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【ふらぐ通信】2021年12月号

 こんにちは。
 年々、一年間の過ぎる感覚が速くなっていっている気がしていましたが、なぜだか今年は去年一昨年よりも、少しだけゆったりと時が流れたような気がします。

 9月中頃にFlagmentの企画構想を起こしておよそ3ヶ月半、11月に連載を開始して2ヶ月が経ちました。
 いつも語り手の方にご依頼のお声がけをする時「一個人の趣味の延長のような企画ではあるのですが」と書き添えているのですが、
 開始当初はともかく、回を重ねるごとに、企画の規模というか存在感というか、内包している質量は着実に大きくなっていっているように感じています。

 特にPEAK ACTIONジョンさんは、記事掲載によって本当に多くの反響を受けたとのことで、ライブでPEAKへお邪魔するたびにこんなお声を頂いた、こんな旧交が暖まった、こんな話に発展した等々嬉しいご報告を頂きました。

「読んでるよあれ」「いいの始めたね」「次が楽しみ」等、僕自身が企画の反響として頂く声も少なくはなく、それはとてもありがたく頂戴しているのですが、僕はあくまで運営者でしかなく、一番嬉しいのはやはり上記のように語り手ご本人へのフィードバックがあることだなと感じます。

 以前にも書いた通り、人生史や音楽史を一から振り返り、声にして語って頂くということは、決して気楽な作業ではないし、誰が相手でもできるというものでもないと思います。
 ある程度の時間と体力と精神力と喉を使って、編んで頂いて、委ねて頂いたものですから、ただシェアできるというだけに限らず、そこから新しい芽が吹いたり、止まっていた針を動かすきっかけになったりすると、本当にやらせて頂けた甲斐があったなと嬉しくなるし、語り手ご本人にとってもそう感じて頂けたら最高です。

 これまた以前書いたことですが、Flagmentの活動目的はなかなか言語化や明言が難しくて、ただ少なくとも音楽業界を盛り上げたり新しい風を吹かせたりという高尚なものが至上命題だったわけではなくて、ということは先月号で記載した通りです。
 ただとはいえ、先に書いたようなことが実際に起こるとやはり嬉しいものですし、それが新たに僕がFlagmentを続けていく理由にもなるので、企画の根幹をなす意識や目的ですら活動を重ねる中で更新され続けるものなのかな、と思いました。

 そしてその一番最初、企画構想当時に僕が『断片的なものの社会学』を読んで「これがやりたい」と思ったものを特にリアルに具現化させてくれたのが12月下旬のぽーるさんの記事だったと、記事内のイントロダクションに書いたように強く感じています。

12月の所感と、これからのこと

 ただしそれはもちろん「ぽーるさんの記事以外は僕の本意に沿うものではなかった」というようなことが言いたいわけでは決してありません。
「僕の原体験に近い」という意味での度合いが高かったというだけで、全ての記事にそれぞれ異なった魅力や価値があり、全ての記事を全精力でもってお届けしていることには変わりありませんので、どうか誤解なきよう、お願いいたします。

 それは木島くんの記事も同様です。
 正直、Flagmentを企画していた当初、「もし本当にやるんだったらこの人に聞かずにはいられないよな」と思う方が何人かいらっしゃったわけなんですが、そのうちの一人が彼でした。
 今やご存知の方も少なくないかと思いますが、彼のバンドOUT OF FASHIONのミュージックビデオ2本を、僕の個人クリエイションブランドSpiderwow Worksで制作させて頂いたというご縁です。

 恥ずかしながら撮影依頼を受けるまで僕はファッションのことを全くほど知らなかったわけですが、『BORING&SILLY』を機に彼らの楽曲を聴く中で徐々にそのオリジナリティに心惹かれ、純粋に「好きなバンド」になっていったのでした。

 個人的に抱いているFlagmentのいくつかのスタンスのひとつとして、主たる発言者はあくまでも語り手の方であって、どちらかというと「永井との対談」であるべきではないというのがありまして(対談的な楽しみを感じてくれている方はそれはそれで有難いのですが)、
 木島くん編に関しては若干そのレギュレーションを踏み越えかけてしまった(口を挟みすぎてしまった)感があったかもなと反省しているのですが、とはいえ基本的には彼が滔々と真摯に、積極的に記憶を紐解いてくれていた瞬間は多く、そうした意味では例に漏れず「彼が主役の記事」を書くことができたのではないかなと思っています。
 ちょっとぶっきらぼうなフレーズとかが間々あって、書きながら若干ヒヤッとしたけどね!笑(※編集済みです!)
 また対バンしたいです。

***

 12月上旬は福島市へ北上したかと思うと、下旬は白河へ南下……!笑
 そのくらいの距離の移動は全然嫌いじゃないですし、お話を聞けると思えば全然苦ではないのですが、我ながらシュールな活動だなとは。

 ぽーるさんとも、記事にも書いた通りなかなかゆっくりお話しさせてもらう時間というのがなく、配信や動画、写真などいろんなところでお世話になっているにもかかわらず何も知らないな、というところからのスタートでした(であればこそ、こうした時間を割いていただけることがすごく嬉しいのですが)。

 本当に、終始笑いっぱなしで……
 "ハハハハハ!(笑)"みたいなのいっぱいあったでしょ。あれです。あのまんまです。笑い方って書き分け難しいんだなって思いました。
 もちろんじっくりと噛み締めるように回顧してくださる時間もあったわけですが、基本的には笑いの絶えない、そして何よりめちゃくちゃ積極的にエピソードを提供しようとしてくれるその語り姿にこちらまでどんどん楽しくなっていき、表情筋を痛めて帰路につきました。

 その結果としての過去最高ボリューム、約4万字です。
 同時期にsolutionのベースの練習もしていたことと相まって、腱鞘炎になりかけました。嬉しい悲鳴とはまさにこのことです。

 それまでの3本の記事は概ね前後編各1万字ずつくらいでやってきたので、読んでいただく側からしてもこの超ロングインタビューはなかなかの歯応えだとは思います(1万字でも多い人にとっては多いでしょう)が、
 その中で僕がこぼしていた通り、ショートコンテンツが好まれる現代でも、こういうじっくりと味わうタイプのコンテンツがあっていいと僕は信じていて、それもまた、よくよく考えてみればこの企画をやっている理由の一つと言っていいのかもしれません。
 ぜひ、スルメのごとくじっくり、辛抱強く味わっていただければ幸いです。

ご連絡

 既に別口でお知らせしていることと思いますが、2022年1月のFlagmentは第1週・第2週とお正月休みを頂きます。

 次回更新は1月15日を予定しております。

 よいお年をお過ごしくださいませ。


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◆Flagment - インタビューマガジン
https://note.com/flgm

◆インタビュー記事にお入れ頂いたサポート(投げ銭機能)は、その全額を該当の語り手の方へお渡しさせて頂く予定です。
なお、本記事にお入れ頂いたサポートについては、Flagment運営費用として活用させて頂きます。

◆インタビューを受けてみたいと仰って下さる方のご依頼、この人にぜひインタビューしてほしいという推薦、Flagmentの運営に参加したいという共同作業者の方などなど、もしいらっしゃいましたら下記メッセージフォームよりお問い合わせをお願いいたします。
※時期や状況によりお応えできない場合がありますことをご容赦ください。
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