【赤裸々にRettyのデータも公開】誰も教えてくれないリファラル採用の本当の話
みなさんこんばんは。Retty社長室室長の奥田です。
今年も気付けばもう大晦日、明日の元日は朝からフットサルの予定を入れているくらいには年末年始の雰囲気を感じられない生活を送っておりますが、本日くらいは年末らしく何か認めようと思い(本当は広報担当にどやされ)、筆をとっています。
ややagitativeなタイトルではありますが、年の瀬にこれまでのRettyの採用活動について一部自己開示してみようかなと思います。
深い考察を志向した記事というよりは、自己開示により今後の業界における積極的な情報開示や議論の端緒となれば、程度の位置付けとなりますので軽い気持ちでご覧いただければ幸いです。
📖自己紹介
Rettyにおける社長室とは、人事採用、広報IR、経営企画、新規事業、内部監査のチームを包含する部署となっています。
個人としては、2008年に新卒で三菱商事株式会社に入社し、リスクマネジメント部にてファイナンス業務に従事し、その後2013年にRettyに6番目の社員として入社しCFO兼採用責任者を勤めた後、入社から4年ほどしたタイミングで知り合い(先輩)をCFOとして自らハイアリングし、現在は社長室室長、またの名を「稀代の何でも屋」として毎日過ごしております。
ちなみによく聞かれますが、CFO時代よりも今の方が仕事はさらに楽しくなりました(笑)
今回の執筆にあたり、特にHRの専門家というわけでもありませんし、スタートアップの中で弊社以上に採用がうまくいっている企業は枚挙にいとまがないのは承知の上で、その中でも「Rettyの採用活動の特徴の1つとして、リファラル採用による入社が多い」という仮説に基づき、そこにフォーカスを当て、簡単にこれまでのRettyの採用活動を振り返ってみようと思います。
データで簡単に現状のアウトラインを掴んだ後に、当初想定とは異なる学びが得られた施策、想定通り成果の出た施策、について言及していきます。
懐かしい2013年入社当時のオフィス。執務スペースとしては、写真に写っている部屋がほぼ全て。他にはお風呂や、洗面所など(笑)
🖥データで見るRettyの採用
前提
▶︎データは正社員のみを対象としております
▶︎データは入社後、既に退職してしまった社員も対象としております
▶︎データは新卒入社社員は対象としておりません
▶︎職種のラベリングは簡便的に行なっているものであるため、厳密な定義に合致しない場合があります
▶︎Rettyの会計年度の締めは9月末となります
まずは、Rettyに入社した全社員(退職者も含む、新卒を除く)における入社経路をみると、約51%がリファラル経由での入社になります。他社の状況が分からないため相対比較はできませんが、Retty社内で持つリファラル採用比率のターゲットから大きく逸脱しない水準となっております。
(ちなみに円グラフの頂上部にある白いポーションは「創業」の1になります)
同時に、当然のことながらエージェント、Wantedly社にも大変お世話になっていることがわかります。
次に職種別のリファラル採用比率を見てみます。
一見、デザイナーのリファラル採用率が低いように見えますが、絶対数が他の職種に比べて数分の一程度にとどまるため、多職種と比較して有意な差があるとは言い切れないと考えます。
また、性別でも比較してみましたが、男女間に有意な差はありませんでした。(その他の性については、データを保有していないため考慮しておりません。)
各会計年度別のリファラル採用の比率はどうでしょうか。
FY8〜FY9にかけて、リファラル採用の比率が減っております。FY8は事業戦略上採用数を増やすフェーズではなかったため、採用数・採用活動自体を絞っていたことから、全社的な採用注力ムードとリファラル採用の割合にも関連性があるとの仮説を導くことも可能です。(時間がある時に検証します)
FY9から事業戦略上採用注力するフェーズとなったため、採用数・リファラル採用比率共に回復の傾向が見て取れます。
特段リマーカブルな発見ができる分析軸は見つかりませんでしたが、現状理解およびデータの自己開示は以上になります。
続いて、施策について話していきたいと思います。
💡想定していない学びを得ることができた施策
様々な採用施策を行なってまいりましたが、今振り返っても、大きな学びを得られたのが、過去に行ったリファラル採用キャンペーンでした。
キャンペーン概要
▶︎3ヶ月間の期間で実施
▶︎社内を部門や職種などの軸で4チームに分け、キャンペーン期間中にチーム別に「紹介数」and/or「採用決定数」目標を設定する
キャンペーン自体は、当時話題(?)のゲーミフィケーションの要素を取り入れられたこともあり、採用人数目標に対して、3ヶ月の成果としては上出来と言えるものとなりました。
一方で、弊社側の受け入れ態勢が十分でなかったがために、その後の定着等にはバラツキが見られる結果となりました。
このキャンペーンを契機に、活躍し定着してもらえた社員の共通点は何かと考えた結果、見出した仮説が下記のものです。
「入社後に紹介者がリーダーをしているチームで働いている社員の活躍度・定着度が高い」
もちろん、そうじゃないケースで活躍している人もいますし、もう一段レイヤーを上げると「紹介者と紹介された人が同じチームで働いてる」と言えるのかもしれません。この辺りの解像度は、要素をさらにブレイクダウンすることによって様々なことが見えてきますが、長くなるので詳細はまた別の機会にお話しすることにします。
😇想定通りの結果となった採用施策
一方で、想定通りのポジティブな結果を生み続け、今では資産へと転化した施策もあります。
創業後早いタイミングから行動規範(弊社ではRetty Wayと呼称)への盛り込んだことがその際たるものです。
Retty Wayに関してはこちらの記事もご参照ください。
上記は、1世代前(2016-2018)のRetty Wayになりますが、仕事のスタンスの中に紛れてしっかりと「Hire the BEST」という項目が入っています。
それ以外の4つのワードとやや粒感が揃わない(というか、圧倒的に唐突感がある)というデメリットを押してまで、創業以来この世代のRetty Wayに至るまで、長きに渡り毎世代Retty Wayの中に組み込まれています。
現在では、十分に普及滲透していることやその他の戦略上の理由からRetty Wayから外しておりますが、リファラル比率50%以上を維持していることの1番の立役者はこの施策と言えると思っています。
🔚結びに
お付き合いいただきありがとうございました。
書きながら、ここには書けないが、外部の人とシェアしたい気づきがどんどん溢れてきました。採用に限らず、成功や失敗体験というものはオープンにすることによって昇華されていくものだと信じておりますので、この駄文が今後の事業運営における成功体験や失敗体験のオープン化を進める端緒となることを祈念して筆を擱きます。