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社員の働き方を歪めてまで拡大を急がない。自分の人生と向き合う時間を大切にしてほしい

リモートワークが可能で柔軟な働き方ができる仕事を紹介する求人サイト「Reworker(リワーカー)」。Reworker掲載中の企業にはそれぞれ、現在のワークスタイルに至ったストーリーがあり、求人情報だけでは伝えきれないエピソードがあります。
そこでReworker運営スタッフが「自信をもっておすすめしたい!」企業について掘り下げてご紹介していきます。

第1回目は株式会社ソウルウェア。2012年に創業し、10名弱の社員がいるIT企業です。

同社は、社員が地方へ引っ越すことになったのを機にリモートワークを導入。現在もより良いリモートワークの在り方を模索しているとのことです。

代表取締役の吉田超夫さんにお話を伺うと、社員のワークライフバランスの「ライフ」を大切にする企業姿勢が見えてきました。


社員の人生を大切にしたい。その想いで、事業内容までも変革


――吉田さんご自身、前職では徹夜が続くなど厳しい労働環境にあったそうですね。ただ、ソウルウェア社の今の働き方はとてもホワイトです。何かきっかけや原体験があったのでしょうか?

はい、ソウルウェアを起こす前は10年くらいECサイトのベンチャーなど、複数のIT企業で会社員として働いていたんですが、どうしても時間をかけないと成果が出ないという状況で。当時は徹夜で仕事するなど、どちらかというと人生をないがしろにしていた時間があったように思います。

でも4年前に子どもが生まれたことをきっかけに、「何のために働いているんだろう?」と考えるように。きちんと子どもと向き合う時間を捻出したいと思うようになりました。

会社を起こした当初は、前職からの流れでクライアントから依頼を受けてシステムを開発する「受託開発」の仕事が中心。でもそれだと、会社を大きくするにも社員の給料を上げるにも、たくさん仕事をこなす以外に方法はほとんどないんですね。

そのためビジネスに余裕が出たタイミングで、自社製品の開発・販売をする「自社開発」へ少しずつシフトしていったんです。

社員が会社のために働いて疲弊してしまっては意味がないですし、組織にゆがみを生んでまで拡大したいとも思っていません。当社は自己資本のみで経営しているため、出資者へ経営計画を示して資金を集めたり、誰かに成長をせかされる必要がないことも一因ですね。

働き方としても、午後7時までには全員が業務を終わらせていて、残業はほぼありません。その根底には、ワークライフバランスのうち「ライフ」の方を重視して、それぞれが「自分の人生にきちんと向き合う時間をとってほしい」という想いがあります。

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地方へ行く社員が相次いだことをきっかけに、リモートワークを導入

――東京の池袋にオフィスを構えるソウルウェア社ですが、2017年からリモートワークを導入しているそうですね。

リモートワークを始める前年の2016年にエンジニアの1人が、結婚を機に地元の和歌山県に戻ることになり、退職するという申し出がありました。ただよく話を聞いてみると、現地で新しい仕事が決まっているわけではないという状況。

当時はまだリモートワークという言葉もあまり知られていなかった頃。ただ、本人のスキル以外のことで仕事が継続できなくなるのはもったいないと思ったんです。

パソコンとインターネットさえあればどこでも仕事ができるエンジニアという職種だったこともあり、そこで初めてリモートワークという選択肢が生まれました。

この社員が引っ越しするまで8カ月程度あったため、リモートワークに向けての環境整備もできました。もともとクラウドサービスを使っていましたし、頻繁にクライアントを訪問することもなかったため、それほど大変ではありませんでしたね。

すると、この社員がリモートワークを始めて約2カ月の間に、いずれも旦那さんの転勤で地方へ引っ越す社員が2人も出てきたんです。

この2人は営業事務と経理の担当者で、請求書の処理など紙ベースの業務も行っていました。そのため、クラウドサービスを利用することにし、リモートワークで引き続き働いてもらえるよう依頼しました。

既にエンジニアメンバーがリモートで問題なく働いていましたので、「なんとかなるんじゃないか」という想いも大きかったかもしれません。

――社員の引っ越しをきっかけにリモートワークを考えるとは、会社の姿勢としてとても優しさを感じます。その後、社員全員がリモートワークになったのは、どんな経緯でしょうか?

リモートワークが始まる前に「リモートで働く人の気持ちを理解しよう」と、全員で週1回リモートワークをするようにしてみたんです。

その後、3人がリモートワークを始めてから1~2年の間、他のメンバーは週1で自宅からリモートワークをしながらも、オフィス勤務を続けていました。

ただあるとき、「会社って来た方がいいんですか?」という声が社員からあがって。「あ、そっか」と思いましたね(笑)。自宅でもオフィスでも同じように仕事ができていたので、2018年から完全に社員全員がリモートワークするスタイルになりました。


リモートワークで社員に見えない軋轢が生じたことも

――リモートワークを自然な流れでスタートし、スムーズに導入もされて素晴らしいですね。ただ、リモートワークによって社内で問題が起きたこともあるとお聞きしました。

もともと日常的に社内でチャットを使っていたので、リモートワーク導入後もコミュニケーションの方法は大きく変わりませんでした。

社員から「●●してほしい」と意見も上がってきますし、、メンバー同士も遠慮なく議論していて、私からみるとそれなりに健全なコミュニケーションができていると思っていたんです。

ただ、実は本当に言いたいことは言えていない部分があって、ある日、衝突が起きてしまったんです。同じ場所に社員同士がいれば、言葉にしなくても「なんとなく通じる」コミュニケーションってありますよね?

でもリモートワークだと「察する」のは難しい。小さなモヤモヤが積もっていたのかもしれません。

――その問題が生じてから、どんな対策を行っていったのですか?

この問題が起きる前から進めていたことなんですが、社員それぞれが同じベクトルを向いて働けるよう、経営理念を策定しました。

また経営理念を実行するためにはどんな行動を起こしていけばいいのか、具体的に「FIND・FLEX・CONNECT」という3つの行動指針を示しました。

「FIND」は、その人自身が課題や解決法を見つけること
「FLEX」は、状況に合わせてしなやかに変化すること
「CONNECT」は、人と人がつながるという意味です。

この経営理念や行動指針を共通認識とし、その上でチャットやビデオ会議で適切なコミュニケーションをとることで、現在もより良い組織づくりに邁進しているところです。

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入社前と入社後のギャップがなく、内定者からも高評価

――Reworker経由でソウルウェア社に入社した方から、「初めてのリモート勤務でも、すんなり業務に入れた」という声が届きました。リモートワークが初めての方でもスムーズに働けるよう何か工夫をされているのでしょうか?

採用直後から、チャットやビデオ会議で積極的にコミュニケーションをとるようにしていますね。

新しい社員が入ると、「これくらいできるだろう」と暗黙知に対する期待が社内で生まれやすいと思うんです。でも、「知っているスキルと知らないスキルが何か」といったことを、言葉としてきちんと伝えてお互いに共有するようにしています。

これは既存社員も同じで、「どのくらい仕事をやってほしいと思っているか」などを明確に伝えるようにしています。

また、転職市場で公開されている会社の情報は、「実際に入社してみたら違った…」ということって珍しくないと思うんです。

「残業はない」と書かれていたのに、定時では退社しにくい雰囲気があったり、「リモートワーク有」と言われたのに、実際はリモート勤務している人はほとんどいなかったり。

でも当社ではそういったケースはほとんどないので、入社前と入社後のギャップが小さいんだと思います。

――採用ではリモートワークという働き方を、ソウルウェア社の大きな特徴として紹介しているわけではないそうですね?

最近は特に「リモートワーク」が流行ワードのようになっていて、リモートする明確な理由がないのに「なんとなくリモートワークをしてみたい」という方も増えているように感じます。

そういった方は、話を聞いてみると、仕事以外の時間についてあまり深く考えていない方が多いようです。自分の人生をどんな風にしていきたいのか、少しでも考えている人の方が当社にはマッチしているように感じますね

リモートワークは手段の1つにしかすぎません。なので、経営理念や行動指針に共感してくれる仲間と働きたいですね!

――吉田さん、ありがとうございました。

社員の人生を豊かにすることを優先的に考え、自然な流れでリモートワークを導入することになったソウルウェア社。現在のワークスタイルが生まれた背景を紐解くと、ワークライフバランスのうち「ライフ」の部分を大切してほしい、という吉田さんの強い想いがあることが感じられました。


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