【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その20 最後に
速いことは偉くもなんともない
【リーンウィズで速くなる!?】というタイトルで書いてきましたが、一般公道を走るのは競争でもなんでもなく、速ければエライなどということも全くありません。
僕が思っていることは『限界を知っていれば、限界よりも手前の領域で安全に走ることができる。』ということです。
だから、無理のない範囲で構わないので、これまで説明したテクニックを一通り試してみて、限界を知る努力をしてください。
バイクは、新しく試したことの結果がすぐに返ってくるのが良いところです。『なんだか楽に曲がれるようになった!』
『思ったようにいかなかった、、』
うまくいったならもう一度同じ事が再現できるように挑戦し、うまくいかなかったなら『どうしてうまくいかなかったのか』を必死に考え次回は改善を試みる。
うまくいっても、いかなくても、得るものが必ずあります。
『自分の成長を感じることができる』ということが、バイクの楽しさの一つだと思います。
とても怖かった経験
僕には、大切なひとがバイクで壁に激突して、頭から崖下に落ちていくところを目撃してしまったという経験があります。
それはバイクの免許の教習中のことだったのですが、3メートルもある崖を真っ逆さまに落ちていったので、下手をすれば死んでもいてもおかしくはないような状況でした。
落ちるのが見えた瞬間、僕は無我夢中で崖下まで走っていきました。最初に現場を見た時は『絶対に首が折れている』と思いました。名前を呼んで動かそうとする教官の手を払いのけ『動かさないで!早く救急車をっ!』と叫んだのを覚えています。
そのまま救急車で病院に搬送されたのですが、いろんな奇跡が重なって、怪我は打撲だけで済みました。そして幸い、今は元気に過ごしています。
ですが僕は一生、あの時の気持ちを忘れないでしょう。今でもツーリングに行ってワインディングを走っていると二、三回は、ガードレールの向こうへ大切なひとが落ちていく、あの光景がフラッシュバックして蘇ってきます。
ですので僕は、絶対に無理な走りはしません。
安全に、家まで帰るため
スピードが速くなればなるほど、冷静に、落ち着いて、丁寧な操作を心がけましょう。
そして全てのコーナーで、落石やはみ出してくる対向車、路面の異常など『何かがあるんじゃないか』と用心をしておきましょう。
バイクを速く走らせるのは危険なことです。ですがスピードが遅いから安全というものでは決してありません。
速くなる必要はまったくないですが、上手くなりましょう。
おわりに
【リーンウィズで速くなる!?】が、安全に上手くなっていくための手助けとなることを心から願っています。
最後までこの連載を読んでくださってありがとうございました。
末永くあなたとバイクが、いい友達でいられますように。
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