教員採用試験の受験で,受験者に致命的な不合格要因がある場合は,直前期には挽回できません。合格のためには,時間をかけて,戦略を練る必要があります。致命的な事例のケーススタディをしてみましょう! by 川上貴裕

レトリカ教採学院(教採塾)の川上です。

川上貴裕

教員採用試験は、全国的に、低倍率化が加速しています。

それゆえか、「この倍率なら大丈夫だろう。」と、高を括る、あるいは、「仕事が忙しくて…」という理由で、採用試験直前になって、ようやく対策を講じる人も、増えてきているように思います。

しかし、低倍率だからと言って、誰もが合格できるわけではありません。

直前期だけの対策では、もはや手遅れで、合格は非常に厳しい状況・不可能という事例を、毎年いくつも見てきました。

明るくて爽やかなで、誰からも好かれそうな人や、メインストリーム※の人で、直前期からの対策でも、一見すると、十分に合格の可能性があるだろう人でも、致命的な要素があれば、合格はできません。

※メインストリームとは、大学卒業からすぐ講師や臨採をしている人で、民間での勤務経験や、空白期間が無い人。


今日のブログでは、そんな致命的な事例をいくつか紹介していきます。

case1.
【併願を記載した結果…】

4月頃の出願で、併願の枠に、正直に他の自治体を併願することを記載して提出してしまった事例です。

併願することを、正直に書いて提出してしまうことで、面接では当然、「なぜ、併願しているの?」、「どちらも受かったらどうするの?」というような、詰問が飛んできます。

面接官は採用責任もあるので、内定や合格を出した人が、辞退されることを一番恐れています。

だから、他の自治体に行く可能性がある人を、進んで採用しようとは思いません。


case2.
【愚かな助言に従った結果…】

大学のゼミの教授や、勤務先の校長などの助言を信じて、志望動機を提出してしまった事例です。

助言というのは、「プライベートなことは書いてはいけない。」、「施策や研修のことを書きなさい。」などです。

助言してくれた教授や管理職は、その時点では、面接官の立場に立って、考えることができていません。

面接官というものは、一日に何十人もの、受験者の志望動機を見聞きしないといけません。

施策や研修について書かれた志望動機を見ると、面接官からすれば、「また同じようなものが来た!」、「受験用に作った作文だな。本心ではないな。」、「研修は法律で決まってるんだから、どの自治体でもあるよ!当たり前すぎだろ!」と、うんざりします。(それだけ、愚かにも施策や研修について書く受験者が、多いことの裏返しでもありますが…)

面接官の眼・立場になって考えると、当然このような感情が出てくるので、まずもって、施策や研修について記載しないのが原則ですが、愚かにも、そのような助言をしてきますし、また、愚かにも、助言にも従ってしまうという負の連鎖があるのです。

周りと同じ語りに埋もれていては、合格は勝ち取れません。


case3.
【経歴の疑念が払拭できない結果…】

私立で勤務していながら、公立の教員採用試験を受ける場合や、転職が多い人の事例です。

「これだけ転職しているということは、採用しても、また転職(辞職)するかもしれない。」、「その勤務先で何かトラブルがあったのかもしれない。」、「不祥事を起こしたのかもしれない。」、「いつまで経っても専任・正規になれないから、安定の公立へ来たのだろうな。」などのように、経歴が複雑だったり、鞍替えをしたりしている場合、面接官は、このような疑念ばかりが頭に浮かんできます。

このケースの場合、多くの人は、転職や鞍替えの事実をありのままに話します。

しかし、その転職や鞍替えの理由は、あなた都合のものでしかありません。

面接官にとっては、言い訳にしか聞こえないのです。

教育委員会や自治体は、まだまだ、非常に保守的ですから、その経歴に何か一貫したストーリーや、教職への軸や整合性が見えてこなければ、採用を見送ります。

この経歴の軸づくり、整合性を考えるには、直前期では到底間に合わないのですよね。


case4.
【慣れ合いの中で勉強し続けた結果…】

場面指導、ならびに、教職教養に関する面接質問の中には、確実に知っておかなければいけない答申・通知・法規や、確実に答えが決まっているものが、多く見受けられます。

また、模擬授業においても、普段の授業と、模擬授業の視点・構成は大きく異なります。

しかし、ずっと大学の仲間うちだけで対策をしていたり、知り合いの講師や臨採仲間だけで対策をしていたりすると、致命的になる事例があります。

致命的になる場合というのは、誤解を恐れずに申し上げると、知識教養レベルが低い者同士、ただの、慣れ合いだけで勉強している場合です。

「これまで、ずっと仲間内で面接練習してきました!」と、意気込む割に、模擬授業が何たるかの、基礎の「キ」の字も知らなかったり、答え方が全くの誤りであったり、「それ言った瞬間に不合格になるよ!」という回答があったりと、悲惨な状況を、これまでたくさん見てきました。

知識教養の乏しい人たちが集まって勉強会をしていても、根性論・精神論の助言ばかりだったり、ノックの仕方、お辞儀の仕方、板書の色使い程度の助言だったりで、結局は、『勉強している感』という安心だけなんですよね。

全ての仲間内での勉強が、ダメということではありません。

ただ、教育法規や答申などの根拠や知識教養をもっていない人たちや、科学的・合理的な知見に立って考えられない人たち、case2.のような助言を信じて止まないような人たちと、慣れ合いだけで勉強しても、力は全くつきません。


さて、今回は、4つのケースを挙げましたが、これだけではありません。

他にも、致命的な事例は、たくさんあります。

致命的な事例の場合は、教員採用試験の直前期に、どれだけ挽回しようとも、時間が圧倒的に足りなかったり、提出後で手遅れだったりと、逆転が不可能なことがほとんどです。

教員採用試験の直前期になると、毎年、致命的な事案を目にすることがあります。

そのたびに、「もっと早く受講してくれていれば…」、「もっと早く相談してくれていれば…」と、我々も臍(ほぞ)を噛む思いです。

本来、合格を勝ち取れるはずの人が、手遅れ・修正不可によって、みすみす合格を逃してしまうのを、これ以上見過ごせません!

本日の事例に思い当たる方、はたまた、どストライクの方、「こんな事例も致命的なのかな?」と気になる方は、修正が効くうちに、挽回できるうちに、ぜひ、我々の講座をご検討ください。

確実な合格のために、徹底したサポート体制で、お手伝いをさせていただきます!


川上貴裕
レトリカ教採学院

http://kyousaijuku.com/


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