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◆パルプフィクション

耳鳴りがする夜に、そっと両手で覆ってみても、何か言葉のような砂嵐のような・・・でも、感じる音は上がっては下がり、下がっては登る。まるでグルグルと重力に逆らっては引き寄せられる月がまとう波のマントは翻り。そして繰り返される時間の隙は、きっと安らかに眠る瞳に映るあの日が愛おしい。
無音とは騒々しくて、僕の心の静けさは波紋を伝う小波にユラユラと右に左にと忙しそうに木霊打つ。きっと何も無い世界に有って世知が無い世の中には無縁なその音には、きっと五月蝿いとか心地よいとどうでも良くて、有るのはきっと聞こえないリズムに心迷わせられる僕のハートは、ただいま青い春
何も描くことも無い白いキャンパスにしてみれば、遠い未来を夢見る心の希望満ちることも有るが、絶望と悲しみに支配された閉ざす世界の暗示るが如く、思いすら見えぬ幽閉の鍵。眺めるさきには何を思う。
まだ見ぬ未来に不安を抱いたって、俺の心が晴れる訳でも無いし、在り来たりの言葉で街を奏でるしか時を刻めないのなら、いっそ今の俺に来た道と行く道の間の交差点、在りし日と去りし日と来る日の微睡クロスロードに叫ぼうか。

見上げる空も道ですか。
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2009/04/22 01:27

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