日本の部活動、練習時間長すぎ問題

部活動の時間が長すぎる事について、問題は勉強時間が無くなるとか、体力的にということではありません。長い時間部活動をしていてもきちんと勉強をしている生徒はいます。私からしたらすごい事ではあるのですが。

今回、何が言いたいのかと言うと、そこまで長い時間練習しても意味が無いという事を書いていきます。むしろ、強くなりたければそんなに練習しない方がいいんじゃないだろうかという考察も書いていきます。

現在の情勢や環境によって制限されているので、今は短い練習時間になっている。というところは多いかもしれません。

このニュースによれば、公立校は学校によっては、減少傾向にあるということがわかります。このデータは限局的なものでしかない為、実態が捉えられていないのではないでしょうか。正直なところ、部活動に力を入れている学校はほぼ変わっていないと感じています。

私が部活動で怪我をした選手の施術をする際、部活動の内容を聞き出すようにしている中で、どの部活動もかなり長い時間練習しているようです。

かくいう私もぴちぴちの学校生活を送っていて、部活動に明け暮れる日々でした。平日は3時間前後、休日は丸々1日である事がほとんど。結果的にどこまで成績を残せたのかというと、誰にでも自慢できるほどの結果は残せなかったです。


大学に入り、体についての勉強やスポーツ科学などの勉強をしていく中であんなに必死になってやっていた時間が無駄。むしろマイナスだったという事に気付きました。

そこで何に気付いたのかを自分なりに分かりやすく説明します。

スポーツで勝つためには、人間の土台であるフィジカルレベルが高くなければならないことです。ちなみに、フィジカルレベルを上げる為に沢山練習している顧問は完全に勉強不足であり、自己満の塊としか言いようがありません。これだけやったんだぜ!?みたいな感じでしょうか。

フィジカルとは、以下の4つが主になってきます。

①パワー ②スピード ③スタミナ ④柔軟性

①パワーについて、筋肉量は基本的に体重に比例しています。馬鹿みたいに走り続けたり、4時間5時間もしくはそれ以上練習しても体重は増えていきません。まして、若い年代で代謝もエネルギー消費も大きいです。体の成長もまだまだしています。格闘技で体重で階級が分かれているのはこのためです。5キロ10キロも体重が高いと不利でしかありません。競技特性上動けなくなるとダメなスポーツもありますが、それは競技の中でベストな体重があるので個人で判断してください。私はサッカーをしていました。サッカーのベスト体重は身長ー100~105と言われています。90分走り切れるかつ、相手に当たり負けしないのはこのくらいでしょうか。もちろん個人差があるので一概には言えませんが。今年の高校サッカー選手権大会の平均体重を出している方がいるので参考にしていただきます。

https://ameblo.jp/his1017/entry-12715603117.html

体重を増やせ!!ということではありません。ただ、筋肉量を増やすことは体重の増加と比例していますということです。体重ばかり増やしてはキレが落ちてしまうので、競技や年齢性別、ポジション、プレイスタイルなど総合的に考えてください。

パワーがあれば、相手を抑えることが出来ます。当たり負けしません。打球が遠くまで飛ぶようになります。強いアタックが打てます。高く飛べます。バランスを崩しません。

練習時間は出来るだけ短く、運動量、内容を考え効率的に行いましょう。

②スピードについて、スピードはただ足が速いとかそういったことではありません。足を速くするトレーニングもありますが(縄跳びなど)、短距離走を早くするのは限界があります。しかし、競技中のリアクションスピードであったり、切り替えの早さなどは鍛えることが出来ます。普段から、長い時間の練習ばかりしていては、集中力を鍛えることが出来ません。いろいろな見解がありますが、集中力が続くのは20分前後と言われているのではないでしょうか。集中力を鍛えて、3時間あるいはそれ以上集中しつづけろ!というのは無理があります。練習時間をある程度短く区切って集中しながらやることで、判断スピードや反応スピードを鍛えていきましょう。単なるスピードを鍛えたい場合は、DM等でお聞きいただければお答えします。

③スタミナについて、スタミナ(体力)を鍛える為にガンガン走るぞ!とか、長時間の練習が生きてくるんだ!というのはいつの時代の話でしょうか。ドイツではスタミナをつける為にウェイトトレーニングを行っています。ウェイトトレーニングはパワーだけじゃありません。例えば、スクワット100キロ上がる選手とスクワット50キロ上がる選手、この二人がターンやストップ、体のキープ姿勢を取った場合、使用エネルギーはどうなるでしょうか。もちろん、スクワット100キロ上がる選手の方が少ないエネルギーで体を支えることが出来ます。私がスポーツトレーナーとして契約しているチームではスタミナのメニューはタバタ式トレーニングしか行いません。それでも、90分間2日続けて試合で戦いきる体が作れます。タバタ式トレーニングが最も効率が良いです。作った時間を技術や戦術練習に充てています。

ヒートトレーニングの一種になりますが、ここでは割愛します。ランニングや長い時間をかけなくてもスタミナを鍛える事ができるのです。

④柔軟性について、柔軟性は多くを語る必要が無いほどにメリットばかりです。疲労回復、ケガの予防、競技パフォーマンスの向上様々なメリットがあります。長い時間練習をし、疲れて帰ってきてさらに家で時間をかけてストレッチを行っている選手がどれだけいるのでしょうか。中にはきちんとストレッチをしている選手もいますが、かなり少数だと思います。またここで、勉強やリフレッシュの時間を割かれてしまいます。そもそも、長い時間の練習で疲労が溜まらない訳が無いです。疲労回復には限界があります。どんな動物でも、スポーツじゃなくても、疲労が溜まってしまいますし、脳の疲労もします。長くても2時間でいいのではないでしょうか。


成績の向上を目的としている中学、高校の部活動がまだまだ間違った内容で行われていることに疑問を持ちます。スポーツをする上で技術も必要ですが、基本となる体作りに着目して書きました。練習時間が短くなることで、成績の向上、ケガの予防に繋がるのでこれを見た顧問の方は今一度考えて欲しいと思います。

最後に、技術を磨くには休養が必要であることも理解してください。

実際、かなり長い時間練習してできなかったことが、1日空けて挑戦してみるとすんなりできちゃった。みたいな経験がありませんか?

練習時間は長くても2時間で十分です。

今井接骨院

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