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【W10周年記念コラム】 Vol.4「リライトとるいんち」

こんにちは。
リライトWのデザイン担当:大平と申します。
前回までは結成〜10周年を迎え、記念としてボウリング大会が行われた様子をお伝えしてきました。
そうこうしているうちに1年が経ち、「11周年だね。」を通り越して12年目へ突入いたしました。今年もよろしくお願いします。
さて今回は番外編として、私が「Ruinchi(ルインチ)」という個人活動を始めてからリライトに関わるようになったこと、日々の制作についてのことを書いてみようと思います。

【個人活動のきっかけ】
桑沢デザイン研究所を卒業後、デザイン事務所に計6年ほど在籍していたものの、
憧れていた「デザイナー」とは程遠い現実。
先輩の指示のもと作業する、万年アシスタント状態。
…このままでは何も変わらないと一念発起。
「わたしは個人活動がしてみたいのです!」と半ば強引に飛び出したのがはじまり。
この時は何故かデザインの仕事じゃなくても、わたしには個性が!
なんて野心をもっていた部分もありました。。
(当時の職場へは、今となっては感謝してもしきれない。)

親にも、退職した会社へも、やめたなりの私の覚悟を見せつけないと。。
早速、桑沢の同級生が働いている下北沢のカフェに展示の申し込みをして、
あとはどうゆう風にどんな名前で?何をする?など、とにかく手を動かし始めました。
このときに生まれたのが屋号「Ruinchi」でした。ルイの家、工場みたいなこと。
それまで展示なんてしたことがない。
でも、作ってみたいなと思っていたものは既に頭の中にあった。それがこれ↓です。

初めての展示「Marionette」1体 A1サイズくらいあります。

この展示をきっかけに、ご縁があってアパレルブランドとのコラボレーションやイラストの仕事、友人のおかげで京都でも展示やイベントに参加したり。
変わらなきゃという想いは、それなりの出会いと縁を運んでくれました。
もっとできたのにという後悔もありますが、
その時はそれで精一杯だったんだと今は思えます。

最初の頃は厚紙でブローチなどを作って売っていた。イベント出店に声かけてもらったり、
お店に置いてもらうだけでも舞い上がるくらいうれしかった。
アンビデックスとのコラボレーションでわたしの作品をブローチや洋服にしてくれた。
Quinka with a YawnのCDアルバムデザイン
チルドレンミュージックバンドCOINNのTシャツ

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【リライトと繋がる】
そんなこんなで1年半くらいは過ぎたでしょうか。
このままフリーランスになる勇気もない、そして何よりも自信がなかった。
仕事がある・ないに一喜一憂、まわりと比べてしまい落ち込む。
いちいち感情を左右されてしまう。
もちろん貯金はどんどん減っていく。
やっぱり働きたい..と探し始めたときには「何ものでもない」自分が顔を出し始めた。
特に代表作などもない私を雇ってくれるところは見つからず、
日雇いや期間限定のバイトへでかけてみたり。
あの時の勢いはどこへやら。将来への不安100%状態に。両親からも心配されていた数カ月後、なんとかアパレル会社のデザイン業務に再就職。

並行してるいんち活動もなんとか続けていたおかげで、リライトと仕事をする機会に恵まれ、ご縁があったのかそのまま社員となって8年目となる。
リライトに入社してからは、下手くそな私にたくさんの仕事を任せてくれた。
これまで頑張りきれなかったこと少し回収できた気がします。
デザインの面だけでなくて、コミュニケーションを取ることとか
分かっているけど直せないこといろいろ。
ひとりでないからこそ気づかせてくれること。

そうして、いつしかアシスタントからは卒業したみたいです。
(もちろん苦手なことは未だにアシスタントとして入ります…)

気づけばリライトの制作物のほとんどが私がデザインしたものになっている。

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【Ruinchiと今】
会社で働きたい、個人活動もしたい。
どっちにも自信がないけど、どっちも続けたいというわがままを受け入れてもらっている。本当に中途半端で覚悟のない欲張り人間だなと思います。
そして、結果こんなふうに働けることとは、周りの協力のもとであることを忘れてはならない。

最近は紙と木、金属も使って異素材ミックス的になってきている。
直近の展示の様子。だんだんシンプルになってきているかもしれない。
私自身の思考の変化と反映しているのであろうか。

個人活動は、ありがたいことに一昨年、昨年と展示が続いている。
続いたおかげで模索する時間が増えて、今また新たな気持ちで制作をしている気がする。良い意味でうまくなることを諦めたからだと思っています。

わたしが思っている「上達」は、そうそう簡単ではない。
急いで効率を良くしても、年を取っても、上達は自動的についてこない。

上達のその瞬間はいつやってくるのか分からない。
そしてそれは自他どちらの判断でそう認めるのだろう。。とか
思考は止まらない。
でも、淡々と向き合っていればきっとなんかの拍子にポンとうまくなるかもしれないから。今日もやるべきことをやる。

大谷くんも同じようなこと言ってたし。

そんなわけで、これからもどっちつかずな日々は続く。
傾き、静止し、よろめき、また立ち上がる。。

12年目もリライトWをよろしくお願いします。

【プロフィール】
Ruinchi
平面と立体の間を行き来する過程での実験的なものづくり。
図画工作/グラフィックデザイナー/イラストレーターとして活動中。
https://www.ruinchi.net/
https://www.instagram.com/r_u_inchi/

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