱に電子タバコのカートリッジが捨ててあることも多かった(最近はこんなご時世なんで他人を乗せること自体ほとんどないですけどね)。ゴミ捨てをするときには袋の底がそれだらけになってる時も以前はあって、当のカーオーナーは非喫煙者なのに妙なもんだぜ、と海外ドラマ風の苦笑いを浮かべることも少なくなかった。
そんな、僕とは妙な距離感にある「煙草」について今回は。
***
前述の通り、煙草は生まれてこのかた一度も口にしたことがない。したがって煙草がどんな風に美味しく感じるのかとかどんな気持ちになるのか、吸わないでいるとどうなのかなんてのは聞いた話や一般論でしか知らない。
味付きの水蒸気が吸えるやつあるじゃないですか。ベイプってやつ。あれなら一度だけ試しに吸わせてもらったことがあるのだが(もちろんパンデミック前ですよ)、うまく肺に入れることができず口腔内がちょこっと甘くなっただけで全く楽しめなかった。多分煙草もそうなるだろう。
ここから先は
2,130字
特に有益な情報はありませんが、読んだ方にとって普段目も向けないような他愛のないもの・ことに改めて触れるきっかけ、あるいは暇潰しになったら幸いだなと思っています。
【週刊】アドレセンス・アドレス
¥500 / 月
初月無料
毎週水曜日、ワンテーマ3,000字前後のエッセイをお届けします(初月無料)。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?