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初恋の人を、今でも

わたしの初恋は、とにかく長かった。
小学2年生の時から(まあ間に他に好きな人ができたりもしたけれど)結局中学2年生の頃までずっと好きだった。でも、エピソードとかどんどん思い出せなくなってきていて悲しいから、今思い出せることを全部、ここに残しておくことにします。


小学2年生。

同じクラスになった。勉強がクラスで1番できる人だった。もしかしたら学年で1番かもしれない。それに走るのもまあまあ速くて、サッカーもできて、友達がたくさんいた。みんなの中心人物だった。ベビーフェイスなのが可愛かったな。
なんで好きになったのかはもう覚えてない。でもとにかくめっちゃ好きだった。
お互い親に買ってもらったユニクロのフリース?がたまたま色違いでおそろいになってたことがあった。恥ずかしかったけど嬉しかった。なつかしい。
席が近かったとき、給食のスープの中のコーンをどっちが速く食べ終わるか勝負をしたこと、ものすごく覚えている。
掃除の時、床に落ちてた折り紙の裏に、「一位 〇〇さん」とわたしの苗字が書いてあった。その後、それは初恋の人の「好きな女の子ランキング」だったことが判明した!笑 うまれてはじめての両思いだった。
その年、バレンタインをあげた。家は徒歩7分くらいのところにある。親と一緒に家に行ったんだっけな?何を渡したのかは覚えてない。
でも、お返しは今でもわたしの部屋の1番大切なものをいれる箱の中に入れてある。くまちゃんの柄の、クッキー缶。


小学3年生。

クラスが違ったので、全然関わりがなくなってしまった。小学生なんてそんなもんであります。
わたしはその頃、ハリポタに出会いました。


小学4年生。

同じクラスになった!ほんとうに嬉しかった。最初は小2のときのようには喋れなかったけど、またどんどん仲良くなった。多分、気が合うんだと思う。
わたしと初恋の人を含めて仲良しの男女4人グループができた。わたしの好きなハリポタを彼らも好きになってくれて、4人でずっと教室の後ろでハリポタにでてくる登場人物の名前でしりとりをしていた。ハリポタ展(当時最寄りでやっていた)に一緒に行ったこともある。その帰りにサーティーワンに寄って、サーティーワンを食べるのが初めてだった初恋の人が、わたしのおすすめした味(たしかバナナアンドストロベリー)を選んでいたのが、とても嬉しかった。
毎日のように学校から帰るとすぐ家を出て、いっしょにキックボードで近所を走り回って遊んだ。席替えの時は示し合わせて近くの席になるように模索した。
お互いこれは両思いだろうなあ、という時期がちょうどバレンタインだったから、4人組の女子といっしょに、男子2人(同じアパートに住んでいた)へお菓子を渡しに行った。
ずーっと入り口の段差あるとこに座っておしゃべりして、そろそろ帰るかーとなったところで、男子の片割れが「こいつ(初恋の人)、言うことあるんだよな?ねっ?」って言い出して、おお?ってなって、でも暗くなってて。携帯を持っていなかったので、「待って、キックボードなら往復5分だから、いったん帰ってママに門限伸ばしてもらう!」とか言ってダッシュで許可もらいに家に戻った。それから告白のようなことをされて、友達2人にヒュー!!って言われまくって、盛大に照れまくって、帰宅した。最高だった。
その頃はプロフィール帳が流行っていたので、両想いになってすぐ、初恋の人にも書いてもらった。
好きなひとがいる?という質問への解答には○になっていた。好きなひとのイニシャルの欄が空白になってて、それを見て友達が書けよ〜と言って、わたしの目の前ですごい照れながら、ものすごい筆圧で、わたしのイニシャルを書いてくれたことは、たぶん一生忘れない。


小学5年生。

違うクラスになった。初恋の人は、わたしの仲良しの女の子と両思いになった。


小学6年生。

違うクラス。同じになれなかったから、喋る機会も少ないということで、諦めてはいた。
その頃は同じグループになった男の子と仲良くしていたし、ネット上で仲良しになった男の子などもいた。
彼は児童会長になっていた。集合写真のど真ん中にいる彼のことが好きだった。
修学旅行。出発時の整列で、お互い班長だったから、違うクラスだったけれど隣の列だった。そのときの写真がたまたま撮られていて、後日廊下に張り出されたその写真の番号を必死でメモして写真を買った。唯一のツーショットかもしれない。足尾銅山では、久しぶりに会話できたことが嬉しかった。
仲良しだった四人組で、ハリポタの不死鳥の騎士団かなあ?映画館に観に行ったこともある。付き添いは私のママ。帰りにパスタを食べた。男子の片割れは、ボンゴレを食べたがっていたのに、みんなが反対して結局違うものを食べた。(そんなことばかり覚えてる)

今でも、ハリポタを見た時に私のことを思い出すことはあるかな。あったらいいな、って思う。


中学1年生。

同じ学校に進学。でも、クラスはまた違った。あいかわらず、彼はクラス委員長だった。わたしは図書委員になった。
図書館に彼が来ないかなと思ったり、サッカー部だから来るわけないやと思ったりしていた。


中学2年生。

クラスが同じになった!奇跡だと思った。最後のチャンスかもしれないとも思った。
彼は今年もクラス委員長だったし、頭も良かった。話も上手で、わたしは彼の話にいつも笑っていた。
席が近かった他の男子2人とあわせて4人でいつも仲良く喋っていた。授業中でもお構いなしに永遠に喋っていたけれど、4人とも頭がわりとよかったので、先生に当てられても質問全部すらすらと答えることができた。まあこの頃は調子に乗っていました、ごめんなさい。家庭科の授業でのび太の家の間取り図を考えるみたいなのをゲラゲラ笑いながらやっていた記憶がある。
この頃、初恋の人には彼女がいて、その子は信じられないほど目が大きくて可愛くて、大人しそうで、優しくて、スポーツができて、ショートヘアが似合う子だった。今の彼はこういう子が好きなんだなあと思った。
ゲラゲラ笑い合えるだけでハッピーだったし、友達としていられるだけで嬉しかった。それだけでいいや、と思った。
わたしの初恋はこうして終わった。


成人式の時、会えるだろうと思っていたのに、会えなかった。それどころか写真すら見つけられなかった。もしかしたら、成人式には来てなかったのかもしれない。

それから大学卒業のとき、わたしが幹事で小学校の同窓会を開いた。全員に連絡をつけようと思っていたのに、誰も彼の連絡先を知らなかった。児童会長だったのに…。
大学受験で失敗してから、昔の友達とは決別してしまったらしいと風の噂で聞いた。彼のお兄さんとお姉さんはどちらも東大と京大だったかな?に現役合格していたから、相当なプレッシャーもあったのかもしれない。

結局、中学を卒業してから、一度も姿を見ていない。一度だけリアル用のツイッターアカウントにフォローリクエストが来て、「フォローありがとう」とリプライを送ったことはあるけれど、ファボだけ来て終わってしまった。あの時もっと、「久しぶりだね」とかいえば、何かが違ったのかな、なんて思ったりもする。

ついこの前、彼に再会する夢を見た。
私たち2人だけ笑うタイミングが同じだったり、ドンピシャで気が合うような動作をしたり、夢だから都合がよかっただけかもしれないけど、夢の中ですごくドキドキしたし、彼にもわたしを好きになってもらいたくて頑張ってしまった!!
いい夢だった。


今、何をしているんだろう。
もう一度彼に会えたら、どんな話をしよう。
もし道端ですれ違ったら、教室でくだらない話をたくさんしていたときみたいに、声をかけたいな。


(タイトルは乃木坂46「初恋の人を今でも」をお借りしました)

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