文系院進しようか迷っている4年生の方へ


今文系院進しようか迷っている4年生がいたら、「本当に今でなきゃダメなのか」そこをしっかり自分と向き合って確固とした答えを出すことを強く勧めます。
将来的に絶対博士まで行って研究者になるという人以外、基本的に学部からそのままの院進はお勧めしません

(※リカレントで入った方がリスクが少ないかもしれないという話で、修士だけの進学自体に意味がないとか否定するものではありません)

ハードな生活について行けず、入学2か月で自己免疫疾患になり休学となった文系院生の独り言です。参考になったら幸いです。

考えられそうな3つの動機

①もう少し勉強したいという人

社会人になってからでも勉強は充分できます。長期履修やリカレントがあるなら尚更です。そうでなくても時間割は基本社会人に合わせてくれるはず。
将来的に博士を考えていない場合は、なぜストレート進学し修士で勉強したいのか?を明確にした方が良いと思います。

②学生として入った方が大学院の勉強に集中できる

そうとは限らないのが現実です。大学によると思いますが、最近の大学院は経営を維持するためにリカレント様様で、学生は蔑ろにされている現状があります。時間割から何から何まで、すべて社会人(正社員として働いている人)の都合が優先されるので、リカレントが1人いるだけで毎日夕方から夜21時くらいまで講義ということも有り得ます。

リカレントは週2回くらいしか来ないだろうと思ったら大間違いです。社会人でも学生と同じように毎日授業を受ける人もいます。

≪リカレントでないのに講義が夜になってしまうことの問題点≫
生活時間が変わるというだけでなく、一番の問題点はバイトができなくなる可能性があるということです。
大学院生は、授業準備や課題、研究をこなすため、収入源としてほとんどが時給の高いティーチングアシスタント(TA)が選ばれるかと思いますが、学部でTAが配置される科目は、情報や語学など主に必修科目です。時間割は必然的に1講目など早い時間帯で組まれることが多く、午後など都合の良さそうな時間帯は少なく高倍率です。
リカレントに合わせるため講義が夜になるとしたら、1講目から21時近くまで大学にいることになる場合もあります。TAは都合よくシフトを入れられるとは限らず、収入が足りずダブルワークが必要になってくる場合もあります。
私の同期は夜の講義が終わった後に、夜のお店で朝までバイトをしていました。しかし夜の仕事でも出勤時間には間に合わず、足りない分を昼に入れダブルワークしているような状態でした。

奨学金や親からサポートを受けられたり、住む場所が近いなら何とかやって行けると思いますが、そうでない人はきついと思います。
学生を本業にするということが、本当に研究に専念ができる選択とは限りません。
特にリカレントや夜間開講によるフレキシブルさを謳っている場合はよく情報を集めて考えた方が良いと思います。


③学内推薦を利用すると入学金と学費が一部免除される

(新卒1年目でリカレントになるのはきつい)←私の理由

これは私立大学に多いです。それまで自分の大学院に対するイメージは、朝から晩まで勉強していてとにかく学部とは比べ物にならないくらい大変。
実際そうなのですが、それは2年間で卒業するとしたらの話で、リカレントでも長期履修を申請して入学すればそこまで負担なく取り組むことができると思います。
大学や専攻する分野によると思いますが、学部より桁違いにレベルが高いということは無くて、学部で普段やっていたこと(ゼミでの輪読とか)をより個人で専門性を高めながら時間をかけてやっていくという感じです。研究計画を書いて入試を受けて卒論も書けたなら、充分大学院で学んでいけるレベルだと思います。
私は進学して授業を受けてみて、自分みたいに要領悪い人間でもストレートに進学しなかったからと言って、修士取得の道が絶たれるわけではないと気づいたので、そこはどうか焦らずと伝えたいです。人生100年時代です!

③就活公務員試験浪人

個人的には論外です。学部で失敗したのに、院でそれ以上に上手く行くわけない。ギャンブル。準備時間なんてない。学部以上に限られた時間で就活することになります

大学院進学は、新卒を守るものにも、公務員試験の失敗をカバーするものにもならないです。理系や資格系は別ですが、文系修士課程はあくまで、研究の基礎を磨くためで大学とは目的が全く違います。
企業が文系修士を評価する傾向にあるとのニュースも見かけ、実際そのような企業もあると思いますが、選考において優遇が受けられるということはないはずなので、あまり真に受けないで欲しい思います。

23歳病気既卒の私から言わせると、学部既卒なんて全然怖くない!!
大学院受験してたとか公務員浪人したとか言えば全然大丈夫。友人にもいます。内定辞退で新卒足りなくなった企業だって絶対あるし、卒論を書いてから就活したって良い。大学院という選択は社会的評価も高いし魅力的かもしれないけど、学部で就職することを諦めないでほしいです。

何より職歴がないと、病気など何かあったとき、生活に関して何の保証も受けられません。学部生と同じようなアルバイトしか仕事がない院生の場合は、生活において何かあったとき想像以上にリスクがあると思います。

大学院で学生として生き抜くためには?

ここまで、学部からの進学のリスクばかりを書いてしまいましたが、冒頭にも書いたように、決して修士課程で学ぶことを否定するものではありません。海外では学部を出たらそのまま修士へ進むことが当たり前ですよね。そして、博士へ行く予定が無かったとしても、20代前半のうちに学んだ方がその後の道が開かれるし、学んだことを活かす時間も機会たっぷりあります。

では、リカレントがいるなか学生として生き抜くためにはどうしたら良いか?ということも、私のアイディアをお伝えしたく思います

➀受験前に研究環境を確認する

1.事情があったときに授業をオンラインで受講することはできるか
2.電子レンジや冷蔵庫、冷暖房などの設備
3.プリンターの使用や故障時などにPCの貸出はあるか
4.車通学の可否

特に2.は本当に大事です。朝からTAがあって講義が夜からとなると、家に帰る時間が取れない場合は、ご飯の用意が本当に大変です。お金があるなら買えばよいですが、特に夏は冷蔵庫などがないとお弁当を持っていくこともできないので、ほぼ外食になってしまいます。私の大学では、学食はお昼過ぎで閉まり、生協は夕方になるとおにぎりさえなくなってました。なので近くのスーパーに歩いて行ったりしていましたが、高くて買う気になれず夜ご飯は食べないことが多かったです。それが多分、身体を壊すことにも繋がりました。
特に文系だと、研究室で電子レンジ・冷蔵庫禁止というところは多いのではないかと思います。私の大学では電気ポットのみ許可でした。どうしても設備がない場合は、α米を常備するかこっそり炊飯器を持ち込んでご飯を炊く(バレたら停学かも)くらいしか思いつかないです。
互助会のように学生同士でお金を出し合うとか、交渉してみるのが大事だと思います。

②できる限り早い段階で時間割の公開・調整をしてもらう


私はTAのシフト調整(3月の終わり)をする前に、時間割がまだ公開されておらず目隠しの状態でした。一度事務に電話をかけたのですが、もう少し時間がかかると言われ、結構大きな大学で時間割の調整は言うまでも無く大変だし、事務も忙しいから仕方ないと思い、リカレントが1人ということだけを教えてもらいそれ以上催促などはしませんでした。ですが後々、自分の生活そのものに関わることであったと実感し、そこを遠慮する必要なんて全くなく、もっと早い時期から事務と連絡を取っておけば良かったと後悔しています。
ちなみに時間割の決め方は、3月上旬にどの教科を取る予定か全員にアンケートがあり、リカレントだけが時間や曜日の都合を聞かれそれが反映されます。
リカレントが何を履修するのかは共有されなかったので、絶対聞いておいた方が良いと思います。平日休みのリカレントもいるので、休日がいつなのかも聞けるなら事務を通じて聞いた方が良いと思います。

結局時間割が公開されたのは4月の第1週目の週末、オリエンテーションの日で、そこで週4で講義が全て夜間になっていることを知りました。
一応、教員と学生で話し合って時間割を変更できると言うことにはなっていますが、リカレントがいる場合ほとんど無理だと思います。

③入学前から何か改善して欲しい部分があったら、我慢せず相談し場合によっては書面を提出するなどして交渉する

④教員免許などバイトとして使えそうな資格を取っておく
自治体のパート(非正規)など、バイトとしてできる選択肢を増やすというのも手だと思います。

以上こんな感じで簡単に書いてみました。とりあえず公開しておいて、追加や修正があればその都度更新しようと思います。上記の内容は、私個人の考えや経験談であり、すべての大学院に当てはまるものではないということをご了承下さい。

今書いていて思うのは、私は大学院に進学したいという気持ちばかりが先行して、進学することのリスクへの理解やそのリスクを回避するための準備が足りなかったとつくづく思います。私は朝にTAがあり夜から講義というスタイルだっただけでなく、実家から片道1時間半以上かけて通っていました。若いから寝なくても食べなくても少しくらい無茶しても何とかなるだろうと思っていました。そのように、自分の体力に見合わない生活をした結果短期間で身体を壊すことになったと思います。
1人でも誰かの参考になればと思い、今回は大学院での経験を書いてみました。

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