あなたは天使?それとも悪魔?

私は問うた。

あなたは天使?それとも悪魔?

私は答えた。

気をつけろ!こいつは悪魔だ!

こいつは信じちゃいけねえ。恋なんてしてみろ、あっ!という間に、お前を裏切るぜ。こいつは裏切る。確かに指折り数えるうちに裏切りやがるんだ。それでも恋をするだと?お前の頭はイカれてるな。イカれポンたんだ。


私は悪魔に恋をした。

そして見事に裏切られた。

悲しみに眠れぬ夜は3日と続き、そしてその悲しみは3日でたちまち終わってしまった。ある早朝、太陽が大層な欠伸をして朝寝坊をしているうちに、斬新なまでな閃き、新しい、より大きな悩みの種を探し出すことによって、あんなものは小さな悩みであると、自分に思わせたのだ。

はっはっは、あんなお遊び如きに悲しみに暮れるお前も憐れなものよ。それに最初から裏切られることを分かっていたではないか。それでいて火遊びしちまっただけの話。見据えたものよ。あいつは悪魔だったんだぜ。


そうか、それなら、天使はどこにいる?天使よ、出てきておくれ。

そんなこと言うまでもなく、天使はいつでも私の傍らにいるではないか。

ああ、ここにいた。天使はここにいらっしゃった。何年もずっと前から私のとなりにいてらっしゃった。私の黒い、いや、茶色の天使。

イカれた私を愛し続ける、純粋無垢な土の色の、天使よ、私の傍を一時も離れないでおくれ。

私を許しておくれ。


よく焼けた林檎のように、決して裏切ることのない、決して高価なものでもなく決して特別なものでもない、貴方が私の唯一の天使であるとすれば、誰もが祝福をし、送り出してくれるだろう。

私の心は貴方の中にあり。この真実というやらを、我等二人の他に誰が知れよう。それは遠い昔から決まっていたこと。

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