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よりよい解決のための「4つのチェックポイント」のこと。

アドラー心理学をベースにした「クラス会議」。その「議題の話し合い」の時に使うおすすめのチェックポイントがこの「4つのチェックポイント」です。

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教室に掲示しておいて、常にチェックできるようにしておくことがオススメです。何をチェックするかということ、子どもたちが出した「議題」に対しての「解決策のアイデア」をチェックするものです。

これはもともとは「クラス会議で子どもが変わる(コスモスライブラリー社)」の本にある「解決の4つのR」をわかりやすい日本語に置き換えたものです。

「解決の4つのR」は、
①Related(関係がある)
②Respectful(尊敬の念を持っていること)
③Reasonable(理にかなっていること)
④Revealed(事前に知らせること)
の4つです。

この4つ、この日本語訳だと教室ではちょっと難しいので、わかりやすくしたものが先ほどの写真の4つのチェックポイントです。この4つのポイントを、常にチェックする‥‥というつもりで掲示しておきます。

そして、子どもたちが出したアイデアで気になるものがあった時に、

「ちょっとあの4つのポイントを見て。そのアイデア、大丈夫かな?」

と確認することがオススメです。教師が一方的に指導するのではなく、みんなでこのチェックポイントを大切にする‥‥といったイメージです。

この4つのポイントについて、1つずつ確認していきましょう。

①関係がある。

この「関係がある」というポイントは、比較的分かりやすいものです。

例えば、「宿題を忘れてしまうことがあります。忘れないようにするためにはどうすればいいでしょうか?」という議題が出たとします。この議題に対しての解決策はどんなものが考えられるでしょうか?

・帰ったらすぐにやるようにする。
・家の人に手伝ってもらう。
・忘れたらグラウンドを10周走る!

という解決策が出たとします。このうち、上の2つは「忘れないようにするために」どうすればいいかというアイデアですが、3つ目は「忘れたらどうするか」になっていて関係がありません。

②相手を大切にしている。

これは、議題を扱い始めてすぐの子たちによくありがちなアイデアをチェックすることができます。

例えば、「友達に嫌な呼び方をされて困っています。」という議題が出たとします。その解決策のアイデアとして、

・たたいたらいい!
・しばくぞ!こら!と言って脅す。
・同じように嫌な呼び方をする。

といったようなものが出ることがあります。これは、相手を大切にしている‥‥とは言えませんよね。こういったアイデアをチェックします。

③むちゃくちゃじゃない。

もともとは「理になかっている」かどうかをチェックすることになっていますが、わかりやすく「むちゃくちゃじゃない」と言い換えています。

これは、例えば「夏になると暑くて死にそうです。どうしたらいいですか?」という議題が出たとします。その解決策のアイデアとして、

・地球を冷蔵庫に入れる。
・学校を凍らせる。
・1人1台の扇風機を買う。

などの無謀なアイデアをチェックしていきます。こういったアイデアはとても楽しいのですが、こういったアイデアをチェックしていくことで、段々と現実的なアイデアを考える助けになっていきます。

④事前に知らせている。

これは「前からみんなが知っているこ」ということもあります。これは何かというと、「議題」に対して、みんなの共通理解になっていないアイデアをチェックするものです。

例えば、「机の横にかけているものがよく落ちています。どうすればいいでしょうか?」という議題が出たとします。その解決策に、

・落とし物箱に入れる。
・先生に渡す。
・教壇においておく。

というようなものが出たとします。でも、この3つともに共通しますが、前もって決まっていることであれば納得できますが、いきなりこんな風にされたら「なんでやねん!」って怒ってしまう人もいるのではないでしょうか?

でも、事前にきちんとみんなで確認して、教室のルールになっていればどうでしょう?「クラス会議」では、「議題の話し合い」を通して、みんなが気持ちよく過ごすためのたくさんの「共通理解」を作っていきます。

もしかしたら、この4つ目のチェックポイント「事前に知らせている」は分かりにくい部分もあるかもしれませんが、みんなが事前に「共通理解」していくことで問題が解決することがあることを学ぶためのチェックポイントになります。

すぐに結果を求めないことがポイントです。

今日は、「よりよい解決のための4つのチェックポイント」について、まとめてみました。ただ、このチェックポイント、すぐに結果を出そうとしないことが大切です。子どもたちがうまくいかないことも含めて、解決に向けて試行錯誤しながら、よりよい解決ってどんなものなのかを学んでいけるように、結果を求めすぎないことがポイントになります。

「クラス会議」は、短時間で取り組めて、とても楽しくライフスキルについて学ぶことができる魅力的な活動です。初めはうまくいかないこともあると思いますが、子どもたちがじっくり学びながら、力をつけていけるようにたくさん時間をかけてあげていただければ…と思います。オススメです。ぜひ、取り組んでみていただきたいと思います。

店長敬白。

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