Dify/GPTsで業務改善を行う上で業務棚卸は必須
最近盛り上がっているDifyが非エンジニアの私には怖くなっているものの、「DifyはGPTsの延長線上にある」との言葉を信じて踏み出そうと思っているRGです。
Difyは単体タスクをこなすGPTsから進化した、連続的なタスクをこなすことが出来ることで企業への業務改善もより広範囲に提供出来るようになったと感じています。一方でそれが故に下記のような問題が起こりうると考えられます。
契約を取ったとしても後から要件範囲が拡大してしまう
契約形態によりますが、特に請負契約の際には提供サービス範囲を曖昧なままに契約締結をすることで、意図せず後出しじゃんけんのように機能(要件)追加を求められるリスクがあります。実際にサービスを提供する側としては工数が増大することになりますが、クライアントとしては「○○の範囲ならこれも入るでしょ」と考えることは自然な流れです。
要件は拡大するのに追加費用はもらえない
先のように曖昧な契約締結により、要件範囲が実質的に拡大することは多々ありますが、さらに問題なのが工数は増大するのに追加費用は支払ってもらえないリスクです。契約に基づくと、曖昧な提供サービス内容で契約を結んでいるために想定していなかった機能要件を実装し、さらには契約に基づき当初の支払金額は増額されないケースが考えられます。
私自身、新卒で入社した大手コンサルティング会社で複数の領域を横断し、その領域間で発生する取りこぼしを検知してどちらの領域に業務を寄せるのか整理する役割を果たしていました。
当該PJではそもそも要件定義フェーズの際に漏れている領域自体があることが発覚し、それらを巻き取るべくマイルストーンを引いて誰が追加で担当するのかの会議が23時から始まる5日間を経験しました。
追加工数にはなったものの、人員が追加されることはなく、既存領域リーダーの内の一名が兼任していたので、今振り返れば追加費用は発生せずに残業代の発生しないMgr.が担当するハメになったのだろうと思うと背筋が凍ります。。。
追加された要件、増える工数、後ろ倒しにならないデッドライン
さらには契約内容次第ではPJのスケジュールを後ろ倒しになることをクライアントは嫌うため、当初の契約通りのスケジュールで追加要件をこなす必要すらあります。
大企業であれば追加人員を用意することはスタッフレベルであれば容易ですが、零細企業にとっては正に死活問題です。
仮に追加人員を業務委託などで依頼することが出来たとしてもそれは即ち利益率の減少を意味します。
そもそもクライアントとの関係が悪くなる、最悪損害賠償請求
後出しじゃんけんで機能(要件)追加され、それにお金は払ってもらえず、スケジュールにも間に合わせる。。。ここまでやっていてもクライアントはむしろ不満が残ります。
そもそもこのような事態が起こること自体に不信感を覚え、委託先の変更や、最悪打ち切り自体を考えるようになります。
業界は狭いものですから、このようなことが起こったことは業界に知れ渡り、次契約の獲得に影響が出ることすらあります。
また、提供後もリスクがあります。
最近デロイトがグリコへ既存社内システムをSAP S/4HANAを使用した新システムへの移行サービスを提供したものの、4月初めに障害が発生し、出荷停止となったという事態が発生しました。これによりグリコは5月8日、システム障害によって2024年12月期の営業利益が60億円、売上高が200億円下押しされる見通しだと発表しています。(詳しくはこちら↓)
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/company/post_380797.html
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これを受けて損害賠償請求も視野に入ってきそうですが、とにかくこのように業務改善を提供したはずがかえってクライアントに損害を出すようなことすらあります。
実際に損害賠償が確定したケースはこちら↓
https://xtech.nikkei.com/kn/atcl/cntcolumn/15/00017/00005/
まずは業務棚卸が重要
このような事態を引き起こさないためにも、まずは業務棚卸が重要です。
クライアントや自分が実際にはどのような業務を行っているのかを整理し、流れをまとめ、それに対応する詳細な業務をまとめていくことで、受けてどの部分で業務改善が出来そうで、かつインパクトが大きいのかを見える化することが出来ます。これはDifyはもちろん、GPTsでも作成するのを推奨します。
業務フロー
まずは業務フローを作成しましょう。
業務には必ず流れがあるため、これらを作成することで全体の流れを掴むことが出来ます。私は請求フロー以外は全て作成しています。(請求は請求書作って送って売掛金回収してで完結するので特に作成しませんでした。)
どこまで作成するのかですが、詳細であればあるほど良いです。
私は今回は自分の仕事を業務フローに落とし込んでいるため、例えばLP制作などは分解して記載をしていません。LP制作はWF制作→デザイン制作→コーディングと分けられ、さらにWF制作では競合調査などから始まりますがこのように分解しようとすればどこまでも書けてしまうものです。
クライアントに提供する際には自分がはっきりとこれなら現場に放り込まれてもスムーズに着手できるなと思うレベルまで落とし込みます。
業務詳細
業務フローが書けたら次は業務詳細書です。業務フローを元に業務の詳細を記載し、効率化できるかの評価を行います。
これは可能な限り詳細に記載します。所属する業務フローの記載や、業務種別などを記載して業務識別子のようなものを作っておくと範囲が膨大になった時に便利でしょう。
終わりに
今回メインで伝えたかったことは簡潔にお話することになったのですが、実は今回の初noteを出す前、noteを出す以上は全員が分かるようなものでないといけないという考えと葛藤していました。
しかし、元木さんのこのポストを見たことで、その考えが随分と軽減され、今回初noteを出すことが出来ました。本当にありがとうございます。
今回の記事で何か質問だったりがあればコメントしてくれたら嬉しいです。反応次第でどこかで詳しくお伝えする機会を設けたいと思います。
どこか↓
https://twitter.com/i/communities/1777966982618558789
P.S.
今回初めて書いてみましたが、とにかく時間掛かりますねー。初とは言え3時間近く掛かりました。ChatGPTとか使って効率化したいんですが、書きたいことを書こうとしても思った通りにというものは出てこないし。。。(プロンプトの問題だと思いますが)
普段ハイペースに執筆されている方には頭が上がりません、本当に尊敬します。これ書いている暇があったらDify触ったりGPTs作ったりした方がいいですもん。。。
この葛藤にどう折り合いをつけたのか、ご経験ある方は教えてください…
↓フォローいただけたら嬉しいです。
https://twitter.com/RG_generativeAI
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