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社会問題を解決する5つの力~⑤ルールメイキング

 NPOの役割は、市場や行政では対応できない社会問題を解決する道筋をつくることにあります。まずは事例(モデルケース)をつくることから始まりますが、最終的には行政と連携して制度(ルール)をつくることが一つの到達点となります。社会問題を解決する力、最後の5番目はこの「ルールメイキング」となります。

 例えばRCFでは、復興段階での「コミュニティ形成支援」の必要性を捉え、釜石市で釜援隊などの事業を進めながらも、福島県・岩手県などでコミュニティ支援の必要性を訴えてきました。そのことがきっかけとなり、福島県では公営住宅でのコミュニティ支援事業が行われたり、岩手県でもコミュニティ形成に関する事業が進められています。(当初は、「コミュニティ形成は住民自身の取組であって、行政が支援するものではない」と拒絶されていました・・)
 最近は、企業による事業拡大と行政施策を効果的に結ぶ取組に注目しています。
 リクルートキャリア社は気仙沼市と連携し、地場企業の大卒新卒人材採用の仕組みを導入しました(※1)。通常、数万人規模の地域には人材会社は営業上なかなか細かく対応できません。しかし、自治体側が適切な事業者を紹介調整したり、一部事業費を負担することで、企業はノウハウを提供することができています。成果があがった2-3年後は、地場企業がコスト負担できて持続するため、行政からみた政策効果も大きいと言えます。(通常の補助金は金の切れ目が縁の切れ目になります)
 効果的な施策を制度に実現させたり、民間企業ノウハウを行政と連携させるといった「ルールメイキング」の力は、社会問題解決をする上で最終的に鍵を握る力となります。別の言葉でいえば「アドボカシー」「ロビイング」となるわけですが、利益誘導ではない制度をつくる力をもつNPOを、ますます増やしていく必要があります。(つづく)

※1 マチリク気仙沼 https://recruit-mcr.com/kesennuma/

参考URL ロビイングと公務員の新潮流(藤沢烈note, 9/16)
https://note.mu/retz/n/ndc158d8ed203https://note.mu/retz/n/ndc158d8ed203


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