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ゆる登山女子の富士登山パーフェクトマニュアル

はじめに
これはゆるい日帰り登山が趣味の私が富士登山に登った時の準備・経験・調べたことをまとめたパーフェクトマニュアルである。
基本的に必要なことは富士登山オフィシャルサイトに載っているのだが、詳しすぎて読みきれなかったのとそれ以外に調べたことも多かったため、今回詳しくnoteを書いてみることにした。

なお、このマニュアルは私個人の体験に基づき作成している。そのため、特に役立つのは以下に述べる特徴が当てはまる人である。

・日帰り登山経験者である。
・都内発着。
・今回の富士登山は、吉田ルート・1泊2日を考えている。

富士登山の基礎知識

富士山に登りたい!と思ったはいいもののいったいどうやって登るのだろうか?と何もわからない人のために軽く説明する。
富士山には登山ルートが4種類あり、登山客の半数が利用するのが吉田ルートである。特に初心者におすすめとされている行程は、富士スバルライン五合目までバスで行き、そこから7〜8.5合目まで登って山小屋で1泊、翌朝頂上に行ってから下山するスケジュールである。
富士山は年中登れるわけではなく、7月〜9月上旬が登山シーズンとなっているため注意。今年のシーズンはオフィシャルサイトで確かめよう。

予約

山小屋

山小屋は吉田ルートに14つある。山小屋ごとに異なるが私が泊まった御来光館は5月上旬に予約開始だった。各山小屋のサイトを参照すること。
私が最も標高の高い御来光館を予約したのは、2つの理由だった。

  • ご来光を山頂ではなく山小屋から見る予定だったのでなるべく高いところがいい

  • 疲労が溜まってるであろう2日目の行程がなるべく楽なほうがいい

でも実際はちょっと失敗だったと思っている。理由は3つある。

  • 標高が高すぎて、山小屋滞在中に同行者の高山病が悪化してしまった。

  • 登り疲れてきた七合目以降、他の登山者が続々と山小屋に到着していくのを見てメンタル的にしんどかった。

  • 他と比較できてないが、設備がいまいちだった。カーテンで仕切られたシングル布団のみが割り当てられ、着替えは物置で行った。

ぜひもっとよく調べて比較してから予約することをオススメする。(後述するが、安くはないので)

バス

バスタ新宿から富士スバルライン五合目まで高速バスで行った。
行き 新宿7:55    → 五合目10:30
帰り 五合目14:00 → 新宿16:35
結論から言うと行きはもっと早くていいし、帰りはもっと遅くてよかった。行きはバスが遅れ、スタートが30分ほど遅れてしまった。帰りはバスの時間を考えてかなり焦って下山した。なお五合目はかなり栄えていて飲食店もお土産物屋さんも充実しているし、早く着いた場合も高山病対策の高地順応としてしばらく滞在するのも有効なので、余裕を持つに越したことはない。

装備

私の実際の装備を紹介する。★は今回のために購入したものである。

服装

  • 登山靴

  • 登山用靴下

  • スパッツ(砂避け)★

  • タイツ

  • 長袖ハイネックインナー

  • 半袖Tシャツ

  • ウルトラライトダウン

  • フリース★

  • レインウェア上下

  • 帽子(GORE-TEXのハット)

全部使用した。靴下、インナー、下着類は替えも持っていった。雨予報だったのでタイツの上は最初からレインウェアズボンを履いていたのだが、晴れてて暑いときはとても汗をかいたのでオススメしない。普通にハーフパンツがオススメ。

ザックの中身

  • ザック(25L) ザックカバー付き

  • 水500ml×3本

  • 軍手★

  • トレッキングポール

  • ヘッドランプ★

  • 酸素缶(5L)★

  • モバイルバッテリー

  • 日焼け止め

  • メイク落としシート

  • ウェットティッシュ

  • ガムテープ

  • 不織布マスク

  • タオル

  • トイレットペーパー

  • ゴミ袋 5枚くらい

  • 鍋+バーナー

  • カップヌードル

  • 着替え

  • アルミシート★

  • 緊急用ホイッスル★

  • 携帯トイレ

ザックは1泊には30~40L必要とされているが私はこれで足りた。酸素缶はもっと小さくて10Lのものがあるらしいのでそうすればよかった(かなり邪魔だった)。これらに加えて、着ていないときのフリースやダウンを入れている。あと着替えと一緒に夜寝る時用の着圧ソックスを持っていたのだがとてもよかった。軍手は百均の暖かそうなもの。
使わなかったのは・鍋+バーナー・カップヌードル・ガムテープ・トイレットペーパー・アルミシート・緊急用ホイッスル・携帯トイレ。後半はそもそも緊急用なので使わなくてOK、鍋+バーナーとカップヌードルについては後述するが山小屋で割高で購入できるので持っていかなくてよかった。

サコッシュの中身

  • 財布(小銭多め)

  • 薬類

  • コンタクトの予備

  • ティッシュ

  • ハンカチ

  • 時計

  • サングラス

  • 日焼け止め(塗り直し用)★

  • アミノバイタルゼリー(パーフェクトエネルギー)

  • アミノバイタルGOLD

  • チョコ

  • プロテインバー

現金がとにかく必要で、予想以上に使ったため私はかなりギリギリになってしまった。お菓子類は全部食べてしまったので写真にないが、軽くて嵩張らないものならどんどん持っていくといいと思う。サングラスは晴天時に砂避けとして必要だが、今回は使わなかった。

五合目のコインロッカーに入れたもの

  • サンダル

  • 下山後の着替え

  • 折りたたみ傘

当日のスケジュール

富士登山オフィシャルサイトより引用

上図は標準コースタイムで、五合目から頂上まで6時間10分で登れることになっている。でも私は全然その通り登れなかった。

実際のコースタイム

七合目あたりからは疲れるし、息も切れるし、山小屋ごとに何か食べたりして休憩時間も長くなりがちだ。18:30を越えると暗くなるため、それまでには山小屋に着きたい。ぜひ反面教師にしてほしい。
なお、お鉢巡りは120分、下りは頂上から五合目まで240分程度でこちらはコースタイム通り行けた。

かかったお金

今回の富士登山で使用したお金を全てまとめる。

今回用に買った装備
フリース 5,500円
スパッツ 4,300円
ヘッドランプ 3,200円
酸素缶 500円
アルミシート 500円
緊急用ホイッスル 600円
小計 14,600円

予約
高速バス 5,300円
山小屋 13,500円
小計 18,800円

当日
富士山協力金 1,000円
コインロッカー 100円(同行者と割り勘)
コンビニおにぎり 400円
(下山後)噴火カレー 1,000円
小計 2,500円

山小屋購入品
クリームパン 300円
おにぎり 200円
魚肉ソーセージ 200円
たまごスープ 500円
おしるこ 400円
水500ml 500円
トイレ使用料 200円×5〜6回
小計 3,300円

山頂
お守り 1000円
おみくじ 100円
焼印 300円
小計 1,400円

合計 40,600円

わあ。思ったよりかかっていた。
まあ装備類は次回以降も使えるからいいとして、やはり山小屋は割高だということと、当日ほぼ現金で6000円必要なのは予想外だった。山小屋ではお札も使えるが小銭を多めに持っていこう。

高山病について

私は高山病をかなり怖がっていたものの上手く調べられていなかった。当日聞いた知識も多かったため現時点で私が持っている知識をまとめる。

  • 高山病の原因は2つ。酸欠と脱水。

  • 基本的はかかると下山するまで治らない。予防が重要。

  • 症状は頭痛、吐き気、倦怠感など。放置すると重篤化の危険があるため、むやみに頭痛薬などで症状を紛らすのは良くない。

  • 決定的な予防策はなく、高度に体を慣らすために五合目で1時間程度休憩すること(高地順応)、よく深呼吸をすること、こまめに水分を取ること、ゆっくり歩くこと。

  • 特に意識して呼吸することが大事(平地では意識せず行っているため)。深呼吸は口をすぼめてフーッと吐くとよい。

  • 山小屋ですぐに寝るのは避けること。睡眠時は呼吸が浅くなるため。

  • 高山病治療のためには酸素缶は少なくとも10分吸わないと効果がないし、10分吸うには20L必要。また切れた瞬間に血中酸素濃度が急降下するのも心配。安易な使用は避けること。(詳細は自己責任で調べてください)

その他感想

個人的な感想を少し述べる。

  • 道はずっとザレ場か岩場。私にとってはスパッツもポールも必須だった。特に下り。

  • リュックが重くてとにかく肩が凝る。休憩で横着せずにリュックを下ろして肩を回すべし。私は七合目あたりから頭痛がして高山病かと思っていたが、今思えばおそらく肩凝り性の頭痛だった。

  • お金はかかるが山小屋の売店は積極的に利用するといい。金で便利を買おう。

  • モンベルの店員さんに真冬並みの寒さと脅されたが、そんなに寒かったのは夜だけ。ご来光を頂上で見たりしない限りはそんなに夜に出歩くことはない(我々は登りが遅れて夜になったが)。むしろ昼は暑かった。

  • 2日とも基本ずっと曇りで、最も快適な天気だった。もしカンカン照りだったり雨が降ってたりしたらリタイヤしたかもしれない。私にとってはそれくらい過酷だった。

より詳しく、感情的な感想が知りたい場合は以下のnoteを参照してほしい。


まとめ

富士登山はポピュラーな割に初心者にはかなりハードで、それ専用の準備が必要な山である。
上記は一個人の意見なので、不安に思う部分はさらに調べてから行くことをオススメする。
それでは、良い登山ライフを!

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