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専門とはどういうことか

*僕は何かの専門家ではない。いや、こと言葉に関しては専門家の部類だと言っていいのかもしれないが、それにしたって、その他無数のことに関しては、皆さんと同じように素人である。というか、たいていの人がそうだ。そしてたいていの素人は、たいていの未知の状況に対して、どう対処するか?ということが求められたりもする。

ただ未知の状況だったり、どうする?ということに対して、いちいち専門家を召喚したりしていたら、いったい人生に何人の専門家が必要なんだ?ということになっちゃうよねえ。そのたびに専門家を呼んだりしていたら、それこそ何人いても足りませんから、という具合に。

もちろん、法律上きちんとしなければいけないことはあるから、税理士さんに相談したり、病気に関わることはお医者さんに相談したりと、そういうのはあるでしょう。けれど「この料理の作り方が分からないから、専門家に相談しよう」とか「自分たちだけではアイデアがでないから、アイデアの専門家を呼ぼう」だとか、自分たちがあらゆるトラブルに直面するたびに、そのトラブルを解決する専門家に入ってもらっていたら、専門家だらけのパーティーになってしまうし、その数は限りなく多くなってしまう。

そうだ、大切なのは「専門性」よりも、「その分野について(素人としてでも)おもしろがれる」能力なんじゃないか。おもしろがっていくうちに、その分野について自然と詳しくなっていく。料理なんてまさにそうだよね。素人から始まって、おもしろがっていくうちに詳しくなる。そのうちに技術も身についたりなんかしちゃって、自分やチームの可能性が広がっていく。あ、まさにこれは「門前の小僧、習わぬ経を読む」じゃないか。

そして大抵の場合、何かの「専門家」と呼ばれる人たちは、少なくともその分野においては、誰よりも「おもしろがる」ことをやってきた人のことだ。それにまあ、「人生の専門家」なんて人がいないように、どう僕たちは素人としてそれをおもしろがれるか、だよなぁ。逆に言えば、「専門家」と呼ばれるような人たちのひとつの仕事は、どう素人におもしろがってもらえるか?だったりするかもしれない。

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