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「私の服、つまんないなって」に希望を見る

リワードローブ南部です。
今日のキーワードは「つまんない」
つまんないって、字面も本当につまんないって感じするし、退屈で、あーあってな感じがする、この言葉。

「私の服、つまんないなぁって思ったんです」
今日午前中にやっていたスタイリング講座の中で、参加者の女性が。
こんなかんじ、というのを画面共有で見せてくれる。
「ね?ほら、つまんないでしょ」と言わんばかりの表情で。
そこに写っていたのは、まあたしかにシンプルで、個性的って感じではない、普通の服。
私は「何をつまらないって言ってるのかなぁ」と気になり始めたところ、彼女が続けた言葉は、
「これまでTPOを意識しすぎてて、自分が着たいと思うかっていうことがなさすぎたと思う」
だった。
「なるほど、そういう意味でのつまらないってことか」と私の理解が進む。

服の話を聞いてスタイリストからアドバイスするときに、このプロセスをものすごく大切にしている。
その服がつまらないか、否か。
これは答えがない、例えば「シンプルな白Tはつまらないアイテムか」なんて愚問だ。見方によるし、感覚によるし、使い方による。
つまらない、ダサい、似合わない、かわいくない、この類のファッション語はいっぱいある。
その服がつまらないかってことよりも、自分の服をつまんないと感じてるということの方が大切で、
「つまらないって感じてるってことは、反対に、おもしろくてわくわくするイメージがあるってことかな」
「これまでの服をつまらなく感じ出したということは、何か変わりたいというときなのかな」
「つまらないって本人にとってはどういう感じなんだろう」
というのを一緒に見ていくと、望む装いのイメージ、もっと言うと、望む自分のイメージが出てくる。
彼女のケースでは、「TPOを意識しすぎた」という言葉にあるように、
「何が適切かっていうことを考えすぎずに、自分が着たいもの着るっていうのをやってみたいし、それが具体的に何を着るってことなのか見つけたい」
というのが願いだった。

服オタクでファッションについてアドバイスできるスタイリストは、知識もセンスもある人ほど、
「つまんない服にはこんなアクセントを入れたらいいよ」
「今日の恰好つまらないってときは、小物か着こなしで工夫してみて」
なんて、具体的な服のアドバイスを直球で返したくなる。
先にそれをせずに、「つまんない」という言葉で表現された本人の世界をできるだけそのまま受け取って、本当には装いに願っているのかを、これでもかというほど尊重する。その上で、願いを形にするためにスタイリングの知識を技術をフル活用する。

彼女の服はつまらなくない。つまらない服なんてない。
その人が「つまらないと感じている」ということがある、もっとこうしたいというのがその奥にある。

これはリワードローブが最も大切にしている人間観の1つ。
つまらない服着てる人も、ダサい服着てる人も、つまらない人も、ダサい人もいない。
もしそう感じているんだとしたら、それは自分が望む装いとのギャップを感じてるっていうだけだから、それならば如何様にも、スタイリングでお手伝いできる。
動画でのスタイリング解説も、講座も、プロフィール写真撮影も、何をやるときもこれが私たちのベースにある。

冒頭に出てきた彼女は、「それで、もっと自分を出していこうって思って、いろいろ見てて、そしたら好きな服屋さんに出会って、これ買って、、」と新品のスカートを見せてくれた。
私より年上の素敵な女性だけど、買ったもの披露してる笑顔は本当にかわいかった。
今期の講座は次回が最終回。連続講座はプロセスを共にできるのが楽しいもの、これからもたくさんの出会いがあるといいなと思う。

川村が笑いすぎてて誰だか分からない