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石丸伸二が直接対決を恐れる宿敵 第4回 ~2期目に臨む岡田吉弘~

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悩める青年期

三原市長岡田吉弘は、眼光が鋭くいかにも鼻っ柱が強そうな面構えであるが、意外にも京都大学に入学して以降は、やりたいことが見つからず自分探しの旅に明け暮れたこともあったという。
京都大学大学院を修了して日東工業に就職するが、またしても「自分がしている仕事は世の中のためになっているのか」と思い悩んで退職し、松下政経塾に入塾する。
卒塾後は、生まれ故郷の三原市に戻ってプログラミング教育事業を手がけながら、政治の世界に飛び込むタイミングを窺っていた。

溝手顕正の秘蔵っ子

三原市にも河井夫妻による票のとりまとめが依頼され、参議院広島選挙区において、元三原市長・国家公安委員長・防災担当大臣の溝手顕正が落選したことは、第2回で触れた。
現金授受の責任をとって辞職した三原市長天満祥典の後釜として、溝手に擁立されたのが岡田吉弘である。
河井事件で逆風が吹く自民党の推薦を受けながらも、政治経験がない岡田が票を伸ばしたのは、河井案里の割を食った溝手への同情票という側面があるのかもしれない。
岡田の出陣式には、広島県知事湯崎英彦も姿を見せた。

溝手は岡田の市長就任を見届けて、2022年7月に凶弾に斃れた天敵安倍晋三の後を追うように、2023年4月に病死した。

施政方針

私の目に留まった岡田の施策の特徴は、スタートアップ起業支援と、お得意のプログラミング教育推進である。
そして、その市政運営における姿勢はごく穏やかである。
1期目の青年市長が議会との対立を避けるのは当然のことである。

目指すまちの実現に向けた 市政運営の基本的な考え方

❶  市民の皆さまの声を広く聴き、誰一人取り残さないという思いを市役所全体で共有し、市民のための仕事をしているという意識を持って日々の仕事を進めます。
❷  透明性のある市政運営のため、市が実施する取り組みについて、さまざまな場面で市民の参画や積極的な情報公開を進めます。市民との対話を通じて、その思いを市政へ反映していきます。またシティプロモーションを行い、市民のシビックプライドを醸成するとともに、市外の人から選ばれるまちとなるよう、積極的に市の魅力や強みを発信していきます。
❸  まちづくりの課題が多岐にわたる中、市が単独で課題解決に当たるのではなく、お互いが発展していく「共存共栄」の気持ちを持ち、市民や企業、各種団体などと、それぞれの強みや持ち味を生かした連携、協働により、課題解決を図ります。
❹  未来の三原を担う人材の育成を応援します。子どもから大人までさまざまなことにトライする意欲とチャレンジしやすい環境、そして後押しする市民や行政、こうしたことが生まれるまちづくりをめざします。
❺  市政運営の両輪である議会と連携し、議員の皆さまとしっかりと対話し、広く意見を伺いながら、市民にとって真に必要な政策について議論を深め、市民の納得感につながる市政運営に努めていきます。

三原市ホームページ

岡田市政について調べても目を瞠る情報はなかった

岡田のユニークな発信としては、デジタルファースト宣言、イクボス宣言、AI岡田市長訓示などがある。岡田市政には、安芸高田市前市長石丸伸二と議会の対立のように、全国的な話題になるようなニュースは見当たらない。

石丸と岡田の接触は極めて少ない

戦国武将毛利三兄弟それぞれの本拠地である、安芸高田市(毛利元就、長男・隆元)、北広島町(二男・吉川元春)、三原市(三男・小早川隆景)が連携する、三矢の訓協議会が設立され、会長に岡田吉弘、副会長に石丸伸二が就任した。
石丸と岡田のツーショット写真を探してみたが見当たらなかった。3市町長が揃った際も、リモートでの会合になったせいで、「双子の市長」達が並んで写真に収まることはなかった

三矢の訓ちゃんこ鍋を試食する市町長ら

石丸がSNSで岡田AI市長を紹介 

岡田が石丸について触れた記事は見当たらない。もしご存知の方がいらしたらご教示願いたい。
石丸が岡田について語ったものも、これしか見つからなかった
余談であるが、石丸が相変わらず中国新聞を責めているのには思わず笑った。

そして、二人が新聞や雑誌で対談したとか、比較する記事が掲載されたなども寡聞にして知らない。同じ日に市長になった京都大学の先輩後輩とはいえ、地元メディアも現職市長同士を露骨に比較する訳にはいかなかったのであろう。思えば、わが市長が隣の市長と微に入り細を穿つように比較されるのを目にしたことがない。

三原市長選挙は7月21日に告示、現職の岡田と新人2人の争い、7月28日に投開票



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