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【症例紹介#5】自覚のない肩凝りによる気分障害・頭痛・めまい・不安感
症例5
患者:20代女性
主訴:頭痛、吐き気、めまい、不眠
状況:数ヶ月前から頭痛がひどく、吐き気を伴うこともある。病院に行ったが異常はないと言われる。薬を服用すると一時的に頭痛は治るが、あまり持続しない。
常に頭痛がしていて、気分が激しく落ちこむことがある。仕事はデスクワークで、モニター作業が多い。運動習慣はない。イライラする元気もない。
脈診:弱く、手首をしっかりと圧しないと脈を触知できない
舌診:全体的にやや紅黒く、苔が少ない
紅舌と紫舌の中間くらい。下記イラスト参照
![](https://assets.st-note.com/img/1702369155020-Uoc09D1EvW.png?width=800)
所見
眼に力がなく疲れ切った印象、病院でも異常なしと言われ原因がわからずやや混乱している様子、イライラした様子は感じられない、諦めたかのような口調、声が小さい
東洋医学的所見
思慮過多、疲労困憊による体力困窮、血行不足による重度の気虚症と推察される。
処置
重度の過労による血液循環力の欠乏が疑われることから、全身へのしっかりとした按揉(あんじゅう)を行う。背面から後頚部、後頭部にかけて異常な硬さ、筋肉の盛り上がりが確認できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1702369183094-DJBt4hOwgk.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1702369193729-areqpRxVoc.jpg?width=800)
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上記場所深部にある肩甲挙筋対して刺鍼し、しっかりと得気(ズンと重く体に響く気持ち良い感覚)を得たことを確認する。
この時点で患者は口数が減り、ウトウトしだしている。
施術ご患者は
「憑き物が取れたように軽い」
「しっかりと目が開く感じがする」
と喜んでいた。
本症例における考察および注意
本件は過度の肩凝りによる、頭部への血流不足が原因の気分障害が起こったものと推察される。
患者も最初は肩凝りを自覚していたが、経過とともに異常を感じなくなり、いつしか気分が悪い、頭が痛いといった症状へと変化していった旨を回想している。
肩凝りは日常的に感じる不調ではあるが、放置しておくと本件の方な気分障害、原因不明の頭痛・めまい・不安感といった症状が出てきてしまうので、注意が必要である。
養生法
下記場所に灸を施すと良い。
煙が苦手な場合は、やや値段が高くなるが、火の使わない灸もあるので活用したい。
![](https://assets.st-note.com/img/1702549944479-cwm0POGN5n.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1702550024899-o7pFhVi9aQ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1702550105914-clGqNPbrNZ.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1702550177059-Lx3BbFj3yc.jpg?width=800)
ツボの場所について
各ツボの場所は厳密でなくて良い。
なんとなく「押すと気持ち良い」「他の場所よりも痛い」「他よりも凹んでいる」等、自分でなんとなくそう感じるところで十分効果がある。
神経質にならなくて良い。
困った時は
原因不明の体調不良・痛みの時は、コチラにご連絡を。
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