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#9「匂いと香り、または薫り」

 最近、毎朝散歩をしている。
 ジジ臭いと思われるかも知れないが、それは心外ってもんである。なにせ基本的に自堕落でやってきた僕だ。裏を返せば、わざわざ変化を取り入れるときにはちゃんと合理的な理由が伴う。
 まず、やっぱり目が冴える。最近は、その日の予定が仕事であれ休みであれ(そのどちらでもない日も含め)、まず起床時間を一律7時に決めている。これは元々自分にとって最も質の良い睡眠を取れるリズムを探していたがゆえの実験だったんだが、結果的に色々といい作用を生んでいるのでこの時間で続けている。
 でいて、いままでも朝は2〜30分のフリータイムを設けてきていたんだが、ただ座っていると眠くなる。眠ると当然、20分も30分も一瞬で過ぎてしまう。それはなんだかもったいない。というわけで、フリーな時間(何を考えても、何も考えなくてもいい時間)が設けてさえあれば、そのときの姿勢がどうであれ寝てしまうよりいいよね、ということで歩くことを選んだわけだ。どうせ昼寝の時間もそれはそれで習慣として設けてあるので、朝も寝て昼も寝て、では寝過ぎだった。むしろちょうど良いところに落ち着けたのである。
 あとは、リフレッシュ。寝て起きることそれ自体が回復作業ではあるんだが、いかに質の高い睡眠が取れても寝起きは心も頭もうすぼんやりしている。
 「自然に触れる」というのは、シンプルだけど実はかなりのリラクゼーション効果があるようで、多々ある健康習慣の中でも特に心理的な回復作用が高いらしい。原点回帰、人も動物ってとこだろうか。
 それを知ってからは、意識的に自然に触れられるエリアを選んで歩くようにしている。歩くことでフィジカル的に爽快感を得るとともに、自然に触れることでメンタル的な回復もできるというわけ。

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特に有益な情報はありませんが、読んだ方にとって普段目も向けないような他愛のないもの・ことに改めて触れるきっかけ、あるいは暇潰しになったら幸いだなと思っています。

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