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◆ 欲情メランコリック

2008/08/21 22:49

歩く道の波はいつも先が無く
気付けば道すら見えない闇と
傷付く事さえ知らないだろう

人の足音の渦に流されながら
変わらぬと信じた希望は愚か
振り向けば生きた道さえ失う

確かに聞えたあの声は
汚れた心じゃ聞えやしない
きっと擦れ違った事さえ
見て見ぬ振りをする。


冷る都会の帳は光さえ凍って
正直者と言う名の言い訳さえ
繰り返し溺れては沈んで行く

世の中から生きる為の術とは
仮面から覗く色が消えた空と
権力の権化達が蔓延って行く

確かに聞えたあの声は
忘れた心じゃ見えやしない
きっと擦れ違った時さえ
自分しか居ない街並み。


悲しみは直らぬ光を思うもの
医者は見えない傷に薬を塗り
癒したつもりで身は滅んでく

光る事に怯え人の背に隠れて
皆が歩くあぜ道が真と信じる
真実の輝きさえも揶揄をする

確かに聞えたあの声は
何かを求めた声じゃなくて
きっと無くした魂から
在るべき姿の嘆きの声。

僕が幼かった頃は、
 まだそのリンゴは、
  赤に見えてたんだ。


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