有酸素運動とは

テレビやインターネット、スポーツの現場でよく耳にする有酸素運動。有酸素運動をすると、持久力の向上や脂肪燃焼効果があるといった内容が多いが、これについて書いていこう。

まず、有酸素能力とは。持久力でもなければ、心肺機能でもない。これを多くの人が勘違いしているのではないだろうか。有酸素能力は、運動によって上昇した心拍数を落ち着ける能力の事を言う。いわば回復力。というとわかりやすいだろうか。ダッシュや激しい運動を行う事で息が絶え絶えになるのだが、この時点では会話は不可能である。息が上がったこの状態から、いかに短い時間で正常の状態、会話ができ息も落ち着いている状態に戻せるのか。これが有酸素能力である。

次に、有酸素運動とは。有酸素運動はギリギリ会話が出来うる状態の運動の事である。ただ単に長い距離を動けばいいというわけではないし、ダッシュを何本も何十本も繰り返せば良いというわけでもない。私がスポーツトレーナーをしていたり、ケガをした患者との会話でよく聞いたり見たりする光景がある。会話ができないレベルで長い距離を何十分も走っていたり、試合後に負けたからと言って何十本もダッシュをさせられていることだ。これは、トレーニングとしては意味があまりない。ゼロとは言わないまでも、有酸素能力を上げる意味では効果は薄い。太字にも書いたが、有酸素運動をしたければ会話がギリギリできるくらいのキツさで運動をしなければならないという事をきちんと理解してもらいたい。私が有酸素運動を行うときは、ランニングマシンで時速6キロ~7キロほどでしか走らない。個人の運動能力によって違いが出るが参考にしてもらいたい。普段全く運動をしない人はこれよりも遅いだろうし、普段から運動している人はもう少し早く走れるかもしれない。注意点だが、ランニングでなければいけないのか?答えはNOだ。別に上半身のみを会話ができるギリギリくらいで動かすのも有酸素運動に当たる。要はどんな運動でも会話がギリギリできるレベルの動作という事だ。

ここで疑問だが、どのくらいの時間行えばいいのか。最低30分以上継続して動き続ける必要がある。

40分でも、60分でもOKだ。私はだいたい40分から50分くらいを目安にランニングをしている。

そして、脂肪燃焼効果について述べていこう。人間が脂肪からエネルギーを作り代謝(エネルギーを使う)する過程を二つに分ける。吸収期と空腹期である。吸収期は人間が食事を摂ってから約3時間ほど。空腹期はその他の時間である。そして吸収期に使われるエネルギー源はそもそもグルコースと言って糖質が主である。吸収期の運動は脂肪燃焼に効果があるかと言われると、効果は薄いだろう。空腹期に使われるエネルギーは、体に貯蔵されている栄養素を使っている。ここでやっと脂肪が使われるのだ。糖質はほとんどが脳のエネルギーに使用されるため、脂肪やタンパク質を使うのである。

ここで述べていないことが一つ。運動の種類である有酸素運動が有意に脂肪燃焼に働くのか?ということである。

有酸素運動であろうが、激しい運動であろうがあまり関係がないということを理解して頂きたい。

ここに短く簡単に乗っている論文を載せておこう。あえて長い論文では無く短いのを載せてある。

私は生理学の分野から今回書いているが、運動の種類ではなく、いつ運動するのか?それが脂肪燃焼に大事であるということだ。吸収期(食後3時間)ではなく空腹期に運動を行うと最も脂肪燃焼に効果があるという事を覚えておいていただきたい。有酸素運動が脂肪燃焼に効くとか、重りを持った運動が脂肪燃焼に効くとかはあまり関係ないのである。

正直どっちでもいい。自分がやりたい方をやればいい。脂肪燃焼を目的としているのであれば空腹時にやってみよう。


少し脱線したが、有酸素運動について書いてみた。テレビやネットに流れている情報がいかに間違っているのか。ほとんどが商業目的で、売り上げを上げる為に都合よく情報が拡散されているという事である。

もう一度分かりやすくまとめておこう。

・有酸素運動とは、会話ができるギリギリのレベルの運動である

・時間は最低30分以上(これもデータとして30分後から血中遊離脂肪酸が増加する為)

・有酸素能力は持久力ではなく、回復力である

・脂肪燃焼はするが、筋トレでも有酸素運動でもあまり関係が無い

・脂肪燃焼させたければ空腹時にやろう


また時間があれば医学的に科学的にいろいろ書いていこうと思う。

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今井接骨院

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