不合格になりそうな人は,なぜ,不合格になるのか?

今日のテーマは,

「不合格になりそうな人は,なぜ,不合格になるのか?」

です。

ちょっと「意味深」なテーマですが,お話をしていきましょう。


教員採用試験で不合格になりやすい人の特徴を4つに絞ると,次のようになります。

1.学力(知識・教養)がない。

2.語りが上手くない。

3.他人に好感・好印象を持たれない。

4.大人になっても,「お子ちゃま」のままのメンタル。


1.学力(知識・教養)がない。

これは不合格になっても仕方がありません。

最大のアドバイスは,「勉強しろ!」です。

確かに,知識と教養だけでは,優れた教師にはなれません。

でも,優れた教師は,必ず,豊かな知識と教養を持っています。

頭の悪い人に限って,ロジック(論理)を間違えます。

「勉強だけがすべてではない」という命題は,「勉強なんてしなくてもいい」という命題と同じではありません。

「勉強ができるだけでは良い教師になれない」が真実であったとしても,「勉強しなくてもよい教師になれる」は真実にはなりません。

不合格になりやすい人に限って,「人間は勉強だけではない」とか「知識や教養だけではダメだ」などと,わかったようなことを言います。

だから,愚かなんです。

上記のようなことを言うためには,勉強がものすごくできる人,あるいは,知識・教養がものすごくある人である必要があります。

例えると, 東京大学を卒業した人なら,「東大なんて行っても,人生は幸せにならない」と言えますし,それなりにカッコいいし,説得力もあります。

東大に行かなかった(行けなかった)人が,上記のようなことを言ったところで,所詮は「負け犬の遠吠え」です。 東大に行ってから言え!なんですよ。

教員採用試験で言えば,1次試験の筆記試験が不得意な人ほど,知識や教養を軽視します。

軽視するのは勝手ですが,できてから言え,満点を取ってから言え,という話です。

知識・教養を軽視する人は,そもそも教師には向いていませんし,教師になるべきではありません。

学力不足で,教員採用試験に不合格になる人は,当然ですし,これからもそうであってほしいと願っています。

どうしても,教採に合格したい人は,やるべきことは簡単です。

勉強しなさい! 知識と教養を付けなさい!

ただ,学ぶ意欲はあるけれど,学習方法や学習戦略がわからないという人も多いだろうと思います。

そういう人には,教採に合格するための学習方法や学習戦略はあります。

その人,個人個人に合った,合格のための学習の仕方や,学習のプランニングはあります。


私は,過去,約20年間,「勉強下手」だけど,勉強したい,知識や教養を増やしたい,そして,教採合格を勝ち取りたいという人をサポートしてきました。

教採のレベルなら,ちょっとした学習戦略と学習方法で,高得点を勝ち取って合格できます。

あとは,学ぶ意欲があるかどうかです。

学びたい,知識や教養を増やしたい,豊かな知性を持った教師になりたい,そういう意欲さえあれば,たくさんのアドバイスができますし,教採合格はすぐそこです。

学習のちょっとした工夫,秘訣,方法を開拓すればいいだけなのですから。


2.語りが上手くない。

これは,結構深刻な欠点です。

教師の一番の仕事は語ることです。授業で語る。生徒指導で語る。子供への声掛けで語る。カウンセリング的に語る。保護者と語る。同僚・上司と語る。

語りは,教師という仕事の中核にあります。

語りが下手では,それこそ,話になりません。

ピアノが下手な人は,ピアニストになれない。

野球が下手な人は,野球選手にはなれない。

外国語が下手な人は,通訳にはなれない。

当たり前のことです。

これを延長して考えると,

語りが下手な人は,教師にはなれない。

はずです。

でも,実際は,語りが下手な教師はたくさんいます。

なぜだか理由は定かではありませんが,語りが下手な管理職,語りが下手な教師はたくさんいます。

困ったものです。

でも,これから教師になろうとしている人,これから教採の面接を受験しようとしている人は,語りが下手では合格しません。

語りこそ,教師の資質を最も端的に表すものなのですから。

でも,教師志望の人は,語りを上手にしようとしている人は案外少ないのです。

確かに,教採を受験する人は面接の練習はします。

でも,それは面接質問に対する回答を考えたり,面接時のマナーやエチケットを学んだりすることが中心のようです。

面接の本質は語りです。

何を語るかばかりに神経を集中し,どう語るかの訓練をほとんどしていないのです。

だから,受験者は,皆,型にはまったような受験作文で話す。

面接官からしてみれば,みんな同じようなこと,面接対策本に書かれているようなことばかりを話す。

内容はみんな同じで,なおかつ,語り自体は下手。

これでは,合格するわけがありません。

一緒に話をしていて,面白くないのです。

教採受験者の面接の語りは,本当に面白くない。

まるで,入学式や卒業式の来賓の挨拶みたいな感じで。

かしこまったことを言っているけど,中身がない,心がないのです。

そして,さらに問題なのは,そういう受験者にアドバイスをする管理職が,火に油を注ぐほど,さらに語りを面白くなくするのですよね。

かしこまったことを言えば合格すると勘違いしている。

管理職のアドバイス通りにやって,教採の面接で不合格になった人を,何十人も知っています。

語りを上手くするのは,スポーツの能力を上達させるのと同じです。

精神論や根性論だけではダメです。

そこには,科学も戦略もプランニングも必要です。

不思議に聞こえるかもしれませんが,スポーツが得意な人は,語りを上達させるのも早いのですよね。

やはり,相通じるところがあるのでしょう。

語りを上達させるコツは,たったの3つ。

1.目標を持つこと。

2.よいコーチ(指導者)に教わること。

3.科学的なアプローチで練習すること。

スポーツと同じですね。


3.他人に好感・好印象を持たれない。

クレイジーな学者にでもなるのならともかく,教員採用試験の面接で合格を勝ち取るためには,他人に好感・好印象を持たれる人物である必要があります。

「人に好かれる」ことを放棄した人は,面接で合格することはありません。

絶対にありません。

わずか20分程度の教採の面接で合格を勝ち取るための最大の戦略は,聞き手である面接官に気に入ってもらうことです。

面接官から好かれることです。

別に媚を売る必要はありません。

あなたらしくても構わないですから,好印象を勝ち取れるパフォーマンスが必要なだけです。

不合格なる人の特徴は,パフォーマンスを嫌うということです。

パフォーマンスは,ウソでもごまかしでも,詐欺でもありません。

聞き手に心地よく聴いてもらうための工夫,聞き手をハッピーにするための表情,聞き手に自分のことにもっと興味を持ってもらうための方法です。

私たちは,普段の生活でも,相手を心地よくするパフォーマンスを行っています。

挨拶だったり,仕草だったり,お辞儀だったり,敬語だったり,こういったものは,すべて,相手に気持ちよく,話を聞いてもらうためのパフォーマンス的な行為です。

面接では,そのパフォーマンス的な行為が,もっと高度に行われる必要があります。

入室時のお辞儀や,敬語や,姿勢だけではダメです。

対面して会話をしているわけですから,会話の当事者である面接官に気持ちよく話を聞いてもらい,あなたのことを教師候補者として気に入ってもらう必要があります。

教採の面接で,不合格になる人ほど,このことに対する理解が浅いのです。

不合格になる人ほど,質問に答えておけばよいとか,事実を述べておけばよいとか,面接対策本で読んだ通りにしておけばよいと考えています。

そして,毎年のように,面接で不合格になります。

こういう人は,不合格から,何も学びません。

何も学ばずに,翌年も,同じように,面接を受けます。

そして,不合格は続きます。

ちょっとした工夫で,不合格は合格になります。

パフォーマンスの神髄はとてもシンプルです。

聞き手に好感・好印象を持ってもらうことなのですから。

私は,しばしば,教採に合格する人は,恋愛上手だと言います。

反論してくる人もいますが,このアナロジー(類推)は真実です。

人に愛される人は,合格します。

人に好かれやすい人は,合格しやすいのです。

絶対的な真実だと言ってもいいでしょう。


4.大人になっても,「お子ちゃま」のままのメンタル。

そして,4つ目がこれです。

不合格になる人は,メンタルが,「お子ちゃま」なのです。

不合格になる人は,

自分は頑張っているのだから,合格させてほしい。

自分には生活があるのだから,合格させてほしい。

自分はもう数回も不合格になったのだから,そろそろ合格させてほしい。

自分が不合格になる理由がわからない。

などと思っています。

いわゆる「大人」と「お子ちゃま」の最大の違いは,世の中を自分自身の視点以外で見ることができるかどうかです。

「お子ちゃま」は,「自分は頑張っているのだから,合格させてほしい」と思います。

頑張っているのかもしれませんが,優秀な人材を合格させたいという採用側の視点とは違います。

あなたが合格する理由は,「頑張っている」からではなく,「優秀だから,優秀になりそうだ」からです。

「お子ちゃま」は,「自分には生活があるのだから,合格させてほしい」と考えます。

確かに,生活のこともあるのでしょうが,そんなことは,採用側には何の関係もありません。

採用側は「消費者」の視点を持っています。

良い人材であれば採用し,そうでなければ採用しないだけです。

あなたが,買い物に行くとします。

良い商品があれば買いますよね。

あなたに必要がない商品,あなたが興味がない商品は買いません。

それが消費者です。

商品をつくっている人が,「私の生活があるので,買ってくれ!」と言っても,消費者であるあなたには関係のないことですよね。

こんなこと,大人なら,誰でも知っていることです。

大人は,比較的,合理的で冷静で知的な世界に住んでいます。

欲しいものがあれば買い,興味があれば買い,そうでなければ買わない。

それを生産者も消費者も自明の理として理解しています。

でも,教採に不合格になり続けるような人は,メンタルが「お子ちゃま」ですから,「こんなに頑張っているのに」,「私には生活があるのに」,合格させてくれないと,ブツブツ,クヨクヨします。

心が子供なのです。

「構ってちゃん」だし,「甘えん坊」なんです。

こんな人が合格するわけがありません。

極めつけは,「自分はもう数回も不合格になったのだから,そろそろ合格させてほしい」のようなことを言い出します。

そして,「自分が不合格になる理由がわからない。」と言い始めます。

合格したい気持ちはわかります。

でも,合格に値しないのであれば,何度,教採を受けても結果は不合格です。

大人は,消費者でも,生産者でも,

「この商品は,買うに値するか。」

「この商品は,売れるだけの価値があるか。」

を考えます。

買う価値があるものを買い,売る価値がありそうなもの,売れそうなものを売ります。

それが大人のビジネスです。

「お子ちゃま」のメンタルを持っている人は, そろそろ合格させて! 生活があるから合格させて! もう疲れたから合格させて! すべてが,自分都合です。

他人の視点が見えていません。

自分の甘えた視点しか知らないのです。

だから,不合格が続くのです。

そして,教採で不合格になる人は,自分に都合の悪い情報を排除します。

教採で不合格になる人が,たとえば,ツイッターで求めているのは,自分を慰めてくれる言葉だけです。

自分の現状をえぐり出すようなツイートは無視します。

自分を変えようとする気はないのですから,慰めだけがほしいのです。

だから,ツイッターでも,

「頑張れば合格する。」

「経歴が不利益でも合格できる。」

「学力が低くても良い先生になれる。」

そんなツイートを探し求めています。

自分の無能さとお子ちゃまぶりを慰めてほしいだけです。

私は,教員採用試験の対策講座を主催し始めて以来,次のことを言い続けてきました。

自分が変われば,すべてが変わる。

自分が変われば,相手すら変えることができる。

自分が変われば,不合格は合格になる。

自分が変われば,不可能が可能になる。

そして,「自分が変わる」戦略と方法を伝授してきました。

「不合格になりそうな人は,なぜ,不合格になるのか?」

これが今日のテーマでした。

この問いに答えるのは,簡単です。

不合格になりそうな人は,なぜ,不合格になるのか?

理由は簡単です。

自分を変えようとしないからです。

自分を変えないからです。

それだけです。

不合格を合格に変えたい人,

自分を変えてください。

自分が変わってください。

不合格は,合格に変わりますから。


河野正夫
レトリカ教採学院

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