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【トレカせどり】あなたの提供する価値は何ですか? (お金は価値とリスクの対価です)

 私自身、副業としてトレカせどりをやっています。はじめた当初、一時期は低価格のカードを多量に出品していたときもありました。それは仕入価格に対して販売価格は高かったものの手間も大きく、生産性は非常に低いものでした。「こんなことするなら残業した方が稼げる・・・」という状態でした

これと同じような悩みや絶望を覚えた人も多いのではないでしょうか。

しかし私は、扱う品や仕入・販売方法を色々と考え直して試行錯誤するうちに、週に数時間ほどの労力で、月間にうまい棒2万〜4万本を買えるくらいの余力がある生活ができるようになりました。

【今回のテーマ】
以下の観点を再確認した上で、自分がしている作業が何につながっているのか、改めて考え直したいと思います。
✅お金は何の対価としてもらっているか
✅モノそのものの価値とは何なのか
✅自分は何の価値を提供しているのか
✅付加価値は何によって生まれるのか

結論から言うと、今振り返ると、私の行為はほとんど何の価値も付加しておらず、リスクを取る対価も得られていませんでした。その結果、"作業量ばかり増えているのに利益が全然得られない"となるのは当然のことでした。

そして、トレカせどりをしているけど、周りと同じような商品を同じように売って、薄利多売の消耗戦にうんざりしている人へ突破の糸口を提供できればと思っています。

なお、今回は売るためのマーケティングテクニック(写真を綺麗に撮る / 目立つようにする / 検索ワードを工夫する)は割愛しています。これらはこの記事の本質的な内容を押さえた次のステップでやることです。 

1. 大前提

まずは価格とは何で決まるのか、お金とは何の対価なのかを把握したいと思います。

1-1. ものの価格は需要と供給で変化する

 高校で習うことで詳細は割愛しますが、ものの価格は需要(買い手)と供給(売り手)で決まっていきます。買いたい人が多いのにモノが少ないとき、そのモノの価格は上がっていきます。

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  図:ベネッセ教育情報サイト より

1-2. お金は生み出した価値の対価である

これも様々なところで説明されているので詳細は割愛します。すごく端的に言えば水をスーパーで売るよりも砂漠で売る方が高く売れますよね。水そのものは同じなのに。要はそういうことです。

1-3. 人は感情に対してお金を払う

 物が無かった戦前とくらべ、現現代は物は飽和しています。そんな現代の価値観は、単なる機能・利便性よりも、"どんな経験・感情が得られるか"といったことに重きが置かれるようになってきております。

特に、不安回避や見栄(劣等感)といった強い感情はお金に大きく影響します。
 これもよく言われることですが、一応以下に参考記事を載せておきます。


1-4. お金はリスクの対価である。

 これは金融的な話ですが、お金はリスクの対価の側面もあります。リスクプレミアムという表現もします。これも調べてばすぐに出てくる話であるため詳細は割愛します。一応以下に参考書籍を載せておきます。

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本当の自由を手に入れる お金の大学

2. 物そのものの価値について考える

 それでは、次に商品(物)そのものの価値について改めて整理します。

2-1. 機能性

これは当たり前と思うかもしれませんが、そのカードが強力というものはそのままカードの存在価値となります。

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2-2. デザイン性

カードが弱くても美しい絵のカードは価格が高くなることがあります。所有している満足感という経験価値を提供するからです。

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2-3. 品質

当たり前ですが保存状態の悪いボロボロのカードよりも、保存状態の良い新品同様のカードの方が価格が高いです。また、トレカはダメージジーンズ的な価格の上がり方はありません。

2-4. 希少性

需要と供給にも絡んできますが、レアなカードは価格が高いです。また希少性のあるものを所有していることは、満足価値を提供することになります。

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上記4点を兼ね揃えた、強くて美しくて状態が良い激レアカードは価格が跳ね上がるわけです。

3. 売り手が客へ提供している付加価値

次は、モノそのものではなく。それを手に入れるまでのプロセスで売り手が提供している付加価値について整理します。

3-1. 利便性

「実店舗に行かずとも購入できる」「あなたのページからは欲しいものを見つけやすい。」こういったものは、お客様の手間を減らすという利便性の価値を提供します。

3-2. 速さ(すぐに手に入る)

発送が早くてすぐに手に入るのも価値の一つです。手に入れるまでの時間が短いほど、その人はそのカードで遊べる機会を得られる(機会損失の回避)というわけです。注文を受けて即日発送ができる体制を整えるのも競争力の一つです。

3-3. 安心安全(匿名配送・追跡保証)

匿名・住所非公開で発送してくれる。追跡ありの発送が可能というのは、安心安全という価値を提供します。個人情報への対応は年々、世界中で重大な位置付けとなっております。この匿名性というのは今後伸びしろがあるかもしれません。

3-4. 安心安全(本物保証)

残念なことにトレカは偽物が多いです。「数万円の高額なカードを買ったと思ったら実は偽物でした」というのは非常に恐ろしいです。そんな殺伐としたトレカの世界で、あなたが本物を扱うという確信を与えることは安心・安全という価値を提供します。
これだけフリマが台頭してきているのに、いまだに大手のトレカショップが人気な1つの理由としてこの安心・安全があるでしょう。


3-5. 期待感

これは福袋や宝くじのような性質をもつ出品方法です。トレカではいわゆるオリパ(オリジナルパック)がこれに当たります。「もしかしたら1000円で5000円相当のカードが手に入るかも!」というワクワク感を提供します。

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4. 売り手の仕入-販売のプロセスで付加する価値/リスク

上記では販売時にのみ焦点を当てていましたが、次は仕入れから販売までの一連のプロセスにおける、付加価値/リスクについて整理します。

4-1. 確実性

自身でパックを購入・開封してシングルカードとして販売する方法。見方を買えると、パックでは欲しいカードが手に入らないというリスクを売り手が請け負うことになります。

4-2. 即金性の提供・キャッシュの自由へのリスク

 早くお金が欲しいという理由で、市場価格よりも低めに出品する人がいます。そこから購入してあげるのは即金性という価値を与えます。さらに言えば、その出品物がなかなか売れないようなモノ(極端な例では"家"など)の場合、買い手はその期間キャッシュの自由がなくなるリスクを請け負うこととなります。

4-3. 在庫管理費の肩代わり

 在庫は管理費も嵩むため、不要だからという理由で市場価格より低めに出品する売り手がいます。その売り手から購入する行為は、管理費削減という価値を売り手に与えます。一方で書い手はその在庫リスクを請け負うことになります。

4-4. 市場開拓・マッチング

 他のマーケットAならもっと高く売れるにもかかわらず、知見が無いことで相場が安めのマーケットBで出品している売り手がいます。一方でマーケットBのことを知らずにマーケットAでしか探していない人がいるとします。もしあなたがマーケットの知見を有しているなら、そこでマーケットBで買ったものをマーケットAの人に販売するのは、マッチング・機会の創出という価値を生み出しています。

こちらはせどりの本質ですね。

5. 貴方は上記のどの価値に対して作業をしているのか

 私は最初のうちは「いま沢山売れているものを仕入れて販売する」「機会損失をしないようにととにかく沢山出品する」ということをしていました。しかし今振り返ると、この行為はほとんど何の価値も付加しておらず、リスクを取る対価も得られていないことがわかります。その結果、"作業量ばかり増えているのに利益が全然得られない"となるのは当然のことでした。

上記のようにならないように改めて、自分の作業が何のために行われているのか、お客様のどんな感情にアプローチしているのか確認しましょう。

 ❗️新パックを買うために店舗に並ぶのはなぜなのか?
 ❗️多量に出品するのはなぜなのか?
 ❗️商品説明を細かくするのはなぜなのか?
 ❗️沢山写真を載せるのはなぜなのか?

各作業がどの価値の付加 / リスクの引き受け にあたるのか今一度見つめ直すことが大切です。


ちなみに今現在の私は、次の観点を自分のブランド価値の大きな柱にしています。

【物そのものの価値】
 希少性 

【売り手が客へ提供している付加価値】
安心安全(本物保証)

【売り手の仕入-販売のプロセスで付加する価値/リスク】
即金性・キャッシュの自由へのリスク
市場開拓・マッチング

このように"付加価値"と"リスク"に着目して試行錯誤していった結果、利益率は10〜20%、50%〜300%の実績をコンスタントに出せるようになりました。具体的な私の実体験は以下の記事で説明しています。興味のある方はご覧ください。

6. まとめ

今回は以下の観点を再確認しました。
 ✅お金は何の対価としてもらっているか
 ✅モノそのものの価値とは何なのか
 ✅自分は何の価値を提供しているのか
 ✅付加価値は何によって生まれるのか

そして、トレカせどりをしているけど、"作業量ばかり増えているのに利益が全然得られない"ということがなぜ起きるのかを考え直しました。
周りと同じような商品を同じように売って、薄利多売の消耗戦にうんざりしている人へ突破の糸口を提供できればと思っています。

以上、ありがとうございました。

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