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Verizon FY2024Q2決算

7月22日、VerizonがFY2024 Q2の決算発表を行いました。
発表後、株価は大きく下げましたが、個人的には問題のある決算だと思いません。中身を簡単に見ておきたいと思います。

Verizon株価(2024/7/16〜22)

1.営業利益は増益

上期を前年比較で見ると、営業収益は+2.7億ドルの増収、営業費用は▲2.7億ドルの減、合わせて営業利益が+5.4億ドルの増益となっています。

収入サイドは、
 Service収入 +11.1億ドル
 Wireless equipment収入 ▲6.8億ドル
 Business収入 ▲3.0億ドル
となっており、従来と傾向は変わりありません。Service収入が安定的に増えている点はポジティブに捉えて良いと思います。

営業費用は
 サービスコスト ▲1.9億ドル
 端末販売コスト ▲7.3億ドル
 販売費および一般管理費 +4.1億ドル
 減価償却費 +2.5億ドル
となっています。
減価償却費はFY2021以降の100億ドルのCバンド向け設備投資による増ですし、販管費についてもQ1の+6.4億ドルからQ2で▲2.3億ドルとなっており、Q1のConference Callで「Q1の販管費の増は、構造改革費用や端末補償向けの保険費用が原因であり、Q2以降は前年と同じないしは下回る水準で推移する見込み」という説明に合致したものであり、いずれも大きな心配は無いと考えています。

また、Adjusted EBITDAも243.7億ドルで、対前年で+5.0億ドル伸びています。Adjusted EBITDA成長率+1.0~3.0%をめざすという通年ガイダンスに沿う進捗であり、PLの上半身を見る限りは全く問題無い決算かと思われます。

Verizon Adjusted EBITDA (1st Half)

2.契約者動向も改善傾向

Postpaid phoneの契約者数については、FY2024Q2の3ヶ月間で▲0.8万契約の純減となっています。引き続き純減傾向にあるものの、前年同期の▲13.6万契約と比較すると改善傾向にあると言えます。

大手3社のPostpaid Phoneの純増数(FY2020~24)

3.問題はやはり金利

営業利益は+5.4億ドルの増益ですが、ボトムでは▲0.6億円の減益になっています。主因はやはりInterest Expenseで、上期で対前年+4.1億ドルというのが大きく響いています。

Q2のPresentationに以下のようなスライドがあり、ここでExecute on our capital allocation prioritiesと明記されています。

FY2024Q2 Presentation p8

Verizonにおけるcapital allocation priorityですが、FY2023Q4のConference CallでCEOから以下のコメントが出ており、経営陣も有利子負債削減には課題感を持っていると考えられます。

Our capital allocation priority is clear. Number one, money to the business, basically our Capex; number two, continue to put the Board in a place so they can continue to increase our dividend and then number three paying down debt.

FY2023.4QのConference CallでのCEOコメント

なお、ナンバーワンに挙げられたCapexについては、上期実績が80.7億ドルで、対前年▲20.0億ドルです。通年ガイダンス170~175億ドルに対してもオントラック(寧ろ下ブレ)で推移しており、問題無いと考えています。
次の配当についても、17年連続で増配を維持しており、更に継続できるよう尽力するというのがCEOのコメントです。
この次に有利子負債削減が掲げられており、実際、このQ2においても一定の削減はなされていますが、より一層の削減が必要だと言えます。

4.押し目買いの機会

最初に述べたとおり、決算発表直後に株価は大きく下げました。
以下のように「収入がコンセンサス未達」「Prepaid phoneの契約者数が大幅減」というあたりが嫌気されているようですが、個人的にはあまり気にする内容ではないかと思います。

寧ろ、営業利益に関わってくるオペレーション部分は順調な推移を確認できる決算だったと思われますので、この状況で株価が39ドルを下回るようになれば押し目買いを入れても良いと考えています。

知らんけど。

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