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とりあえずオーソドックスに話掛けてみよう

私は15年程、中華まん業界では名の知れたお店で働いておりました。デパートにも常設の店があり、私のルーチンワークである常設店へのお弁当の配達で毎日デパートに行っていました。ほぼほぼ同じ時間に行くデパートの荷捌き所にはお決まりの配送業者さんがいて、ワイワイ楽しくやっております。私はといえばこの輪の中には一切入らずに毎度、黙々と納品を済ませその場を後にしていました。配達が私のメインの仕事では無かったですし、配達が終われば仕事もほぼ佳境であとは会社に戻り退勤のカードを押すだけ。私も若かったのもあり(今はそうは思いませんが)、どーせ、スポーツ新聞の世界観で会話することしか許されない輪の中に入っても時間の無駄。あんなくだらねぇ話でゲラゲラ笑っている奴らと話しなんかするわけないだろっ!日々そう思いながらその場をあとにしておりました。

そこから三年が経ちます。相変わらず彼らとは一線を画し、すれちがっても話はしません。ただ挨拶はします。それは最低限のルールですからね。でも話はしません。そんな業者さんの中で挨拶をしても挨拶はしない、すれ違ってよけても、ありがとうでもなければなんでもないおっさんがいました。その方は生鮮野菜を配達している方で八百屋ではなく配達を生業にしている方でした。その方は配送業者グループの中心的な役割の人で自分の仲間には声を掛け笑わせ、時にはジュースをおごり配送業者グループの結束を固めていきます。私は彼からしたら敵なのでしょう。三年経っても挨拶すらしない。

ある日の事、鶏卵屋さんのトラックのバッテリーが上がり、押し掛けでエンジンを掛けるのを手伝ってあげました。鶏卵屋さんは配送業者グループの方です。私が手伝ったことで私との距離を縮めたかったのかは定かではありませんが生鮮野菜のおっさんはある驚きの行動出ました。以下の写真をご覧ください。

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おっさんは私がトイレに行くことを察知していましたし(デパートの建物の構造上トイレに向かうしかないだろう⁉ってところで遭遇していますし、私より焦ってトイレに入っていきました。)私が8割方、トイレに来るだろうと張っていたのだと思います。私がトイレに入ると生鮮野菜のおっさん上記の写真の姿勢を崩すことなく「( ゚Д゚)ハァ( ゚Д゚)ハァ」言いながらオシッコをしていましたww 私も若さゆえ突っ込みを入れることもなく、笑いもせず、引きに引きまくって用を済ませその場をあとにしました。その後は相変わらず口をきくこともなくお互いシカトを決め込んだ10年でした。

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爾来あの姿勢での小便を「ドリーム・ウォーリアーズしょん」と呼んでいます。あの時に私がもう少し人生経験を積んでいたなら彼の前に小便でビチャビチャになるのを覚悟で立膝をついていればそのおっさんと2代目ドリーム・ウォーリアーズを襲名できていたでしょう。

仲良くなりたい人ができたら、奇を衒わず、まずはストレートに話掛けてみよう。


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