日本のCO₂排出量の半分は、たった130の事業所から出ている。
<要約>
日本が排出する二酸化炭素のおよそ半分は、火力発電所と製鉄所から出ている。
皆さんは、日本が1年間にどれくらいの二酸化炭素を出しているのか知っていますか?
外務省のデータによると、日本は中国・アメリカ・インド・ロシアに続いて世界で5番目に多く二酸化炭素を排出しています。
この記事では、日本の二酸化炭素排出量の半分を占める業種について解説させて頂きます。
日本は年間およそ10億トンの二酸化炭素を排出しています。
実はその半分がたった130の事業所によって 排出されています。
日本に事業所は600万以上あるのでその46000分の1です。
さて、この130の事業所とは一体何でしょうか。
これらの事業所のほとんどは火力発電所と製鉄所です。
実際に日本の二酸化炭素排出源トップ10は、石炭火力発電所と高炉製鉄所が独占しています。
電気や鉄は私たちの生活になくてはならないものです。
発電所や製鉄所で働いている方々、本当にありがとうございます。
なぜ製鉄所と火力発電所では多くの二酸化炭素が出てしまうのでしょうか。
まずは製鉄所の方を説明していきます。
鉄の原料である鉄鉱石は酸化鉄です。
このままでは使えないため高炉という設備で酸化鉄を溶かしながら石炭を用いて酸素を取り除いています。
この石炭と酸素により、多くの二酸化炭素が排出されてしまうのです。
最近では、菅総理大臣 がカーボンニュートラルを宣言したこともあり製鉄業での二酸化炭素排出量を減らす取り組みが本格的に始まっています。
今後の技術発展に期待です。
さて、次は火力発電についてです。
現在火力発電は CO₂削減の観点から投資を控え始めた国が増えています。
そんな中、日本の電力の7割以上は火力発電によってまかなわれています。
なぜでしょうか。
答えは単純で、火力発電は安定供給と経済性に優れているからです。
太陽光発電は空が曇っているときに電気をためることができません。
また水力発電はダムに水が溜まっていなければ行うことはできません。
それに対し火力発電は、発電所と燃料さえ用意すれば安定的に電力を供給することが可能です。
火力発電は天候や季節に影響を受けにくいのです。
もちろん水力発電や風力発電太陽光発電でも安定的な電力供給を行う方法はあります。
それは発電設備を増やすことです。
しかしながら、現状ではまだまだ再生可能エネルギーを使った発電は普及しているとは言えません。
カーボンニュートラルへの道は長いように思えます。
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