「アナロジー思考」の感想-世の中を見渡して構造化できないか考えてみる‐
1を聞いて10を知る。少ない労力で頭の中の回線が素早く走って、情報を引き出せたり、新しい回路をつなげるようになれたら人生はもっと楽しくなりそう。
今日はこの本の感想。
タイトル:アナロジー思考
著者:細谷功さん
略歴:
概要:
読むきっかけ:
きっかけは2つ。
第一に、体験や経験が点と点で終わっていて、線としてつながらないのは構造化する力が弱いからなのではと思った。
本のタイトルにある通り、構造化と関係性を見抜く力をつければ個々の体験や経験が線としてつながることで面積と奥行きを深めることができてより人生が豊かになるのでは?と思った。
第二に、以前読んだ「東大アイデア」「地頭力を鍛える」を読んで出てきたキーワードが類推力だった。
複数の著者の別ジャンルの本で同じポイントが出てくると気になる。
何を学んだか?:
・アナロジーとは比例関係のことである
例えば、
という問題があったとしたら、この関係性は「色」の属性だなと考え、「赤」にたどり着く。既知の世界での関連付けからの類推で未知の関連付けを行っている。
活かすべきシーンは例えば異動や転職。私は前の経験を抽象化せず、そのまま新しい場所での経験にあてはめようとしたら、仕事がうまくいかなくて落ちこぼれてしまった。仕事の基本的な構造は同じなはずだけど、構造化と引き出しがうまくいっていなかった。
・アナロジーの基本は構造的類似点を探すこと
関係や構造のパターンを見抜く。
複雑な問題も紐解いていけば個別の関係の組み合わせで構造が作られている。たとえば、並列関係、対立関係、相互因果関係、因果関係、順序関係、集合関係、マトリクス・・・とかで図式化できる。
真面目じゃない話、何がいいかというと、漫画の読み方が面白くなる。キャラとキャラの関係性、物語の構造から過去のどんな漫画に影響を受けているか…を図式化することでより深く楽しめるようになる。私はNARUTOとヒロアカが好きなので、展開やキャラの構成などよく比較している。ヒロアカの社会構造と、現実の社会構造を比べてみたり。
・番外編:思考法の本というのは10冊も読むと似たような結論に達する
「東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方」の中で、解く力というのは問題の設定→類型化→要素化→個別要素の解答の順であると書かれていた。そのうちの類型化や要素化がアナロジー思考にあたる。
また、池上彰さんの「考える力がつく本―本、新聞、ネットの読み方、情報整理の「超」入門」では、情報に触れた時は構造化して図で表現してみようと書かれていた。情報を効率的に頭に収納したほうが引き出しの幅が広くなる。
思考法の本を10冊ほど読んだ結果、大事なことは5つほどでまとまるな、と思った。
高校生、大学生、社会人1年目など、なるべく若いうちに読んでおくとその後の人生にレバレッジが効いていいのかもしれない。
これから意識したいこと:
①多様な経験と知識をつけるよう意識して行動
アナロジー思考はアイデア作りにも役に立つ。日常、周りにあることを構造化したり、抽象化することで似たような構造を持つ何かを生み出すことができるとかいてある。今の私は家と図書館の往復で、多様な知識はつけているかもしれないけど経験が浅い。
②常に全ての事象を自分の関心ごとに持ち込む
日常をよく観察し、問いを立てるというのは東大アイデアでも強調して書かれていたことだ。気を抜くとかなりぼーっと過ごしてしまうので、以下のことを意識してみたい。
・遊びの経験を仕事に活かせないか考える
・仕事の経験を遊びに活かせないか考える
・YouTuberのプレゼンや話し方を見て真似できる構造やポイントはないか考える
③新しい経験をするときは、過去の経験からどこを活かせばいいのかなんとなく仮説を立てる
より理解が早く、深められるようになると思う。
まとめ:
アナロジー思考は、自分の理解、アイデアを生み出す思考に役に立つ。意識的に行うことで鍛えていく。